怪盗淑女アタランテ/堀宮奈津

 さてこれが最後の作品になる。

 タイトルにもあるとおり怪盗淑女の仕事は、エンジェル・キスという宝石の偽物を盗み出すこと。後ほど詳しく紹介しよう。

 これを書いている時点ではまだ完結していないが、これからの展開を期待するということができる。(多くの場合は)完結した作品として出版される本と違って、ここからの展開はもしかして……と予想しながらやきもき待つのもweb小説の醍醐味ではなかろうか。



《怪盗淑女アタランテ/堀宮奈津》

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887898942



 主人公にして主役であるアタランテが偽物の宝石を盗むことになったのは何の事は無い、偽物とすり替えたと大々的に報道されてしまったからだ。しかし、その偽物も偽物とはいえ一応は宝石。価値の高いものだ。何より予告状と違う場所へ侵入するには時間も足りなければプライドに関わる……ということで、その偽物の宝石を盗み取ることになった。

 招待客の娘として潜入したアタランテは、会場内の様子や熱烈なファンに心躍ったりしながら時間を待つ。果たして宝石は盗み出せるのか?

 いかにもな怪盗モノであり、今のところほとんどお手本のようで好感が持てる。この場合の「お手本」はもちろん悪い意味ではない。つまるところ怪盗が主役で、その人物がいかにも余裕綽々でクールに、盗聴器で警察上層部の会話や潜入先の会話を聞きつつ、さていかにして目的のものを盗み出すかと頭をひねる様が、私はとても良いと思っているのだ。しかもカフェで一息いれながらだ。最高か。

 上でも書いたが、もしかしてこのあとの展開は……と予想することもできるが、私はよく自分の予想を外すのでこれ以上は恥をさらさないでおこう。これはこのまま作者の書くままに任せて期待しておくことにする。

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