第4話 しらさぎ

 なにやら人だかりができている。どうしたのだろうか。どうやら、電光掲示板に何かが出ているようだ。よく見ると、「運転計画について」と書いてある。嫌な予感がした。

 的中してほしくない時に限って、予感は的中するものだ。どうやら明日の特急が一部運休になるらしい。原因は台風接近。僕が乗る予定の特急が含まれているか、確認すれば分かるのだが、その間に今から乗るしらさぎが発車してしまう。とりあえず、掲示板の写真を撮り、しらさぎに乗車した。

 計画運休とはありがたい制度だ。事前に行動ができる。だがしかし、それに対応する必要もある。適切な対応が出来なければ、困るのは我々だ。

 特急に乗ってから詳しく調べたところ、「明日運転する特急は始発のみで、その後は終日特急は運休。在来線、新幹線はまだ未定だが、順次運休になると予想される。」ということがわかった。つまり、このまま予定通り行動していると、帰れない。台風が過ぎ去るまで待つか、今帰るかという2択だ。だが、万が一線路が土砂災害などで寸断されてしまったら、いよいよ帰れなくなってしまう。それに、地元の方が安全らしい。ということで、帰ることにした。だが、今から帰っても、終電には間に合わない。夜行バスという選択肢もあるが、個人的にバス酔いをするので乗りたくないところがある。ここで、ある手段を思い出した。時刻表を調べた。間に合う。よし、これで行こう。

 列車はちょうど、芦原温泉駅に到着した。

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