第5話 主人公の年齢層

 ラノベでは十代、二十代の読者が作品に入り込みやすいように、読者層と同じ年代で境遇の主人公が求められる事がある。


 だけど一般文芸では年齢も境遇もバラバラで、どんな年齢の人物が主人公のものでも面白ければ受け入れられる。


 半年ほど前まで文學界で連載さいれていた村田喜代子さんの『飛族』という作品は主人公の女性が六十代で、舞台が住民二人という離島。

 特に事件が起こるわけでもなく、淡々と日々の生活が描かれる。

 けれど面白いのだ。


 何がどう面白いのかというのを私が上手く伝えられないので申し訳ないのですが、この作品に出会って、小説というものは年齢が近く共感が持てそうな主人公でなくても、奇抜なストーリーでなくても惹き込む事が出来るのだなと知りました。


 お年寄りが主人公で、離島が舞台ですよ?

 それでも私はこの連載を毎回ワクワクして楽しみに読んでいました。


 読者の年齢層を意識するのはラノベでは仕方がないところもあるかもしれません。

 ですが、面白い作品ならば主人公がオッサンでもおばあさんでもウケるはずなんです。


 ラノベではまだまだ少ないですが、マンガでは、もうそういう作品もありますよね。こち亀とか傘寿まり子とか。

 マンガでウケるのならば、ラノベだって読者を惹きつけられる作品ならアリだと思います。


 後、現役の学生である十代の人ならまだしも、二十代後半以上の作家さんだと中高生を主人公にして書いても、自分が学生だった頃と今の十代の子たちとは色々と違いがあり取材無しで、昔を思い出して書くと今の子たちにはリアリティが無い作品に感じます。


 そしてラノベの読者層も上がってきている。

 もうそれだったら、十代の主人公にこだわる必要も無いのかなと思うのです。


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