第10話 高校生3

「皆さんこんにちは自分です」

「今回はクリスマスの話をしたいと思います」

「それでは始まります楽しんで行ってください」



夏祭りの日から、4ヶ月が経ち、12月に入っている。

ある日の高校の通学路で彼女 悠見雪花ゆうみ ゆきかと一緒に雑談しながら帰っていると、眼鏡をかけ髪を肩ぐらいの長さまで伸ばし、髪を耳にかける仕草をしている、雪花が突然照れくさそうに立ち止まった。

「あのさー、もう少しであれくるじゃない?」

「うん、クリスマスね」

自身ありげに答える。

「え、うんそうなんだけど、あなたにしては珍しいね、先に言ってくれるなんて」

少し驚いた表情でそう言った。

「自分だってたまにはちゃんとしないとね」

「ふーんまぁいいや、それよりさ今年のクリスマスはどうする?」

何か想像しているのだろうか、雪花は顔少しニヤニヤしながら聞いてきた。

「クリスマス、一昨年と同じで神社でいいんじゃないか?」

雪花の顔を見ながら聞き返す。

「神社は何か、違うというか、だから他の考えて欲しいなーって」

上目遣いしながら、自分の目を見つめてくる。

このテクニックを見つけてからの、雪花は前の雪花より、少し強くなっている気がする。

それより、他ー、他の場所、そうだ!

「クリスマス、雪花の部屋でいいんじゃないか? 最近行ってなかったし、それにクリスマス、雪花の部屋で過ごしたことはなかったような気がするし」

今までのクリスマスは、両者どちらかの家のリビングで過ごしていた。

「え! 部屋? まぁ私はいいけど、お母さん達はどうするの?」

体の後ろで手を重ねながら、聞いてくる。

「その辺も考えてある、一応自分達が付き合ってるのは、両親には言ってあるよね?」

「うん、言ってあるよ、まぁ言った時、やっとか、逆によく今までそういう関係にならなかったな、みたいな事は言われたけどね」

自分の両親もそんな感じだったな、と思い出しながら、話の続きをする。

「じゃあ後は簡単だよ、少しどころじゃなく恥ずかしいけど、互いの両親に今年は、2人で過ごしたいからどっかに、遊びに行っていて欲しいって言えば、察してくれるはず」

自分でも、少し強引なやり方かな、と思いつつも提案してみる。

「それって、2人の時しかできないことをするって事だよね?」

そこまで聞いてくるとは、思っておらず、思わず動揺してしまう。

「えー、うんそういうことになるね」

そんなことを言っていると、今まで向き合っていた顔がお互いに、そっぽ向いてしまう。

その後しばらく沈黙の時間、になってしまった。

その沈黙を破ったのは、雪花だった。

「うん! わかった、お母さん達に言ってみる」

そう言うと雪花は、よっぽど恥ずかしかったのか、走って先に帰ってしまった。


それから数週間が過ぎ、今日はクリスマス当日だ。

雪花は両親に何とか言えたみたいで、その日雪花の両親は泊りがけで、遠出をすることになったらしい。

かくゆう自分の両親も、雪花の両親が旅行に行くと聞いて、自分達もと思ったらしく、その日は遠出をすることになったらしい。

自分より先に家を出た両親は、家を出るタイミングで。

「あんまり白熱しないようにねー」

と一言行って家を出た。

何言ってんだと、思いながら雪花の家に行く準備を始める。

準備が終わり、家を出る、家を出て雪花の家に向かう途中の、短い道である想像をしてしまう。


――自分がクリスマスプレゼントを渡す、そうすると雪花は。

「ちょっと待ってて」

といい部屋を出る、しばらくすると、部屋のドアが開き、サンタ服に着替えた雪花が入ってくる、上半身は長めの服を着て、下半身は膝よりちょっとしたぐらいの長さのスカートを履いている。

すると雪花が、ベッドの上に座り、雪花の隣をトントンと叩いた。

隣に座れということだろうか? そう思い雪花の隣に座る。

しばらくすると耳元で雪花が。

「いいよ」

と一言だけ喋った、すると自分は、反射的に押し倒す――

そんな想像をしていると、雪花の家の玄関着いていた。

チャイムを鳴らす、すると中から。

「はーい」

という返事が聞こえた。

しばらくすると、玄関が開き、エプロン姿の雪花が出てくる。

「いらっしゃい、上がって」

玄関で靴を脱ぎ、家に上がると雪花が。

「さっき来る途中変な、想像してたでしょ?」

眼鏡の奥にある目でこちらを睨んでいる。

「何にもしてないよ、うん本当に」

慌てて弁解する、ただその弁解は意味がなかったようだ。

「だって、さっき玄関開けた時、あなた顔ニヤついてたもん」

自分でも気づいていなかった、これはもう無理だと思い、黙ってっていると。

「もう少し、待ってくれれば、良いのに勝手に想像しないでよ」

右腕で、左腕の二の腕を掴み、胸元を隠しながら、睨んできている。

「ご、ごめんて、後で1個何でもお願い聞くからね?」

誠心誠意謝った、すると思いが伝わったのか雪花が。

「もういいよ、許してあげる、ただ1個はお願い聞いてもらうからね」

いつのまにか、睨みつけていた目はなくなり、笑顔に変わっていた。

「それより、料理できるまで、上の私の部屋で待ってて! 場所はわかるよね?」

「うん」

と答えると、自分は階段を上がって行く。

しばらく待っていると、良い匂いが近づいて来る。

ドアが開き料理が運ばれきた。

料理を運び終わった雪花は、エプロンを脱ぎ、自分の隣に腰を下ろした。

しばらく料理を食べながら雑談をしている。

話が落ち着いたタイミングで自分は、手荷物の中から、今日のために買っておいた、物を取り出す。

雪花は不思議そうにこちらを、見ながら。

「それ何?」

と聞いてきた。

なので自分は。

「クリスマスのプレゼント」

一言そう言って手渡した。

雪花は嬉しそうな笑顔で。

「え、ありがとう! 開けていい?」

と聞いてくるので。

「どうぞどうぞ」

そんな風に進める。

箱を開けると、黒色の眼鏡がでてくる。

今使っている眼鏡は、もう何年も使っているからそろそろ新しいの、買おうかなと言っているの聞いていたので、前々からクリスマスにプレゼントに買っておいたのだ。

「ありがとう! 大切にするね!」

満面の笑みでお礼を言ってくれた。

「度は雪花の両親に聞いたから多分あってるはず」

少し照れながらそんなことを言ってみる。

すると雪花は何か納得が言ったようで。

「だから、お母さんに眼鏡買い替えたいって言っても、もうちょっといけるってずっと言ってたのか納得」

お母さんそんなこと、してくれてたの感謝ー!

雪花のお母さんに感謝しつつ、雪花に。

「早く付け替えてみてよ!」

そういうと、雪花はなぜか眼鏡をこちらに戻した。

気に入らなかったのかな、と思っていると。

「あなたに、付け替えて欲しい」

座っている時の上目遣いほど可愛いものは、そうそうないぞと思いながら。

「わかったよ」

そう返事をすると。

「やった」

と笑顔になった。

今つけている眼鏡を外し、新しい眼鏡をかけるそれだけのはずなのに、なんだかめちゃくちゃ恥ずかしい。

そう思いながらも、始める。

まず今つけている眼鏡が外す、その間自分顔の方が雪花より上にあるので、自然と雪花の顔が上目遣いになってしまっている。

色々こらえながら、眼鏡外した。

次は新しい眼鏡をつける、先ほどよりも、手が震えてしまい、外す時よりも、長く時間がかかってしまった。

あー色々危なかった、そう思いながら息を整える。

息が整い始めると雪花が笑顔で。

「ありがとう!」

今のでこの笑顔が見れたとおもえば、ある意味一石二鳥、そんなことを考える。

「それでね、私もあなたにプレゼントがあるの、ちょっと待っててね」

そう言うと雪花は部屋を出ていった。

あれこれ来る時に想像した展開に似てる気がする、いや、まさかそんなことあるわけないと思いながらしばらく待つと、ドアが開いた。

そこには、想像していたよりも、露出している、可愛いサンタがいた。

上半身は胸元以外は隠していない、水着とほとんど変わらないぐらいの、露出度をしている。

下半身はまさしくミニスカと言う言葉が似合う長さの、スカートを履いている。

何で想像よりも露出増えてるんだよ! そう思いながら、雪花の方を見る。

すると雪花が照れた様子で。

「ど、どうかな? 似合ってる?」

こんな服、現実で見たことがなかったので、動揺しまくっている、それでも言葉を出す。

「うん、めちゃくちゃ似合ってるよ、それに今まであったサンタの中で1番可愛い!」

いつもなら、目を合わせながら、言うのだが今回は服が服なので、目が合わせられなかった。

そんな反応を見せると、いつもはここで一緒に照れている、雪花が違う反応を見せた。

「もしかして、さっきあなたが想像してた、ものに、展開が似てたりする?」

いつもはツンツンしてたり、照れていたりの雪花だが、なぜか突然見せる、この今だと言わんばかりに上からくる、雪花がたまらなく好きだ。

そんなことを考えている間にも、雪花は話の続きを喋りだした。

「あなたの想像の中の私は、次何したの?」

そう言いながら、雪花は自分を押し倒す。

押し倒し終わると、雪花は正気に戻ったのか、顔を真っ赤に染め、自分の体から離れていく。

「ご、ごめん私、あなたに対して、強く出れると思うと、こんなんになっちゃうの、でもここまでなるのは、2人だけで、しかも密閉空間になってないと、今回ほど酷くはならないと思う、本当にごめんね」

なにそれ可愛いと思いつつ、雪花に言葉を投げかける。

「気にしなくて大丈夫だよ、それよりさっきの続きなんだけど、自分の想像だとあの後2人でベッドの上に乗るんだけど」

そんなことを言うと、雪花は顔をはぁっと赤くしながら。

「う、そうなの? わかった、じゃあ目を瞑って」

「雪花のこと見てたいから、目は瞑りたくないんだけど」

本心をぶつけてみる、すると雪花は照れているのか? 目線を自分から目線をそらす。

「じゃあさっきの、何でも言うこと聞くやつ使う!」

それを出されると、何も抵抗できないので、大人しく目を瞑る。

すると腕を引っ張られながら、耳元で。

「開けていいよって言うまで、開けちゃダメだからね」

そんなことを、言われながら引っ張られる。

ここに座ってと言われ、腰をおろすと、柔らかいものの上に座っている、多分ベッドの上だ。

次の指示を待っていると、突然顔の向きを変えられ、唇に何か柔らかいものが重なった、これは感じたことのある、柔らかさだった。

そのまま少し長めに重ねたままだった唇が離れる。

すると、ふーっと息を整える音が聞こえた。

その直後、耳元で。

「いいよ」

と囁かれると、自分は目を開け、雪花の肩を掴み、そのまま押し倒した。


その日自分は、雪花の家に泊まっていった。




「皆さんどうでした? クリスマスの話」

「これで自分の高校生活の思い出は、終わりです。」

「それでは次の話でお会いしましょうさよならー」

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