第41話 精神科には行くべきか? 行かないほうがいい?

 今回は長文になります。

 お時間のある時やお暇なときに読んでいただけると幸いです。


 春である。

 今、これを読んでいるあなたの周囲がまだ雪があったとしても、暦上では春である。

「春はあけぼの」などと紫式部が読み上げたがごとく、冬の間眠っていた、または活動を中止していた生き物たちが一斉に活動する季節の到来である。

 そして、三月は別れの季節でもある。

 学生から社会人へ。

 夢と希望とほんの少しの不安を胸に多くの学生が新社会人へとなる。


 が、全ての新社会人が社会に適応できるわけではない。

 中には「鬱」や「適応障害」「発達障害」などで精神を病む人もいる。

 これらの障害を私は心の中で『心の内部骨折』と呼んでいる。


 外部骨折は分かりやすい。

 骨がむき出しで血が出てグロテスクだ。

 だから、周囲のものはすぐに医療機関に連絡をして医師や看護師はすぐに手術をするなり手当てをする。

 これは重度の知的障碍者などが当てはまる。

 彼らは実に分かりやすい。


 が、内部骨折は違う。

 本人が『痛い』と訴えない限り、周囲は分からない。

 恐ろしい話だが、日本の「美意識」という奴には「我慢したほうが偉い」というものある。

 もちろん、一概に頑張りや努力を否定をしようというわけではない。

 ただ、ほっておくと骨折はどんどん進行していく。

 本人がついに倒れて病院に行ったら複雑骨折になって何年も病院で入院ということもある。


 さて、ここで心の治療というものが出てくる。

 具体的には『「心療内科」「精神科」などの医療機関に連絡をして予約をして治療をしましょう』ということになる。

 大抵の本に「ささいなことでも病院へ」みたいな文言があるが、私はあえて書く。

「病院を最初からあてにするな!」


 別に「病院に行くと薬漬けになる」とか「根性で治せ」というアホな理由ではない。

 実際、私は今、精神科に通っている。


 私が書いたのは「あてにするな!」ということ。


 分かりやすく書くと、「心療内科」「精神科」を名乗りながら全くの無理解な医者が実は多くいること。

 私の場合、自分が「鬱」だと思いネットで調べて近くの精神科に通ったが「あんた、太っているからマイナス思考にあるんだよ」と『脂肪を溶かす薬』を毎週注射された。

 だが、一向に良くならず、仕事でますます鬱が進行した。

 そこで、一念発起して別の心療内科を受けた。

 そこで言われたセリフ。

「全部、お前が悪いんだ! お前が消えればいいんだ!!」

 これを言われた瞬間、私の中で精神科医に対する信頼はすべてなくなり、私は予約カードも薬も全部捨てた。


 さて、その後どうなったか?

 鬱がさらに進行。

 ほぼ「働く廃人」そのものだった。

 流石に親が「これは危ない」と思い(そもそもの原因は親なんだけど)地域にある「心の健康センター」に連れて行った。

 ここで知能等も調べられて「軽度で多種多様な発達障害の症状持ち、PTSD(心理的外傷)」と判断される。

 そこでちゃんと知識のある病院とリハビリ施設を教えてもらった。

 少しずつ世界が変わっていった。

 安心できる場所が出来た。

 信頼できる人が出来た。

『友達』と言える人が出来た。

 無論、今でも恐怖心はある。

 薬も手放せない。

 でも、十年前から比べれば天と地の差がある。


 だから、「まずは精神科(心療内科)」ではなく地域の『心の健康センター』に問い合わせをすることを私は勧める。(ただし、地域によって名称が変わりますので、市役所などで問い合わせるのがいいかと思います。あと、こんな時代なので数か月以上待つことを覚悟してください)

 そこから、病院などの情報を得て通院をすると以前の私のような失敗はないと思う。




 最後に。

 精神科にかかる前からずっと酒を飲んでくれた師匠へ最大の感謝を。

 あなたがいなかったら、私は私になれなかったでしょう。

 また、東京にお土産持っていくので遊んでやってください。

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