Bonus trackⅡ【設定資料 ※ネタバレ注意】
◎第二部・導入
「亜里沙の手紙 →修行」
数日後、竜之介の家に宛名不明の一通の手紙が届いた。それは、あけちゃん(亜里沙)が「黒石の手下」であることを知らせる内容であった。父の無念な死。サイコパスな男の黒石 彰の正体だった。
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昔々、ある所に可哀相な女の子がいました。女の子は小学一年で父親を亡くし、次いで母親を亡くしました。父親は大型トラックの運転手の飲酒運転に巻き込まれて亡くなりました。乱れたトラックは勢いをつけて軽自動車にぶつかったのが原因です。前方にいた父親は大型トラックの重みで運転席が、潰されてしまいました。母親は、最愛の夫の死亡事故に憤りを感じ、裁判沙汰を起こしました。しかし運転手関係者は大きな黒幕と繋がっていたのです。結局裁判は揉み消しが図られて無罪判決になりました。更に母親は、謎の幹部に拉致されて、性的暴行を受け、睡眠薬を飲まされて海に沈められてしまいました。なにも知らない女の子は「悪いおじさんたち」に引き取られ、なんにも知らされないまま、その幹部の一人として……今も生きているのです。
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黒石に因縁を持つ竜之介は、楼雀組の頭目の紹介で「葛西 迅助(かさい じんすけ)」という詐欺師のもとに、押し掛ける。そして、大学を休学し、貯めてきた貯金一億円を渡し、半年間、迅助のもとで、詐欺の修行をする竜之介。彼は言った。
「お前に『全てを手放してた』としても、そいつに対して報復する覚悟があるのか?……学歴も、貯金も、家族も全て捨てても。もう戻れないんだぞ」
「……はい。……俺のことは『のそ』って呼んでください」
●葛西 迅助(かさい じんすけ・還暦過ぎ?)
・愛称:師匠
・特徴:少年のような印象。
・服装:キセル、甚平、草履の和装。
・趣味:酒と競馬が好き。
※マネーロンダリングなども請け負ってくれる情報屋である。頭が良く、楼雀組に繋がっている。
◎外伝部・外伝章:「あにまる・はぁと」
青年になった犬司は美咲と共に竜之介の実家に訪問し、老犬になったリクの姿を見る。たまたま実家に帰っていた竜之介と話し合い、夢を語り合う。
●鷹山 犬司(たかやま けんじ・30歳)
高校時代、美咲と夢を誓ってから三年後に結婚。今はNPO法人「福音の家」で働く男性。(株)クロイシペットビジネスの粗暴な影を高校時代に知り核心を暴こうと試みる。
・性格:温厚且つ冷静明晰。
・髪型・容姿:ダークブラウン(黒)のベリーショート。土汚れや動物の毛が付いている作業着(ツナギ)を着用している。
※別作品:「Animal heat of heart!!」の主人公。
●鷹山 美咲(たかやま みさき・30歳)
「慈愛の母」と呼ばれる優しい女性。幼少期、病院で読んだ「獣医ドリトル」が原因で動物に対する愛を持つようになった。犬司とは幼少期に田舎で一緒に過ごし、同じ高校に行って再会した。三年間先進国で勉強し、再会後に犬司と結婚した。現在、動物看護士の勉強中。
・性格:涙もろい純情家。高校時代とは違い、落ち着いている。
・容姿:栗毛(こげ茶)、ショートカット。またはポニーテールのアップ。作業に差し支えないカジュアル系ファッション。
・ポイント:幼少期、呼吸器系の病があり、やや身体が弱い。海外に行ったお蔭で持病も落ち着いている。
※別作品:「Animal heat of heart!!」のヒロイン。
◎第二部「BLACK Side‐A-」
秋月家の詐欺事件の犯行の様子を黒石目線で解き明かす。彼は、この頃から、錯乱と精神不安に陥って薬を服用しているようだ。
●黒石 彰(くろいし あきら)
「(株)クロイシペットビジネス」代表取締役。
年齢30代(「蒼白の月夜Side-A-」の主人公「トーさん」と同じくらいの年齢)。お金に目が無く、生産性を重視して、会社員を過重労働させ、辞職に追い込んだりしている。最近のペットブームに乗っ取って、動物の「ゆりかごから墓場」まで「飲食からトイレ」まで幅広く網羅している。しかし、笑顔の裏は冷酷さが隠れ、優しい企業に見えつつ、内容は腹黒い。
・モデル:「悪の教典」(貴志勇介著)、蓮実 聖司(はすみ せいじ)
・性格:笑顔腹黒系。サイコパス。金もうけが好きで、大学卒業後に詐欺をしている(「蒼白の月夜Side-A-」より)。
・口調:「あはは、おかしいね」と言った嘲笑するような笑い。
・体格:やせ形、長身。
・髪型・容姿:仮面を被ったような顔をしている。髪色はグレーの七三分け。
・好きなもの:金、人を騙す事。
・嫌いなもの:動物、愛されること。
・特徴:精神安定剤を服用している。夜の眠りが浅い(罪悪感にうなされているようだ)。
●黒石 彰の粗暴:「住宅ローン詐欺の首謀者と共犯者」
〈××××(トーさん)の手紙より。:「蒼白の月夜Side-A-:第五部」より〉
同居人のお前へ。
妹さんに俺の素性がばれ、生きていく気力もなくなったので、鏑木市の出会った港で死ぬことにしました。
今まで怖くて離せなかった、俺の過去をここに記しておきます。
俺は小さい頃、兄弟の多い貧しい家庭の子どもでした。そんな兄弟の長男だったからこそ、両親や兄弟への愛情は妬ましく、大人になってもそれは変わりませんでした。俺がお前さんのお父さんを騙してしまったのは、今から八年前のことでした。
俺には「黒石 彰」と言う頭のいい友人がいました。黒石は、人一倍頭の回転も速く、世論に対して不満を抱いているような難しい男でした。悪だくみもし、その気になれば、世界征服をしてしまえるようなそんな男でした。
なにを考えているか分からない男でした。黒石は大学時代に知り合った「唯我 忠護」と言う男を連れてきて、会社を立ち上げたいと言いました。
俺はそのとき無職でした。正直、金が欲しかったので、必死に立ち上げた会社で、唯我と働いていました。その会社は、老人から土地を買い、その後若い人に売るというビジネスでした。
ある日、秋月 常盤さん、つまりお前のお父さんに当たる人が家を建てたいと言って会社に来ました。俺は笑顔で応対し、たくさん常盤さんと話していました。そして、黒石はうまく常盤さんを丸め込むと、ローンを組ませて二千万円近くの大金を常盤さんから騙し取ってしまったのです。
詐欺の計略は割愛しますが、俺のこともすっかり信頼してくれていた常盤さんが騙されて、契約書にサインするとまで思っていませんでした。黒石は俺と唯我の前に分け前としての金を置いて、そのまま、姿をくらましてしまいました。
〈失踪後、明らかになっていく黒幕。〉
「(株)クロイシ・ペットビジネスの粗暴」
・犬司&美咲高校時代。不衛生な環境での多頭飼育、異常交配によるペットの流通・販売。
・10年前「プレイリードック」大量密輸事件。貿易責任者は益田と言う名前らしく、社会的に抹消されている。
・従業員の過労死。
・象牙や毛皮の違法密輸・流通等。
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