第18話 優柔不断
能登は改札までの階段を走って登る。
人が物事を決める時、そこには少なからず責任が生じる。私の優柔不断は、その責任から逃れようとする心が原因なのだろう。結局、今回も能登は自分で判断することができず、初老の女性にせっつかれた形になってしまった。だからこそ、初老の女性が自分と同じ車両に居てくれて良かったと思う。ここで行かなければ、私は後悔するだろう。
改札を抜け、満谷駅の南口へ向かう。
すれ違ったサラリーマン達が、能登に無遠慮な視線を送る。能登が逆の立場でもそうしたはずだ。電車から急いで降りる客は珍しい。
能登の頭で、理由だけが渦巻いていた。
望月と牧本に対面したとして、私はどうする気なのだろう。
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