第7話 帰宅

 定刻より4分遅れているとのことで、到着したらすぐに乗るようアナウンスされた。やがて列車がホームに入る。自分の個室へ入った。そう、僕らが乗ったのは、サンライズ出雲である。現在、唯一定期運転している寝台特急だ。列車が発車した。特別放送は流れない。荷物の整理をしているうちに京都駅を通過した。そこで横になった。思えば、ここまで全て1日の出来事だ。明日は恐竜博物館、ではなく東京駅にいる。仕方ない。思いがけなく寝台特急に乗れたのが、不幸中の幸いということで。

 起きたら列車は止まっていた。どうやら浜松駅に運転停車中らしい。まだ浜松なら、もう少し寝れるということで、二度寝。次に起きたら海が見える。どこだろう。地図を見たら真鶴の近くだった。まだ時間がある。車内を散策しよう。ドアを閉め、暗証番号を登録し、先頭車両から最後尾へ歩いた。

 サンライズ号は、サンライズ出雲とサンライズ瀬戸があり、上りは岡山駅で合流する。連結部分は通路になっており、わずかに運転台が見えた。また、窓に向かって座席が並ぶ、ラウンジもある。座ってみたが、あいにくの天気だったのが残念。台風が来ているので仕方ないが。

 車内散策を終え、個室に戻ると、列車は横浜駅に着いた。となりを東海道線が止まっていた。横浜を出て、都心へ向かう。寝台特急に乗って、朝の東京へ。ついに、車内放送が流れる。

 東京駅は、今にも雨が降りそうな空だった。朝ごはんを食べ、山手線に乗り換え。JRの改札を出るとき、駅員さんに「よく帰って来れたね」と感心された。

 結局、当初行きたかった福井県立恐竜博物館には行けなかった。しかし、旅行は楽しかった。今度こそ、恐竜博物館へ行きたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

北陸初紀行 たんじぇんと @Cynops_pyrrhogaster

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ