第112話 虐められた子供時代を思い出して

 今、(2021年7月中旬)において、某ミュージシャン(って何)が過去の虐め話をしたことが問題、俗にいう炎上状態になっている。

 芸能界などからは擁護の声もあるが、世間は彼に批判的だし、私自身、被害者なら許せないことを彼は自慢していたのだ。

――芸術家はすべからく変人なのだ。それを批判することは、芸術を否定することだ

 なんて言う人もいるだろうが、そんなもの芸術ではない。


 私は発達障害を持っている。

 だから、普通の人の言う「あれ」「普通」などが分からなかった。

 他人とのコミュニケーションの取り方も分からなかった。

 アニメを真似たりした。

 その度に虐められた。

 一人対多数である。

 笑われた。

 今思い出しても彼らのことを思い出すだけで腹が立つ。

 加えて先生も加わった。

 そこからメインの障害PTSD(心理的外傷)が出来た。


 発達障害自体は発見こそ遅れたものの投薬やリハビリによりだいぶ良くなった。

 でも、PTSDは今も疼く。

 関係ない怒鳴り声や大きい音に恐怖する。

 聞こえない笑い声が聞こえる。

 人の顔色を極端に伺う。

 結果、私は休職を余儀なくされた。

 

 もちろん、今の人生が悪いものだとは言えない。

 敬愛できる師と作家に出会い、色々な場所に行ったのはいい思い出ではある。

 でも、本当だったら結婚できたのではないか?

 彼氏と普通にデートできたのではないか?

 子宝に恵まれて幸せな家庭を築けたのではないか?

 そんなことを思う。

 

 私は生涯、私を虐めてきた人間を許さないだろう。

 彼らにとってみれば反省と言ってもせいぜい一時間程度のものだろうが、こっちは二十年以上苦しめられているのだ。

 だから、許せないのだ。

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