第10話 写真の話
昨今、スマートフォンの普及により写真は身近なものになった。
気が向いたときにボタンを押せばいい。
私も母校の桜を撮影したり、マラソン大会に参加したときは『証明写真』として大会スタッフの人に撮影してもらう。
なのだが、実は写真は苦手だ。
『魂が抜ける(昔の写真撮影は大変時間がかかり気絶する人が出たから)』と言うわけではないが、まず、私の顔は不細工なのが一つ。
二つ目は、写真に撮るほどのことがあまりない生活をしているから。
最後は写真を権威に利用する輩が大嫌いだから。
最後のところを詳しく書く。
SNS(ソーシャルネットワークサービス)をしていて、何が嫌かというと「正義自慢」と「有名人の○○さんに会いました自慢」だ。
正義は、私が嫌いなものだ。
正義とは私の考えを端的書くと「自分の思い込みを他人に押し付ける」行為だ。
そのために責任や義務が生じるが大抵の場合、無視である。
だから、私は最低限「正義」という言葉は極力使わないようにしている。
もう一つの「有名人の○○さんに会いました自慢」は年配者に多い。
これも正義の延長線上で自分の味方(だと思い込んでいる)有名人(政治家や作家、芸能人)の隣に立ちにやにや笑う姿なんぞ、正直、直視に堪えない。
その媚びへつらった根性と顔が嫌なのだ。
別に「有名人に近づくな」などと言うつもりはない。
私だって好きな芸能人に会えばミーハー根性丸出しで「キャーキャー」騒ぐだろうし、敬愛する作家に会えば混乱する(亡くなっている人多いけど)。
ただ、「俺はこんなにすごいんだぜ」という虎の威を借りる狐みたいになるのは嫌なのだ。
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