第3話
= 部屋の中でテレビを見ながら孤独死 =
やっぱり同じ夢を見た。予知夢は終わってない。
だれかが近いうちに死ぬのだ。
俺は気になってその予知夢の事を思い出してみた。
夢の中のテレビを見てる人間は誰なのか?男なのか?女なのか?
とにかく見る夢が気になってアルバイトの新聞配達の仕事がミスだらけになった。
もう予知夢の事以外考えられなくなった。
= 部屋の中でテレビを見ながら孤独死 =
見る夢は変わらない。その夢を何回も見たことで確認できたことがあった。
夢の中の映像は主観目線なのでわかりづらいが、
どうやらその予知夢の中でテレビを見ているのは女性、
見てるテレビ番組は『出川哲郎の充電させてもらえませんか?』
テレビのメーカーはアクオス、テレビ台は黒、絨毯は赤だった。
そのテレビを横に寝ているような状態で見ながらゆっくりと景色が薄れていく。
それで夢は終わる。
= 高速道路で正面衝突して即死 =
夢が変わった…
それから2週間後、俺のアパートの103号室で引っ越しが行われてた。
103号室のおばあちゃんが亡くなったらしい。
テレビが流れたままの状態で部屋で発見されたらしい。孤独死だった。
また引っ越し業者と不動産屋のスーツを着たの人が
俺のボロアパートに来て103号室の部屋に出入りしていた。
引っ越し業者は赤い絨毯とアクオスのテレビを運んでいた。
2週間前、夢が変わった日のテレビ番組欄を調べてみた。
番組欄には『出川哲郎の充電させてもらえませんか?』
間違いなかった。
俺は人の死に方を夢で見れるようになっていた。
予知夢の法則を自分の中で整理してみることにした。
まず予知夢の内容は『他人の死に方』
そしてその予知夢の人間が死んだら、予知夢は違う人間の死に方の内容に変わる。
そしておそらく、俺が見るその予知夢の人間は
『俺が眠っているときに俺の一番近くにいる人間』なのだと思う。
俺のボロアパートは1階建てで、俺の部屋は101号室、
隣の102号室の男性が最初の予知夢で、その次の予知夢は103号室のおばあちゃん。間違いない。そして今現在は102号室も103号室も空き部屋になっている。
= 高速道路で正面衝突して即死 =
103号室のおばあちゃんが亡くなってからもう1ヶ月、
ずっと高速道路で正面衝突して事故死する予知夢を見ている。
これは俺の死に方じゃなく俺の近くに住んでる人間の予知夢なのだ。
その1ヶ月見続けている夢の内容は、
まず白いワゴンのような車に男性が乗る。
俺の予知夢の映像は主観の映像なので性別がわかりにくいのだが、
その主観目線の映像から手が見える。それで性別がわかるのだ。
その男性はどこかの道路から高速道路に入り、
すぐの所で向かいから走ってきた大型トレーラーと正面衝突する。
そしてグシャグシャになった運転席の映像で急に予知夢は終わる。
= 高速道路で正面衝突して即死 =
俺はこの夢が予知夢であるという事を確信して、
自分が住んでるボロアパートの他の住人を調べてみることにした。
102号室、103号室の人間が立て続けに亡くなると、
その流れで気になるのは、やはり104号室の住人だろう。
俺は104号室の住人が帰ってくるのをボロアパートの外でずっと待ち続けた。
数時間後、104号室の住人がボロアパートに帰ってきた。
つなぎのような作業服を着た男性だった。
その男性はボロアパートの前ですれ違いざまに
チラリと俺を見てから104号室に入っていった。
= 高速道路で正面衝突して即死 =
夢は変わらない…
おそらく予知夢の中で死ぬ人間は104号室の男性なのだろう。
だが確証が無い。
今のところの手掛かりはその104号室の人間が『男性である』という事だけだ。
俺はもう少しだけ104号室の男性の情報が知りたくなっていた。
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