Bonus trackⅠ【設定資料 ※ネタバレ注意】

「蒼白の月夜 Side-A-」(登場人物・設定)


※2009年に執筆した「蒼白の月夜」のリメイク作品。


この話は「BLACK ―Did true love die?(真実の愛は死んだのか)―」のサイドストーリー。


(「BLACK -SideB-」にて、四年前に黒石 彰が秋月家に住宅ローン詐欺を仕掛ける様子が明らかになる。)




今回の舞台:鏑木市(かぶらぎし)。都心に近い近未来都市。「霧前市」や「森城町」と比べ、技術が発達しており、貿易港も備えている。学園都市であり、霧前市から高速で二時間走ったところにある。


※この話は一人称視点で進んでいきます。


※丁寧な文体を心掛けています。「事→こと」、「時→とき」、「居る→いる」、「出来る→できる」という文体体系。




第一部「瑠璃」編 ―(四年前)→ 第二部「私」編 ―(四年後)→第三部「犯行編」→第四部「再会のサスペンス」→第五部「贖罪のストーリー」




□第一部「瑠璃」編


※視点は「瑠璃」目線。


●秋月 瑠璃(あきつき るり 12歳→16歳):第一部の主人公。


 ※実は鷹山 犬司(別作品の主人公)が6歳の時、秋月 瑠璃が12歳と言う、裏設定が分かる。「獣王レンジャー」「ライオニック・ビースト」より。


「私」の妹に当たり、居なくなってしまった姉の影を追い続けている。情緒不安定であり、自制心が利かない。最終的に半狂乱に陥り、一家を崩壊させた原因の一人である「トーさん」を刺し殺そうとしてしまう。


※アクセサリーモチーフ:木彫りのクマの皮紐首飾り。(姉妹愛、家族愛。)




・一人称「ボク」


・髪色・容姿:子供っぽい容姿。ガーリー系ファッションを好む。(ブランドで言えば「ハニーズ」。イチゴ柄のスカートやボーダーシャツなどを好んでいる。) 髪型はショートボブ。


・性格:甘えん坊。明るく元気である。しかし情緒不安定である。


・体格:小柄。


 ・好きなもの:姉。クマのぬいぐるみ(これがないと眠ることが出来ない。)。ホットミルク。


 ・嫌いなもの:玉ねぎ料理、トーさん


・口調:「おとーさん」「おかーさん」「おねーちゃん」


 ・趣味:詩を書くこと。「飛ベナイ天使」は自慢の詩である。


※「飛ベナイ天使」は一見ほのぼのとしているように見えるが、彼女の闇の部分を描き出している。(姉妹愛の表現詩。)


↓瑠璃のイメージ


https://minafashion.biz/teenage-fashion






Q. 瑠璃は「詐欺事件」をどうやって知ったの?


※事件当初は10~12歳くらい。登場するのは16歳になってからなので四年経過している。




A. 母の言い伝えと当時の写真から。


母は怒りと情けない気持ちでいっぱいになっていたようだ。共犯者としての「トーさん」の誠意に免じて赦してはいるものの、「二度と現れないで欲しい」と思っている。しかし、「トーさん」と一緒に過ごした経歴があるので、憎むに憎めない。




●秋月 常盤(あきづき ときわ 享年44歳→四年経過。)


睡眠薬を飲んで自殺してしまった秋月家の父親。




●秋月 柚葉(あきづき ゆずは 41歳→45歳)


夫「秋月 常盤(あきづき ときわ)」を四年前に亡くし、長女の帰りを待つ未亡人。


・性格:辛い境遇に耐えながら生きてきた為、強く見えるように見えて脆い。


・体格:平均体型。


・髪型・容姿:鬼のように厳しいが優しい。夜な夜な泣いているようだ。


・好きなもの:家族。洋食料理。


・嫌いなもの:詐欺師


※得意なものは洋食料理。ガーリックトーストやオニオンスープを出して、瑠璃に苦い顔をされている。




●歌舞伎ヶ丘高校


瑠璃、夏稀、すみれたちが通う高校。「私」の所属高校でもあった。




●夏稀(なつき 16歳)


瑠璃の親友(中学時代からの付き合い)。見るからにギャルであるが優しい性格の持ち主。寂しがり屋で甘えん坊な瑠璃にとってかけがえのない存在である。しかし、彼女の闇の部分を知っているので、時々心配している。


・性格:からかう性格で、瑠璃をいじっては楽しんでいる。ミーハーでイケメンに目がない。


・体格:やや長身。


・髪型・容姿: ギャル系(つけまつげに香水、そしてソックスの三点セット)。ポンパドールの金髪。


・好きなもの:瑠璃、ファンシー系の小物。


・嫌いなもの:生活指導の先生。




●すみれ(16歳)


 瑠璃と千夏の友人。二人の執拗なまでの絡みに苦笑い。大人びているので結構モテるようだ。


・性格:大人びている。一歩引いた目で友人のやり取りを見ている。


・体格:長身


・髪型・容姿:アッシュベージュカラーのゆるふわロング。長身で大人な雰囲気。


・好きなもの:瑠璃と夏稀のやり取り。


・嫌いなもの:しつこい男の人。




●瑠璃の詩「飛ベナイ天使」




―飛ベナイ天使―


ある所に飛ベナイ天使がいました。


片羽根をもがれ、天に飛び立つことが出来ない天使。




飛ベナイ天使、唄ウ。悲シミヲ、苦シミヲ。


大声デ、泣ク。泣キナガラ、唄ウ。




そして泣き疲れた、飛ベナイ天使。


片羽根は地に、灰に消えて、喉は焼けつく痛み。


泣きじゃくっても天に手が届かない。




声ハ、天二響イタ。声ハ、天ヲ鉛色二染メ、澱ンダ雲、雨ヲ降ラス。




ある日、その天使の悲しみを分かってあげたいもう一人の天使がいました。


いつも天界の窓から見つめるその悲しげな姿、唄声は綺麗なのに、決して救わぬ、明るく晴れないその唄。




窓カラ天使、飛ビ出シタ。ズブ濡レナソノ天使ヲ、傘ニ入レル。


シカシ、飛ベナイ天使、ソノ天使、分カルマイソノ気持チ、ソッポヲ向イテ訴エル。




「じゃあ、私が片羽根になろう。」


天使は片羽根をもぎました。痛みを堪えて。飛ベナイ天使はその姿を見て、伝わってくる痛みと驚きに心臓が止まりそうになりました。




「やめてよ、あなたも飛べなくなるでしょう。」


天使、苦ク笑イナガラ、飛ベナイ天使ニ手ヲ差シ出ス。


「片羽根が無いのなら、肩を貸せばいい。」




失ッタ羽根、左右対称ニナリ、必死ニ天使、羽バタク。


二人ノ重ミ、決シテ飛ブコトカナワズ。




しかし、天使は諦めませんでした。痛みに耐えながら残された羽根で羽ばたきました。その姿を見て飛ベナイ天使も羽根を羽ばたかせました。




フワット一メートル。タッタソレダケ。シカシ、飛ベナイ天使、久シク地カラ足ヲ離ス。




「ほら、飛べるじゃないか。」


天使ハ笑ッタ。飛ベナイ天使、小サク、嬉シソウニ微笑ンダ。




●刑事課・赤沼さん(けいじか・あかぬまさん 40代)


秋月家の父が自殺した真相を知る人物。瑠璃が警察官の職業体験に行った時に再会した人物である。四年前から瑠璃と会っている。詐欺事件の真犯人を何人かは突き止めているものの、核心が得られない。


・愛称:「サボりのぬまさん」※時々パチンコに行っているから


・性格:ナルシストで熱血漢。


・体格:大柄


・髪型・容姿:スーツの上にトレンチコートを羽織り、ハットとサングラスを身につけた渋めのおじさん。


・好きなもの:競馬などの賭けごと。


・嫌いなもの:「弥生ちゃん」




●瑠璃が図書館で発見した「自殺当初の記事」(発見時、四年前・満月の日)


××年10月6日(木) ※新聞の記事は10日扱い。


鏑木市 歌舞伎ヶ丘町、△△マンション403号室の寝室にて、秋月 常盤(あきづき ときわ)さん(当時44歳)が睡眠薬を使用して自殺を図っていた。警察の調べによると、彼は、ここ一週間全く家に帰る事が無く、毎日残業をしていたらしい。更に、朝方にかけての睡眠時間を削ってコンビニエンスストアなどのアルバイトを掛け持ちして必死に働いていたようだ。


その過労が鬱(うつ)病になったと思われる。高校時代の友人は、彼のような真面目で気さくな仲間を失ってしまった事が悲しい。と遺憾(いかん)を示していた。××県鏑木市警察は、今後彼がどのようにしてこのような状況に至ってしまったのか、調査を続けると話していた。

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