【第五部】第三章「愛と憎悪」
「ただいまー。ヤバい、鍵開いてたんだ」
俺は家に帰った。そして、鍵を閉め忘れていたことに気が付いた。そして「泥棒はいないか、なにかを盗まれていないか」と焦りながら、リビングや居間を見渡し、盗まれているものはないかを確認していた。
「ここら辺は異常ないな。……あ、俺の部屋探してないじゃん」
そして、俺は部屋のドアを開け、「瑠璃と名乗る少女」と目を合わせた。日記帳を持っている少女と。
「…………」
「…………」
お互い無言だった。そして、ちょっと状況が分からなかったので、怒る前にゆっくりと聞いてみることにした。
「帰ったんじゃなかったのかい。で……忘れ物かい?あのさぁ、断りもなく家に入っているのはなぜなんだい?そして、どうして『俺の日記帳』をどうしてきみが持っているのかなぁ、ちょっと、理解できるように教えてくれないかな?」
「瑠璃と名乗る少女」は必死に言いわけをしようとした。「ちょっと言い過ぎてしまっただろうか」と俺は思った。「無断で俺の家に入り、無断で俺の書斎に入り、無断で日記を読み」やっていることはよくないけれど、未成年だ。このまま帰すこともできる。咎めずにそのまま帰してやろうか。そう思っていた時だった。少女の口から聞き捨てならない言葉が出てきた。
「……ごろし」
「え?」
「人殺し!!おねーちゃんを、おねーちゃんになにしやがったんだよ!!お父さんを返せ!!」
少女は、俺に持っていた日記帳を乱暴に投げつけ、そのまま部屋を飛び出し、靴も履かずに家を飛び出して行ってしまった。まさか知られたんじゃないか……?俺は、嫌な気持ちがしていた。
その後、「瑠璃の姉貴」が買い物袋をもって入ってきたのだった。
「え?瑠璃?」
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