第6話
「,,,もし,,,も,,,し」
遠くで響くような声が聞こえるような。
うっすら目を開ける。眩しさにすぐ閉じてしまう。
段々声だけは聞こえ始め、返事をしてみる。
「あぁー、良かった。ご無事で何よりです。」
「あんたは一体?」
「お忘れですか?あなたの担当医ですよ。」
「担当医?何の?」
ようやく目がなれてきて開いてみやる。
やはりそこにいる初老の男に全く覚えはない。
「誰だあんた。」
「嫌だなあ、あなたの担当医ですよ。廃屋とは言え人の所有地に入るなんて不法侵入で捕まりますよ。」
「は?なんのことだ?確かに入りはしたが、後ろからなぐられて、朦朧として、気付いたらここだ、全く意味がわからん!」
担当医と名乗る男は大きくため息を吐く。どうしたものかとでもいいたそうだ。
「ここでのことも覚えていない?
そういうことですか?」
「ここでのことってなんだよ!」
よくよく見ればベッドらしきものに寝かされたまま手足と腰と多分首にも固定するものが取り付けられている‼️
「なんなんだここは!ほどけ!出してくれ!」
得たいの知れない胸騒ぎと恐怖に暴れる。それでも固定するものが取れる気配はなく、疲労感だけが徒労として積もる。
「落ち着いて聞いてください。
あなたは、誰ですか?」
何を阿保げたことを聞くのか。
まあいい、答えてやろう。
「俺は、探偵だ。」
「どこの?」
「隣町向かい位のビルに構えがある。何年もそこでやってるさ」
「それはなんて名前で?」
「名前?名前は,,,なま,,,な,」
「名前なんてない、そもそもそんな探偵事務所なんてないのに出てきやしませんよ。」
「そんな馬鹿な!?俺はじゃあなんだっていうんだ!」
担当医は静かに口を開く
「あなたは,,,,,,」
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