第16話 芥川賞、直木賞

 さて第160回、芥川賞、直木賞の候補作が発表されましたね。


 個人的には、芥川賞の候補に古市憲寿さんの『平成くん、さようなら』が入っていたので思わず「やった!」と叫んでしまいましたよ。


 古市さんは前作から、芥川賞向けだなぁと思っていたので一先ずは候補になっただけでも嬉しかったのです。


 後、直木賞の方には多分、ファンの方も多いのでは無いでしょうか、森見登美彦さんが入っていました。


 私も森見さんは好きなのでぜひ受賞してほしいですね。



 芥川賞と直木賞は年に二回、夏と冬に発表されますが又吉さんが受賞された頃から、どちらかの候補者の中に専属作家ではない有名人さんが入っていると、「話題作り」のためだとケチを付けられる事が多くなりました。


 私はそれを目にするたびに、腹立たしいのです。


 ケチつける人たちは、読んでいないし、どういう賞でどう選考されるかも知らずに言っているから。

(もう断言しちゃいます)


 まず芥川賞は同人誌を含む、文芸雑誌に載らない事には選ばれない。

 それに対して直木賞は単行本から選ばれる。


 そこを知らない人も多い。


 芥川賞の候補作になった人がたまたま芸能人で、「あれは話題作りだ」と言いたい人がいたとしても、これだけは言える


「文芸誌に載る時点でまず、それだけの作品レベルだ」と。


 5大文芸誌(文學界、新潮、群像、すばる、文藝)から候補作になる事がほとんどだが、専属作家さんではない人の作品が掲載される事が多いのは文學界だ。


 なので又吉さんも文學界からの受賞だった。

 今回、その有名人視されている古市憲寿さんも文學界で発表された作品だ。


 じゃあ文學界は部数を上げるためや話題作りのために、芸能人の人の小説をバンバン載せているのかというと半分正解で半分間違いだ。


 話題作りではないが、芸能人の方の小説が載る事はまぁまぁある。

 壇蜜さんも何度か載っているし、マキタスポーツさんなどは長編小説を連載していた。


 だけどお二人が芥川賞の候補者になった事はありましたか?

 無いでしょう?

(個人的にマキタスポーツさんは芥川賞候補になってもいいと思うけれど)


 話題作りのためだったら、そういう方々がもっと出てきてもおかしくない。

 松尾スズキさんなどは何度か候補作になっているけれど、それは作品が候補作になるものだからであって、もちろん話題作りでは無い。


 それにね、芸能人の人が芥川賞や直木賞を受賞されてるのって又吉さんより前にもっとあったのです。


 バラエティ番組にたまに出ている辻仁成さんや、なかにし礼さんとかね。


 でも辻さんの受賞作を読んだら、ケチつけたい人はタジタジになると思いますよ。

 それぐらいに硬派で純文学を読み慣れない人には難しい系統だから。



 私は芥川賞や直木賞が大好きだから、ついそうやってケチつける人たちに噛み付きたくなっちゃうのです。

 そして最近は色々な文学賞ができましたが、この二つの賞はブレない。

「話題性」というもので左右されるものじゃ無いのをこの発表の時期になると言いたくなるのです。

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