第33話 これぞ純文学
文芸誌を読み慣れていない方に、純文学を誤解している方が多いです。
私はいつもそれが不満です。
カクヨムでも純文学とタグをつけたり
自主企画で純文学を集めるもの、たまにありますが
ほぼ、純文学じゃないのでガッカリします。
別に作品が悪いわけじゃないのにすみません。
ですが今回、純文学を誤解している人たちに
これぞ純文学!という作品に出会ったので
紹介したいと思います。
文學界2020年12月号巻頭の
鴻池留衣さんの「わがままロマンサー」
これは凄いです。
まさに純文学。
でも、純文学慣れしていない方が読んだら
「え?これが純文学?」
と思う事でしょう。
だって、腐女子の妻が浮気した夫に、自分の知り合いのゲイとやってるところを見せろ
という、「は?」と思うような作品なのです。
かなり面白いです。
でもこれこそが純文学です。
私は何度も書いていますが
純文学は、情景描写を綺麗に書く作品でも
芸術的な作品でも
小難しい作品なだけでもありません。
エンタメ系の作品だって
作者の感受性が人物を通して描かれているものだったら純文学です。
「その感覚分かる!」
というものを文章として表してあるもの
です。
作中に主人公が独り言として無意識に
「ガンダム シャナナ煉瓦銃」
と何度も呟いてしまうというのが出てきます。
これです。
これが純文学の表現です。
皆さんもないですか?
つい独り言で自分だけが口にしてしまう
意味のない言葉。
長嶋有さんの「ジャージの二人」の中にも
お父さんの独り言口癖で「しんじゃえ」
という言葉があります。
これは分かる人多い感覚だと、私は読んでいた時に思いました。
何か自分が精神的に不安定になった時や
胸がざわつく時などに、ポロッと出てしまう言葉。
そういう感覚的なものを文章に表してある。
それが純文学です。
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