【Bonus drop】~設定資料集~
「エルダーニュの薫る丘 -in the After story for Chocolatier-」(設定・登場人物)
※「ショコラトル戦記 -Black&Bitter-」の外伝章に当たる話である。因みに三十年経過している。
表現上のポイント→比喩表現的な文章では「薫り」を使い、直接的に匂いがするものは「香り」と使っています。
:http://imijiten.com/kanjiimi/744/
『港町エルダーニュ』
Ⅶ(セファ)の国にあり、魔力船の停船する港町である。Ⅷ(セイシャ)の国で生産した医薬品や魚介類を貿易港から輸出している。また、古文書も多く流れ込む為に、潤沢な知的財産がある。
「エルダーニュの丘」は「ショコラトル騎士団」が軍事演習で使った場所でもあり、風薫る美しい丘で、街並みが一望できる。しかし、物好きな者しか住めない土地だ。
~~
エルフとノームの手を取り合って暮らす街、港町エルダーニュ。Ⅶ(セファ)の国の中にある、大きな港町である。人と物の行き来が激しいこの街に「メタヘル」と言う、心に住み着く魔物が鳴りを潜めていた。
人々の心は、不眠や精神的な憂鬱などの病に疲れ、自殺する者も多く、平和を取り戻した街は少しずつ疲弊していた。
そんな中、「エルノ」と名乗るひとりの少年と、一匹の黒く毛づやの良いケットシーは幻獣の住まう「Ⅻ(ザイシェ)の国」から、魔術種族(エルフ&ノーム)の生息域である、Ⅶ(セファ)の国に来訪し、小高い丘の上に住む心理学者「ベレンセ」の家に仮住まいした。
そして、彼が作った魔法の精油「エルダーニュ・オイル」を販売しながら、細々と生計を立てていた。
香草や魔物の分泌液で作った魔法の精油は稀少ながら、効果はてきめんで、人々の心をみるみる癒していった。しかし、破格な値段と作るための限定条件があるせいで、少年は厄介者扱いを受けていた。
しかし「かつての冒険」で、戦乙女カジワラ(梶原 愛)の仲間だった、混血の美少女「セシリア」も交え、楽しい日々を過ごしていた。そんな彼らだったが、メタヘル(病魔)の来訪と共に、本格的に少年達は追い出されそうになってしまったのだ。
それでも、クライアント(患者)の病を癒し、少年らは的確なカウンセリングを続けていくのだが、街に悪魔のような顔をした「もう一人の行商人」が現れた。
悪い噂によってエルノは愚か、心理学者ベレンセとその仲間達は住処を失い、故郷から追われる身となっていく――。
※メタヘルとは「悪魔憑きの悪魔」→「ショコラトル戦記 -Black&Bitter-」【Ⅵ】:PeaceⅩⅩⅩⅦ 参照。
口伝いに伝わる伝染病とも呼ばれ、精神的に弱った者の免疫を奪い、合併症をもたらす。竜の秘薬(ファグマ)では治療することが出来ず、持ち前の強い精神力で回復するしかない。戦乙女カジワラも、メタヘルの誘惑で自殺しかけた。アウフスタ女王の実母が召された大きな原因もこれである。
尚、精神的病魔の総称でもある。
【登場人物】
◆エルノ(12歳くらい ※少年から歳を取らない? ※アイルランド語 男性名)※主人公
「俺は何の為に生まれて、誰の為に死んでいくのだろうか……」
ベレンセの研究所に居候をしている少年。大きな革製のリュックを背負い、青い生地の布に広げたベレンセお手製の「魔法の精油(エルダーニュ・オイル)」を売って生活している。創造主が作り出した「愛する我が子」であり「泥人形(クレイマン)」と言う種族。「創造主の息」によって生きている。
純粋無垢な性格はすっかり汚れ切ってしまった模様?
探求心が旺盛で、ニナと共に「エルダーニュの丘」にある「ベレンセの研究所(吹き溜まり)」に住んでいる。他者の感情に強い共感性を持ち、物に対する執着も強い。
「共感性」と言う諸刃の剣を武器に、他者の痛みに介助するようになる。「Ⅻ(ザイシェ)の国の子ども」ならではの影響されやすい純粋な心を持っている。臨床心理学の逆転移を使って、メタヘルを駆逐していく。
身体に摂取したエルダーニュ・オイルが「テラピノツルギ」に共鳴する。共感性を持ちながらメタヘルを駆逐していく。
彼は創造主の作り出した「最初で最後の子ども」であり、Ⅻ(ダース)の世界の生物は、地の泥を練って息を吹き込まれている。特別な存在で、ニナから「自分の出生を知る為」と称しつつ、旅に出たのだ。しかし、物語の終盤に至り、自分の役目を知ることになる。
「共感性を持つ人の特徴」https://xn--bckg8a9ab8bxc5fpjscf3i.com/category2/entry5.html
・一人称「俺」
・性格:物怖じするところがある。お金が大好き。慈愛に富み、傷つきやすい性格でもある。
・体格:小柄。
・容姿:口元を覆うように竜の柄のバンダナを巻いている。
・髪型:青髪。
・口調:「おかね、おかね」
・好きな食べ物:柑橘類
・種族:クレイマン(泥人形)
・出身国:Ⅻ(ザイシェ)の国
※エルノの秘密
物語で成長する主人公。冒頭登場時は12歳。リビドーと共に幻獣化し、見た目が二歳ずつ成長する。
【First drop】12歳
→【Second drop】14歳(上半身と歯の一部が龍化)
→【Third drop】16歳(足腰が山羊のように太くなり、堅牢になる)
→【fourth drop】18歳(背からごつごつとしたロック鳥の翼が生える)
→【The last one drop】20歳(額からユニコーンの角が生え、全身が青白く輝く。瞳は蒼く燃える)
※完全体エルノ:青龍の鱗が腕に纏われ、爪先まで竜の爪を生やした半獣。テラピノツルギは赤く燃え上がり、悪魔を焼き討つ両刃の剣となる。(成人男性)
【エルノの能力】
●「悪夢(ナイトメア)」
幼少期のトラウマや、思春期の葛藤が具現化した物で、クライアントを苦しめている原因の一つ。共感性の強いエルノはクライアント(患者)の夢に入り込むことが出来る。入眠効果の高いエルダーニュ・オイルをクライアントに嗅いで貰い、沸き上がったモヤの中に入り込むことで「深い深層心理のダンジョン」に潜り込む。
●「テラピノツルギ」
天空に突き抜けて空に散った「青龍刀」が、エルノの心の中で青い炎になり、剣として具現化したもの。
「エルダーニュ・オイル」と「共感性」に強く共鳴し、心に巣食う、闇を切り開く「光の剣」となる。剣の形状を維持するには、クライアント(患者)と共倒れしない強靭な意志が必要である。焚き上げられた「エルダーニュ・オイル」の種類によって、攻撃に属性が付加される。
※逆転移:クライアントに治療者が特別な感情を抱くこと。
●精神エネルギー「リビドー」
エルノの第二覚醒。「鍛冶師(テオフィル)が心を込めて造った剣」を見て完全覚醒する。
覚醒の発端はREM(レム)に水(嗜癖)を飲まされて、ベレンセやセシリアに会いたいと言う強い衝動からだった。
思春期の男の子特有の恋心に対する強いエネルギーや性衝動、『誰かを守りたい気持ち』として強く働く。テラピノツルギが具現化し、クライアントからメタヘルを弾き出すことが出来る。物語上では「創造された生き物に対する恋焦がれ」と言う形で現れる。エルノのあばら骨を抜き出して作られた存在がいるようだが……?
●恋のリビドー
フィオナ(エルノの恋人)との出会いで覚醒する。出会いは【Forth drop】だが、自分と同じ雰囲気をを感じる。実はエルノの身体の一部から作られた存在で、エルノの力を完全に引き出すキーパーソンでもある。
◆ニナ(♀・猫の妖精【ケットシー】※アイルランド語 女性名)
「……エルノを見捨てて逃げる?おバカなことを言わないで!!あの子は私にとって可愛い弟なの!種族や通う血が違っていたとしても、私はあの子のお姉ちゃんなの!!絶対に、あの子を見捨てて逃げたりしないんだから!!」
饒舌な言葉を喋り、二本足で歩く不思議な雌猫。彼女は「ケットシー」と言う猫の妖精で、創造主の使い魔である。黒く美しい毛を持っている。一般的な白いケットシーとは違い、変わった容姿を持っているので、変わり者同士、エルノとは仲がいい。「創造主の召命で、エルノを旅に連れ出した」。人目を憚らずにエルノを厳しく叱ることもある。嗅覚が鋭いので、エルダーニュ・オイルは嗅ぎたくない様子。
ユアン⇒白いケットシー(「ショコラトル戦記 -Black&Bitter-」登場)は、遠い親戚らしい。
・一人称:「私」
・性格:綺麗好き、饒舌多弁。
・体格:すらっとしている
・容姿:黒いつやつやの毛並み
・口調:「おバカさんね」
・好きな食べ物:タルトタタン(アイルランド風ケーキ)、紅茶(キャンベルス・パーフェクト・ティー)、恋なすび(マンドレイク)
※参照
「クックパッド・アイルランド風ケーキ タルトタタン」:https://cookpad.com/recipe/491526
「紅茶(キャンベルス・パーフェクト・ティー)」:https://www.tea-treats.com/store/?pid=53871574
・種族:猫の妖精(ケットシー)
・出身国:Ⅻ(ザイシェ)の国
◆セシリア=ケーテル(※Cecilia=Keuter オランダ語・女性名 27歳くらい)
※「ショコラトル戦記 -Black&Bitter-」の登場人物。
「カジメグお姉ちゃん、会いたいよ。……泣き虫な私がこんなに成長したんだよ?たくさん勉強して、たくさんの人を助けたんだよ?お願い……もう一度会いに来てよ。お願いだから」
錬金術の使えるエルフとノームの混血の女性。博識であり、好奇心が旺盛。活発。異国人カジワラと出会ったと言っているが、噂ではないだろうか?大人としての魅力とあどけなさを持ち合わせており、たびたびエルノ達の元に訪れる。「マドレーヌ」と名付けられたユニコーンを引き連れている。
薬学の知識に富み、「竜の秘薬(ファグマ)」の生成に、度々力を貸してくれる。献身的で女性患者にオイルトリートメントを施すようになる。
「心情心理・研究新書」を作成するのが、この物語の「もうひとつの」目的である。それと同時に、彼女がキーパーソンとなっている。また、ベレンセの助手として旅路を手助けしている。
・一人称:「私」
・性格:好奇心旺盛であどけない一面と、大人びた一面を持っている。
・服装:襟付きのえんじ色の外套。中に黒いレザーの服を着ている。革のブーツを履いている。
・容姿:横顔が美しい銀髪の美女。尖った耳と、羊のような黒く丸い角を持っており、瞳は赤い。
・髪型:三つ編みに束ね、うなじに流している。先端は赤いリボンで縛っている。
・口調:うふふ
・好きな食べ物:チーズ
・種族:エルフとノームの混血。
・出身国:Ⅸ(アイヴェ)の国
●心理学者及び研究家
◆ベレンセ=ハウジンハ(※Berendse=Huizinga オランダ語 男性名)
※「ショコラトル戦記-Black&Bitter-」のキーパーソン、「アメリア=ハウジンハ」の実兄。
「……アメリア。出来損ないの兄だけれど、少しでも君の誇りになれたかい?」
「都立・ケハー大図書館」の司書官である「アメリア=ハウジンハ」の兄。魔法の精油「エルダーニュ・オイル」の開発者であり、また臨床心理士でもある。メタヘルの症状について長年研究しているが、尻尾が掴めない。精神分析学の研究が怪しく思われているのか、周囲からは変わり者の性格からか鼻つまみ者にされ、エルダーニュの丘に隠れて住んでいた所、エルノ少年とニナがそこへ押しかけ、奇妙な同棲をすることになった。因みに部屋が片づけられない。
「心情心理・研究外典」に描かれた「フロイト心理学」「アドラー心理学」等を頼りに、独学で心理学を学び「メタヘル」を研究している。今一歩、患者の心に寄り添えず、苦しい思いをしているようだ。
・一人称:「僕」
・性格:情熱的
・服装:襟付きの深緑の色をした外套。群青色のスカーフ。中に黒いレザーの服を着ている。革のブーツを履いている。
・容姿:丸い鼻掛けの眼鏡、ブルーの切れ目をしている。
・髪型:ダーク系の銀髪
・口調:また失敗してしまったよ。
・好きな食べ物:
・種族:エルフ
・出身国:Ⅸ(アイヴェ)の国
●エルノの唯一無二の恋人。
◆フィオナ(アイルランド語・女性名)
「死ぬ時は一緒よ。……エルノ」
ユアンに連れられて、世界に派遣された花のような美少女。エルノのリビドーを完全覚醒させるキーパーソン。見た目は十六歳だが、エルノの姿に共鳴して成長していく。エルノが心に「テラピノツルギ」を持つのに対し、フィオナは「ヒールハープ」と呼ばれる癒しの竪琴を持っている。
出会い:エデル湖のほとり
・一人称:「私」
・性格:おっとり系
・服装:亜麻布の白い服、
・容姿:ハーピーのような柔らかい羽毛に包まれており、青い瞳をしている。
・髪型:後ろ手に三つ編みにしたおさげ。ユニコーンの銀髪が亜麻色の髪に混じる。
・口調:「一緒に遊ぼ」
・好きな食べ物:
・種族:クレイマン(泥人間)
・出身国:Ⅻ(ザイシェ)の国
【謎の美少女・フィオナ】
美しい後姿の美少女。力強いエルノに対し、優しく儚げな雰囲気を醸す。その姿はエルノが炎のように力強く燃え上がる存在だとすると、彼女は水のように澄み渡って人の心に染み込んでいく。白いケットシーのユアンに連れられ、愛するエルノを探して旅をしている。しかし、エルノは自分の理性とリビドーをコントロールできずに彼女を何度も突き放している。
●アロマテラピーとは
植物の香り(精油)を使って、心身の不調を癒し、健康維持に役立てる療法。「芳香療法」とも言われ、日本ならではのユズ湯やしょうぶ湯もアロマテラピーの一種である。
医療法としては高い効果を持ち、第二次世界大戦中のフランスの兵士の治療に精油が使われたこともあるそうだ。
●心理学とは
科学的に心の仕組みを解き明かす学問。この物語では「フロイト心理学」を中心に扱っている。精神分析学者「ジークムント=フロイト」が研究した精神分析学で夢診断などが有名である。
◆ユーリ = アンゾルゲ(Juri = Ansorge ※ドイツ語 男性名)
心理学の権威であり、Ⅱ(バンジ)の国の学者。周囲の人々には受け入れられなかったが、一目置かれる存在だったようだ。今回、話に出て来る「心情心理・研究外典」は、フロイト心理学や自律神経、睡眠やリラクゼーション効果などをしたためた、唯一の書物である。この書物が世界に入ってきたのは、「戦乙女カジワラが聖戦を終えた後」である。
●「エルダーニュ・オイル」
参照:「ショコラトル戦記 -Black&Bitter-」【Ⅶ】PeaceⅤ*ⅩⅢ「戦乙女、いきり立つ」に記載。
~~
「アメリアさんは、家族はいるんですか?」
「ああ、いるぞ。兄が一人な。Ⅶ(セファ)の国のエルダーニュの丘にいるぞ」
「どんな方なんですか?」
「アイツは薬学の勉強をしてるよ。エルダーニュの丘の上に建てた小屋の上でひっそり籠って植物の研究しているよ。最近は精油に手を出し始めてな、特殊な植物から抽出した物には、心を癒す効果があって『メタヘルを討ち滅ぼすのに使えるんじゃないか』とか言っていたなぁ」
「『メタヘル』って、あの心に住み着いて自殺させようとする魔物ですか?」
「そうそう。そいつだよ。この地域の産物である、『エンガルオレンジ』や『ケハーランス』。それから『リヴァモミ』とか、色んな植物から抽出した精油をロウと混ぜたり、ランタンの油に混ぜたり。後は肌に付けるものに染み込ませても効果があるらしい。嗅いだ奴は、生命が高められるらしいぞ。ただ、高いけどな。高尚な趣味だよ。あれは私には合わん」
アメリアはむすっとした顔をして言った。愛はそれに対して、何となく懐かしい気持ちになった。
「……なんだか、アロマオイルみたいですね。私、欲しいなぁ。それ」
「む?それは聞きなれない名前だな……。因みに兄は『エルダーニュ・オイル』と言う名前を付けているよ。まだまだ、精製技術が発達していないから、製品化は程遠いけどなぁ」
愛はアメリアと他にも他愛のない話をし、静かに夜は更けていった――。
~~
「ショコラトル戦記」のキーパーソン、アメリア=ハウジンハの兄が開発した魔法の精油である。メタヘル(精神病魔)に効果がある。いわゆるアロマオイルだが、メタヘルを弱体化させ、自律神経を整えて免疫力を高める効果がある。因みに、精油は様々な物から抽出され、量産化の整備が整っていない。
最初はキャンドルに灯す形で使っていたが、後に量産体制が整い、傷ついた兵士の治療などにも使われるようになる。
◆医療キャラバン:「マドレーヌ・医師団」【Second drop】~
国境なき医師団をモデルにした、医療キャラバン。、臨床心理学士「ベレンセ=ハウジンハ」(エルフ)、薬学の知識に富み、看護師と助手を務める「セシリア=ケーテル」(エルフ&ノームの混血)、「マドレーヌ」(ユニコーン)の引く馬車に乗って、国を行き巡る。機材はそれぞれの貯金をはたいて作られている。当初の目的は、エルノの捜索だった。しかし、物語の後半では、合流した「エルノ」(創造主の子)と「ニナ」(猫の妖精・ケットシー)を加え、メタヘルの駆逐とアジテーター(扇動者)の炙り出しを目的にして動いていく。
ベレンセの妹「アメリア=ハウジンハ」は、国の治安を守る為に、残された人々の治療に専念している。
※国境なき医師団「マドレーヌ・医師団」
代表:ベレンセ=ハウジンハ
会計管理・医療補佐:セシリア=ケーテル
馬術管理・警護・雑務:エルノ&ニナ
音楽係:フィオナ
:内設
◆本棚(心理学文献・医療用文献多数)
◆簡易・医療用ベッド(二台)
ベッドの下にはテオフィルの作成した医療器具が入っている。
・竜鉄鉱製・ディフューザーポット
・濃縮オイル消毒液(ロブマリー)
◆アロマ精製装置
各地の原材料を仕入れ、「水蒸気蒸留装置」に入れると精油が抽出出来る。「ベレンセのレシピ」にはそれぞれ決まった方法での抽出方法が書かれている。
◆マンドレイク栽培装置
マドレーヌの食糧、マンドレイクを栽培できるようにした装置。
◆ディフューザーポット
アロマディフューザーを患者に掛けられるアロマポット。
【クライアントの人々】
【First drop】
イシアル=サラサーテ(※Iciar=Sarasate スペイン語 女性名)
思い詰めたリザードマン女性。競争社会に挫折してしまった様子。友人のいないセシリアの親友になってくれる。
・容姿:艶のある竜鱗が美しい。全身が赤く、血統なのか、所々に緑の竜鱗が混じっている。瞳は蒼(あお)い。リザードマンの高貴な女性が身に付ける白い装束を羽織っている。
◆病状「父子依存性、人間関係嗜癖、エレクトラ・コンプレックス」
◆深層心理:「闇の回廊」
深い暗闇の回廊。窓がいくつもあり、開くと厳しい口調の両親に怯えるイシアルの幼少期の姿が見える。深い階層の奥には、鍵の掛かった部屋とドールハウスがあり、幼いイシアルが父親を探して泣いている。人形の中に「淫欲のフェロリア」が紛れ込んでおり、エルノはテラピノツルギでメタヘルと対峙する。
【Second drop】
テオフィル = ラヴォワ(※Theophile = Lavoie フランス語・男性名)
不眠症のドワーフ人。職人気質の完璧主義者で自分の納得のいく武器が造れずに悩んでいる。せめて売れる場所に行きたいそう思い、リザードマンの生息域であるⅪ(ロファ)の国へ流れ着いた。心身ともに、疲弊しきっている様子だ。治療後に彼が造った渾身の武器が「エルノのリビドー」を完全覚醒させる。
・容姿:老いた痩せ形の男性。臆病者で震えている。
◆病状「幼少期ネグレスト(育児放棄)、バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)」
◆深層心理:「紅蓮の荒野」
灼熱の照り付ける砂漠。影が自分を砂の中に取り込もうと狙っている。喉が酷く渇き、オアシスの木陰で安眠をしたい。と甘い声がする。行きついたオアシスの側に、武器職人の姿をした行商人がいて、嗜癖性のある毒水をエルノに飲ませてくる。
彼はクライアントのテオフィルで、身に付けた「鬼の仮面の正体」は「衰弱のREM(レム)」だった。
【Third drop】
ティアナ = ボプツィーン(※Tiana = Bobzien ドイツ語・女性名)
軍人上がりの人間(トールマン)。「アルバーン国王との過去」に暗い闇があるらしく、我が子を失った様子。悲しみと怒りのぶつけどころが見つからずに苦しんでいる。歴史的戦犯でもあり、戦争の影響でPTSDが治まらない。
怒りを持って「リザードマンの孤児院」を襲撃。その後、人身売買に手を染めてしまう。銃声に怯える癖があり、耳鳴り(幻聴)が酷く悩んでいる。過食症だが、全くそれを感じさせない。
子どもを失った為か、愛情を感じることに対して麻痺している。暴力的な部分が存在し、躁うつ病によって思い込みの激しい激情家になっている様子。
・容姿:黒いマスクをし、乱れた髪と落ち窪んだ瞳をしている。発狂する癖がある。片目の視力を失って眼帯をしている。
◆病状「躁うつ病(暴徒のアンガー)、書痙(しょけい)、パニック障害、戦争神経症」
◆深層心理:「暗黒の廃墟街」
喉の渇き、猛獣の鳴き声のする廃墟。抑うつ状態に至らしめる毒蛇と、真紅の大蛇が廃墟に鎮座している。エルノはボプツィーンを説得しながら蛇を討ちに行く。
左右の間隔がぼやける。倒れ伏した瞬間に喉元に戦犯にナイフが突きつけられる。息子を蛇に食べられてしまったと嘆くボプツィーン。ボプツィーンは丸呑みにされ、大蛇「暴徒のアンガー」とエルノが対峙する。
【Fifth drop】
アタリー=ラヴォー(Athalie = Raveau ※フランス語・女性名)
・容姿:ドワーフの美しい女性。
◆病名「性依存症」
「淫欲のフィロリア」の逆襲。
◆深層心理:「酒池肉林」→「常闇の空間」
むせかえるような酒気。乱れ狂う誘惑の数々。描写に絶えるほどの淫らな世界だが、フィロリアはエルノの攻撃によって「夢幻空間」を失っていた。
地平線まで広がる暗い世界は、性的嗜癖の虚しさを象徴してるよう。時間稼ぎのつもりでフィロリアはエルノを騙す。
【The last one drop】
レオ=ランチーノ(※Léo=Lancino フランス語・男性名)
※容姿他は【悪魔と使い魔】参照。
◆病状「ドラッグ中毒&統合失調症」
◆深層心理「多面鏡の立方体」
自分の存在意義が分からない!壁が鏡で出来た多面的な部屋。胸が押しつぶられるような苦しみが増していく……。
~各部舞台・背景~
【First drop】
Ⅶ(セファ)の国・エルダーニュの丘&港町
ベレンセの研究所が存在する。大きな貿易港には古書や医薬品、魚介類、柑橘類が入ってくる。人の出入りの激しいので、文化が目まぐるしく変化していく。
【Second drop】
「Ⅺ(ロファ)の国・王宮地下牢」
冷たい石畳の地下牢。厳重に監視される人物が投げ込まれる。カディナ火山の麓とは思えない涼しい部屋だが、若干湿っぽい。
「武装地帯(ディオ渓流付近、樹海)」
Ⅺ(ロファ)の国とⅤ(トリ)の国の国境(エンガル高地、カディナ火山、ディオ渓流の山間地帯)にある武装地帯では、建設されたばかりの孤児院に武装勢力が陣取っている。親を亡くしたサバイバー・チルドレン(生存者)が、戦争による恐怖に震えている。また、リザードマンは奴隷として高く売れるようで、奴隷狩りが絶えない。
【Third drop】
「ミケル孤児院&ディオ渓流付近、樹海」
故・ミケル国王が造り上げたストリートチルドレンの為の孤児院。今も絶えぬ紛争孤児の為の要所だったが、「ボプツィーン」の手によって破壊されてしまった。密林の樹海で戦いを繰り広げ、医療用テントで主犯である「ボプツィーン」を看病するセシリアとベレンセ。彼女の心の病魔は、躁うつ病と言う厄介な魔物だった。
首謀者の「ボプツィーン」は、子どもを戦争で亡くした母親であり、子どもに対する愛情感覚が麻痺してしまっている。
【Fourth drop】
「エデル湖~王都グノー」
愛らしい花のような美少女「フィオナ」が登場する部でもある。Ⅴ(トリ)の国に到着した一行は、かつての戦乙女カジワラの仲間であるシルヴィとその夫と出会う。「男性らしさ」「女性らしさ」と言う価値観に触れながら、本当の意味での性を学んでいく。
一方、巷では入り乱れる性的な問題が悩ましい状態になっていた。それは、かつてのミケル国王がアウフスタ女王の手に落ちたのと同様に、国王となったマルティが女性に誘惑され、「水浴の間」と言う淫らな施設が立っていたのだ。
反論するベレンセは投獄され、セシリアは娼婦の手に落ちてしまう。
【Fifth drop】
「シャトリ山脈~Ⅱ(バンジ)の国~王都レンダ」
ベレンセが投獄されて三日の晩が経った。ベレンセを牢に残したまま、山脈を北上するセシリア。マドレーヌに薄着で騎乗したのか、血だらけの姿で「Ⅱ(バンジ)の国に着き、ユーリ=アンゾルゲの親族の元で保護を受ける。
少し事情を話した後、「ベレンセの見せしめの処刑が二週間後に迫ったこと」が告げられた。
マルティの暴走を止めるべく、リカルドの元に会いに行くセシリア。そして、リカルドは「涙ながら」に、ある決断を下すのだった。
【The last one drop】
「エルダーニュの薫る丘~王都ケハー」
故郷に戻ったベレンセ達。アメリアから話を聞くことになる。ドラッグ中毒に陥る魔術種族を癒やし、アスモデウスを滅ぼすのだ。紫色の繭に包まれた住民達の目を覚ますには、やはり、アスモデウスを倒すしかなかった。しかし、思った以上に「第二の悪魔」は手強かった。
【エルダーニュオイルの原料とその効果】
※各精油には【】付けで、元々の名称が書かれています。
エルノの手に渡される『テラピノツルギ』。それに属性付加される効果的なアロマ達。エルノは少年なので、アロマオイルの過剰摂取が、かえって毒になってしまう。
◆主な効能:スパイシーな刺激で、生命力を強め、食欲を増進する。行動力や血流が促進される。
属性付加:血流を上げ、眠気や誘惑、疲れを吹き飛ばす。
・カディナジンジャー【生姜・ジンジャー】
カディナ火山の麓で採れる。暑い火山地帯の特質を物ともしない。精油を絞ることが出来る。空気中の水分を地下茎に蓄え、ゆっくりと育つ。野生種の方が、価値が高い。
・メノー・ペッパー【ブラックペッパー】
メノーの森で採ることの出来る黒胡椒。
◆主な効能:頭をスッキリさせ、集中力を高める。
属性付加:超集中(五感を鋭く研ぎ済ませられる)
・ディオ・ユーカリ【ユーカリ・グロブルス】
ディオ渓流に生える特殊なユーカリ。葉はディオ渓流の動物の食糧となっている。木々に混じって生えているが、見分けるのが困難。
・ロブマリー【ローズマリー】
消毒薬に使われる薬効性の高い香草。ツンとしたシャープな(小脳)薫りを持つ。すり潰して患部に塗ると治癒効果を高められる。
◆主な効能:一人になりたい時のとげとげしい気分を沈めてくれる。
属性付加:鍵の掛かった部屋を抜けられる。
・ジルゾイン【ベンゾイン・安息香】
Ⅱ(バンジ)の国の魔力タンクの近くで採れる力強い樹木。エゴノキ科で、樹液が精油の材料になる。
◆主な効能:気づきを多くし、自分を静かに見つめることが出来る。
属性付加:反射能力が上がる。
・センダン【サンダルウッド・ビャクダン】
爽やかな甘い香りを持つ、熱帯性常緑樹。メシェバ原野で採取が可能。
◆主な効能:頭痛をやわらげ、抑うつ感情を抑え込む効果がある。イライラを鎮静化させる。
属性付加:不安な気持ちを落ち着け、自信を付けることが出来る。当たり負けしない。
・メシェバ・カモミール【ローマン・カモミール】
メシェバ原野でひっそりと咲く白いカモミール。冬が明け春先の短い時期に花を咲かせる。
・スイート・ナベンダー【ラベンダー】
甘い香りのする美しいピンクのラベンダー。
・クラリン【クラリセージ】
I(シャオ)の国で麦と一緒に栽培されるハーブ。希少だが、価値が高い。防虫剤にも使われている。
◆主な効能:肉体疲労の疲労回復、リラックス効果等。
属性付加:回復魔法(剣を持っている間は、再生力が増強される)
・シャオグラス【レモングラス】
Ⅰ(シャオ)の国で育てられているハーブの一種。レモングラスに似ており、乾燥にとても強い。高価で、品種改良に向かない。
・エンガルオレンジ【スイートオレンジ】
エンガル高地で採れるみずみずしい果肉のオレンジ。生育が難しい。梶原 愛の大好物。
◆主な効能:自律神経を整え、リラックスさせる。
:属性付加
・エンガルGF【グレープフルーツ】
エンガル高地で採れるみずみずしい果肉のグレープフルーツ。生育が難しい。
◆主な効能:森林浴のような爽やかさが、リラックス効果を与えてくれる。
・リヴァモミ【モミノキ】
リヴァ運河に自生するモミの木。激しいリヴァ運河に入るのが困難で、なかなか精油が取れない。
◆主な効能:トラウマの解消、明るい気持ちにさせ、細かいことを気にしなくなる。
・マイマイローズ【ローズウッド・紫檀】
ディオ渓流の林で採ることの出来る樹木。バラのような香りが特徴である。
◆愛欲が強く作用するが、強すぎると嗅覚を狂わせる。
・ジャッコウ【ムスク・ジャコウ】
ジャッコウの獣の分泌液を濃縮した香水のようなもので、フェロモン臭が強く、嗅覚を狂わせる。
匂いが強く、二、三日皮膚に匂いが付くと取ることが出来ない。
【悪魔と使い魔】
◆悪魔商人「Desire(ディサイア)」 本名:「アスモデウス」
アスモデウスは淫欲の悪魔であり、エデンの園でエバを誘惑した蛇もこれである。
漁師の身体を依り代として入り込み、人々と何も変わらない生活をしていたが、時を経て頭角を現し始める。
悪魔のお香を売る為に、その名が付けられた。悪魔種族では無いだろうか?黒いオーラを纏い、手から発せられる呪いで、人々に精神的な病魔を与えている。厄介な者の記憶は消しているようだが――?
ドラッグ「虚構の無欲(ディスト・ピア)」を使って「世界の掌握と破壊」を試みる。
※かつて滅びし悪魔「メフィストフェレス」と同じ種族。
宿主: レオ=ランチーノ(※Léo=Lancino フランス語・男性名)
二十代のドワーフ人の青年。友人と夜間に漁をして、疲れていた時に、海面に潜んでいたアスモデウスが入り込んでしまう。もともとの性格は酒好きの荒くれ者だったが、人格が変わったように、独特の雰囲気に変わり、人を魅了するようになる。心の中のアスモデウスと葛藤する場面が幾度も見られる。
・性格:
・服装:黒いフードを被っている。
・容姿:筋肉質なドワーフ人(船乗りを依り代に、人格を支配している)。赤い瞳。
・髪型:逆立った赤髪。
・口調:不気味な笑い声。「野太い男の声」と「人を惑わすような甘い声」が重なって二重に響く。
「くくっ、好きにするがいいさ」
・好きな食べ物:
・種族:霊体(悪魔)
・出身国:Ⅵ(ガウス)の大穴??
「悪魔商人・ディサイア」の使い魔
◆淫欲のフィロリア(≒フェロモン)
情欲を刺激し、誘惑に落とし込む病魔。夫婦関係を壊し、恐ろしい結果を招いているようだ。
◆衰弱のREM(レム)(≒レム睡眠)
うつなどの精神障害を引き起こす病魔。燃え尽き症候群もその一つ。疲れが取れず、夢遊病者のようになってしまう。
◆暴徒のアンガー(≒アングリー)
心を本能で支配し、コントロール出来ないようにしてしまう。暴食症状が出てしまう。また、度が過ぎると殺人衝動を起こしたくなる危険性が孕む。
◆陰鬱のヘタヘル(≒メンタルヘルス)
鬱を引き起こし、人々を自殺に追いやる恐ろしい病魔。使い魔のボス的存在であり、通称「悪魔憑きの悪魔」
※アスモデウスが噛み砕いた為、今作では出てこない。
【呪いのアイテム】
◆「虚構の無欲(ディサイア)」
悪魔アスモデウスが持ち込んだ悪魔のお香。快感を高める作用があるが、その代償は計り知れない。一瞬の快楽の為に全財産を注ぎ込んで破綻したり、廃人になってしまう者が多い。手に入りやすく、取り締まりが難しい為、なかなか規制出来ていない。
「心のコア」を奪い、人心掌握をして「自分の存在」を親同様に刷り込むと言う凶悪なもの。今までの一連のメタヘルの動きは囮で、エルダーニュの丘を温床にし、「Ⅻ(ダース)の世界」の生き物の心を内側から破壊し、洗脳する。
・内容物は以下の通り。
コカニス【コカイン】、ティマツの実【大麻】、ブラックマッシュルーム【マジックマッシュルーム】、夢幻蚕(むげんかいこ)の糸、スパイス系植物の精油、その他雑多な繋ぎの混ぜ物等
「夢幻蚕の糸」が生物と生物の体内分泌液と融合し、繭(まゆ)となって羽化した時、宿主の刷り込みが完了する。厄介なのは、風に乗って粉末が飛び、吸い込んだ者が繭になってしまう点である。
●主要人物
◆アルバーン = アイマール(人間年齢で60歳くらい・男性)
(※Albane = Aimar スペイン語・男性名)
リザードマンの生息域、そしてドワーフの生息域を統べ治める熱血漢の国王。昔の無茶が祟ったのか、体力に衰えを感じ始めている模様。息子(リカルドとマルティ)に世襲させようと思っているが、リザードマンの生息域をリカルドに統べてもらおうと思っているようだ。
・性格:信心深い。老いを感じている様子。
・身長・容姿: かつての美しく艶のある竜鱗は風化したように皺が寄ってひび割れている。二メートルはあろう長身も背筋が丸くなっている。表情は柔和である。
・特徴:幻獣の言葉が分かる。
・家族:妻、子ども二人。※Ⅹ(ムーズ)の国で、牧羊を営んでいる。
・使用武器:ハルベルト、十字槍、火など ※武器全般は使える。
・好きな食べ物:お酒、チーズなど。
・種族:リザードマン
・出身国:Ⅺ(ロファ)の国
◆リカルド=アイマール(30代くらい・男性)
(※Ricardo=Aimar スペイン語・男性名)
アルバーン国王の長男で、激情家である。愛情の裏返しに、語気の荒い言葉をよく使う。「戦乙女カジワラ」の一番の理解者であり、旅仲間だが、どうやら彼女は初恋の女性だった様子。現在は妻子がおり、Ⅲ(ギーシャ)の国で執筆活動に励んでいる。
・性格:芯が強く、しっかりしている。しかし、脆い所がある。
・容姿:細身で、すらっとした体形。外套を羽織っている。全身が赤い鱗、両手両足が青い鱗。
◆シルヴィ = リシェ(人間年齢で40歳くらい・女性)
(※Sylvie = Riche フランス語・女性名)
「戦乙女カジワラ」の仲間のひとり。三十年の時代経過のうちに、結婚して、旦那と共に鍛冶屋を経営してる。旦那はエルフに対する種族嫌悪が強く、開口一番にベレンセと火花を散らす。恰幅の良い格好をしてい
が、不器用な性格は相変わらずのようだ。
愛称:シルヴィ
・出身国:Ⅳ(ニーファ)の国
・種族:ドワーフ(金属職人)
・職業:鍛冶屋
・身長・容姿:浅黒い肌に、赤い瞳、銀色の髪、小さめの尖った耳。
・性格:優しいが、やや抜けているようだ。熱中すると周りが見えない。
・好きな食べ物:川魚(サーモン)料理、キャベツなどのスープ(ポトフ)、チーズなど。
◆フェオドール=リシェ
セレスタンの跡継ぎであり、鍛冶職人としても腕の立つ男性。シルヴィの旦那。結婚後に子宝に恵まれないが、子どもが好きで懐かれている。筋肉質な中年男性という印象で、毛嫌いしている訳ではないが、「女性は家に入るべきだ」と言う古い考えに捕らわれている。
エルフは好きではないが、ベレンセに対しては一目置いている。
◆アルネ=アンゾルゲ(二十五歳位の男性)
心理学者の権威「ユーリ=アンゾルゲ」の子孫。伝承は消失してしまったが、彼らの家族で心理学の学問を語り継いでいる。
・種族:トールマン(人間)
・家族:ヨゼフィーネ(妻・二十八歳)、リーザ(娘・三歳)、ロイ(息子・一歳)
◆アメリア=ハウジンハ
(※Amelia=Huizinga オランダ語・女性名)
※愛称:アメリア司書官、アメリア女史
ハビエルを愛弟子に持つ、魔術種族の国の指揮官。ベレンセの妹である。若い者に負けたくないと、必死に前線で働いているが、歳を重ねるごとの物覚えの悪さに、嫌気が差し始めている。センスを経験量でカバーしたような所があり、「メタヘル駆逐」に心から尽力してくれる。
・種族:エルフ
・性格:クール系。やや硬い口調で話す。堅物。
・容姿:銀髪に尖った耳。後ろ髪は、真紅のリボンで縛っている。「都立ケハー・大図書館」で最高権威の金バッジ「ペルソナの仮面と氷の結晶(故・アウフスタ女王由来)」の持ち主。
・口調「つまらないな」「ふっ、愚問だな」
・特徴:氷の魔法を出すことが出来る。
◆アルベルト=ケーテル(セシリアの父)
(※Albert=Keuter オランダ語・男性名)
「都立ケハー・大図書館」の「総務課」管轄。魔術種族の長きにわたる歴史と平和の文化を知っている。セシリアにいい結婚相手がいないかが、最近の悩み。
・種族:ノーム
・性格:温和である。
・容姿:襟付きの深緑の色をした外套。群青色のスカーフ。 瞳は赤い。
・口調:「まぁまぁ、穏やかに話そうじゃないか」
・特徴:錬金術でゴーレムを生成できる。材質は地形物質に由来する。
~世界観と国土~
●三十年後のⅫ(ダース)の世界
Ⅰ:シャオの国
Ⅱ:バンジの国
Ⅲ:ギーシャの国 ※民主制
Ⅳ:ニーファの国
Ⅴ:トリの国 ★アルバーン国王
Ⅵ:ガウスの国
Ⅶ:セファの国
Ⅷ:セイシャの国 ※民主制へ
Ⅸ:アイヴェの国
Ⅹ:ムーズの国
Ⅺ:ロファの国 ★アルバーン国王
Ⅻ:ザイシェの国
ⅩⅢ:「世界の深淵(ガウスの大穴・エシュカトル神殿)」
⇒Ⅵ(ガウス)の国のコロッセオの最深部
◆各地の風土と解説。
・Ⅻ:前作の物語の終盤に行きつく場所だった。そして今作では、主人公(エルノ)の出身地として、スタートする。「賢者と幻獣の幻想郷」である。「猫の妖精(ケットシー)の導き」と「海獣リヴァイアサンの謎解き」によって入ることが出来る。物語の真相が、戦乙女カジワラに語られた場所である。
・Ⅶ~Ⅸ:ノームとエルフの生息域。海が近く、海産物が多く採れ、貿易港を利用して様々なものが入ってくる。エルフは貿易港で海外の知識を仕入れて、様々な研究をしている。そして取引国に薬を輸出している。また、リヴァ大河を遡って、山の麓(ふもと)の鉱山地帯へ上っていくと、ノームが生息している。
医学と科学に長けている国が連なる。エルフは肌が白く耳が尖っており、ノームは浅黒く羊のような丸い角を持っている。今は種族が混在して住んでいるようだ。二つの種族を「魔術種族」と表記している。また、人間(トールマン)で言う五十歳は、彼らにとっては二十歳前後である。
種族差はないが、エルフが魔法を使うことを主とし、ノームは錬金術を扱うことが出来る。
「港町エルダーニュ」はⅦ(セファ)の国にある貿易港で、田舎町である。(※モデル国:オランダ)
・Ⅹ~Ⅺ:リザードマンの生息域。溶岩地帯である。ドラゴンと人間の混血ではないかと噂が上がっている。Ⅻ(ロファ)の国が近く、竜(ドラゴン)の生息域があるからだ。戦闘種族で、ドワーフから武器を買ってる。幼少期はこの地域で育つが、傭兵などの出稼ぎのため、各地に散っている。創造主信仰を崇拝する種族でもあり、最も恩恵を受けているかもしれない。
(※モデル国:スペイン)
・Ⅰ~Ⅲ:人間(トールマン)の生息域。牧羊と農耕民族が集い、暖かく温和な気候。土壌もよく肥えている。心理学者「ユーリ = アンゾルゲ」はⅡ(バンジ)の国の出身。(※モデル国:ドイツ)
・Ⅳ~Ⅴ:ドワーフの生息域。シャトリ山脈沿いの高地で、深いうっそうとした森を超えると、高山地域が広がっている。鉱山地帯で武器や防具、金属加工品など数多くを算出している。浅黒い肌と筋肉質の毛深い身体をしている。力が強く、生命力と武器加工技術で随一である。また、シャトリ山脈から仕入れた鉱石を加工出来る、唯一の種族である。最近は文明が発達し、合金や機械工学に長けるようになった。
(※モデル国:フランス)
・Ⅵ:Ⅻ(ダース)の世界のセントラル。戦闘好きなリザードマンや、戦士や遊び人が多く訪れる。大きな円形
状の闘技場(コロッセオ)が、Ⅵ(ガウス)の国に存在する。種族が混在して住んでいるようだ。
●戦乙女カジワラによって討たれた、歴史上の四人の悪王。
カジワラが訪れた世界は、金儲けとメフィストフェレスの悪魔崇拝によって腐り切っていた。彼女は立ち上がり、悪王を殺して世界を聖絶するために、身を粉にして動くのだった。
【First drop】Ⅷ(セイシャ)の国:ノーム&エルフ
アウフスタ女王が死亡したのち、「都立ケハー・大図書館」の手によって民主制の道に歩む。
~故・悪王①~
女王:アウフスタ=デ=ライケ(Augusta=de=Rycke オランダ語・女性名)
性格:鉄面皮(てつめんぴ)・ナルシスト
容姿:目鼻の整った高潔のホワイトノーム。見たものは死ぬと言われている程、美しい女王である。
特徴:Ⅺ(ロファ)の国に、呪術を持ち込んだ人物である。政治的内部破壊を企んでいたようで、ミケル国王が狂う原因になった。しかしその真相は、謎が多く分からない。自分を一番に愛しており、王位に胡坐(あぐら)を掻いて、民からの重税をむさぼっている。また自分の配下には、女性しか置かないようだ。Ⅲ(ギーシャ)の国のヨハネス国王がカジワラを憎んでおり、彼女と協力して呪い殺そうとするが、呪いが跳ね返ってしまい、結果、自分の首を絞め、モンスターと癒着してしまった。悪魔(メフィストフェレス)に魅入られる前は、美しく無垢な女性だったが、すっかり知性と人格を失ってしまっている。死に際に、「もう一度、カジワラの顔を見たかったと言って息を引き取る」生い立ちに戦争の悲しい背景があるようだ。
※竜の秘薬(ファグマ)の開発を手掛けた人物である。
【Second drop】Ⅺ(ロファ)の国:リザードマン・王都ヴァイセ
貧困を極めるストリートチルドレンに対する政策を見直し、武力を正しい道に使うことになった。アルバーン=アイマールが国王となり、戦友のジェラルド=バルデムが大臣となった。
~故・悪王②~
国王:ミケル = ノゲロル(Mikel = Noguerol スペイン語・男性名)
性格:残忍で強欲。そして手段を問わない性格である。
容姿:禍々しい黒く光る竜鱗のリザードマン。肥え太り、鋭い蛇のような眼光
特徴:悪王。魔術兵器を開発して、軍備力を増強していた。しかしその裏には、アウフスタ女王の影があった。裏で虐殺を繰り返している。奴隷や囚人などを利用した実践的な兵器開発をし、軍備増強にも力を入れ
ているようだ。創造主を拝していた王族家系だったが、アンドニ大臣が持ち込んだ、悪魔崇拝を信じ、政治
は腐りきってしまう。国自体は聖騎士の国だった。革命軍と聖騎士の手によって王国軍は追い詰められ、リカルドの戦闘の後、カジワラが対決して右手を切り落とし、マルティが顔面を抉り取るという無惨な最期を迎えた。
手段を問わない残忍さで、奴隷や囚人を使った兵器開発を行い、アウフスタ女王から劇物を仕入れて、兵器開発を進めていた。晩年に呪術によって「ドラゴンゾンビ」を生み出してしまう。
※若い頃は、五賢人として行動したことがあったようで、ヤンネケ婆(エルフ)、セレスタン爺(ドワーフ)、マルセル爺(ノーム)、などが、彼の若い頃を知っていたようだ。ストリートチルドレンに痛みを感じ、孤児院を建設したようだ。
【Third drop】Ⅸ(アイヴェ)の国:密林地帯
ミケル孤児院の近く、魔術種族とリザードマンの混在するディオ渓流の自然区域。野生動物が棲まい、とても 穏やかだが、ディアナ=ボプツィーンが来てから物騒になっている。ボプツィーンはアルバーン国王との闇が深いようだ。
【Fourth drop】Ⅴ(トリ)の国:ドワーフ・王都グノー
山脈地帯にある鉱山地帯が特徴。武力を誇示していたが、革命後リザードマンの監視下に置かれ、植民地としてアルバーン=アイマール国王の治世下に吸収された。現在は息子(次男)のマルティに政権が下っている。
~故・悪王③~
国王:ザヴィエ = ラカゼ(Xavier = Lacaze フランス語・男性名)
性格:物好きで打算的、損切りをする。腹が全く読めないが、酷い復讐心に駆られている様子。容姿:毛深くにこやかな表情の裏は、全く素性が読めない。(タヌキ)
痩せ身の筋肉質で皮下の下に機械が埋め込まれている。腰から下と、右肩が機械である。
特徴:アウフスタ女王と平和協定を結んでいたが、彼女の死後に手のひらを返したように王都グノーから襲撃を始める。圧倒的暴力で魔術種族を支配しようとしたが、遅れてきたⅪ(ロファ)の国のリザードマンに命を助けられた。メフィストフェレスが関与しているようだが……?
古の戦争でエルフに全身火傷を負わされ、半死半生で生き延び、サイボーグ化した。戦争での活躍が認められ、出世して国王になったようだ。城の地下でカジワラと剣を打ち合った後、腹を青龍刀で貫かれ、消し炭となって死亡した。
【Fifth drop】Ⅲ(ギーシャ)の国:人間(トールマン)・王都レンダ
リカルド=アイマールが、「王都レンダ」で書記の仕事をしながら、「戦乙女カジワラの教典」を新たな政策として宣べ伝えている。マルティが悪魔に魅入られて、変貌し、独裁政治を執行している最中、それを止めに行くために、セシリアは馬を走らせる。
渦中、心理学者「ユーリ=アンゾルゲ」に会う為に、セシリア達は「Ⅲ(ギーシャ)の国」に訪問する。以前、リカルドはアルバーン国王の容態の悪化を訊くやいなや、馬を走らせて武装地帯に乗り込んでいる。涙ながらの感動の再会。一方、故郷に帰国したエルノは、自分に託された宿命を悟るのだった。
【The last one drop】Ⅶ(セイシャ)の国・エルダーニュの薫る丘
魔術種族の国域が紫色の雲に包まれた!?急いで帰国するベレンセ一行。根城としていたかつての研究所には、我が物顔で妹のアメリアが椅子に座っていた。そして、物語は佳境に進んでいく――。
~故・悪王③~
国王:ヨハネス = ヘンライン(Johannes = Henlein ドイツ語・男性名)
性格:疑い深い。
容姿:白髪交じりの豊かな髪、口髭を蓄えた初老の男性。
特徴:Ⅰ(シャオ)~Ⅲ(ギーシャ)の国を統治し、およそ三十年王政を守っている。しかし、独裁的な部分が最近見られる様子。また、疑心暗鬼が激しく、カジワラを牢に投げ込んだ人物でもある。疑い深く、悪魔崇拝を止めようとする人物をすべて容赦なく牢に放り込んでしまう。誰かに下克上を突き付けられないかとひやひやしており、脱獄したカジワラを殺そうとして、兵を何人も送り込んで、騎士団に付きまとうようになる。若き頃、女性霊媒師に出会い、口寄せを使えるようになった。しかし、「ショコラトル戦記 -Black&Bitter-」の最終章でファウスト(ラインヴァルト)の手によって、殺害されてしまう。 ※旧約聖書:サムエル記のサウル王のような人物。
~文化~
●ライフライン
魔力と水。水は井戸からくみ上げている。一昔前は地脈から「月の涙(フル・ドローシャ)」が採ることが出来た。魔力はシャトリ山脈から採掘される竜鉄鉱を熱反応で、反応させて出来るエネルギーをタンクに溜め込んだもの。因みに、「魔術種族」はそれらを必要としない。
●使用貨幣:
M(メル)→G(ギル)→T(テル)
1Mは銅貨一枚であり、百枚で1Gと交換できる。
1Gは銀貨一枚であり、百枚で1Tと交換できる。
※貨幣価値は「peace:Ⅰ」でラインヴァルトが購入したブタの丸焼き。これは10Gの価値がある。
また、庶民一般の平均月収はおよそ20Tである。
因みに月の涙(フル・ドローシャ)だと、チョコレート一枚分で、およそ3,000Tの価値がある。
※金貨が多すぎる場合は、行政が切手に交換してくれます。
●連絡手段
電話:回線が発達し、いつでも有線電話が掛けられるようになった。
電報:郵便物よりも早く情報が届く。電話の代替品。
郵便:各国決まったところに郵便局が存在し、受け取り賃を払って受け取ることが出来る。自宅までの郵便は治安の影響で受け付けておらず、極秘情報の伝達もある為、発達していないようだ。
●移動手段
馬車:ほとんどの移動が馬車であり、早足の馬でも、一国の端から端まで行くのに、一晩掛かってしまう。
しかし、ユニコーンは特殊で疲れを知らないため、騎乗してても、十時間以上走ることができる。
山脈鉄道:Ⅱ(バンジ)の国→Ⅲ(ギーシャ)の国、Ⅳ(ニーファ)の国→Ⅴ(トリ)の国の間に、シャトリ山脈が走り、山越えのためには切符が必要。200Gとやや高価だが、しっかりとした車両である。自分の力で山越えをしようとすると、山賊に襲われてしまう。
魔力船:Ⅲ(ギーシャ)の国から西回りに、Ⅺ(ロファ)の国、Ⅷ(セイシャ)の国と貿易目的で動かされている大きな船。コントラストは、黒と赤の二色。
運河の船:大陸を大きく隔てるリヴァ大河は、流れが激しく渡るのが困難。しかし、300Gで運河を渡る切符を買うことができる。
【心理学の基礎】
◆フロイト心理学の無意識より抜粋。
◆臨床心理学より抜粋。
□各話・構成
【First drop(第一部)】「Funny Days(おかしな日々):Complex(劣等感)」32,759字/1,454分
※六章構成
【Second drop(第二部)】「Corny Days(感傷的な日々):Weakness(衰弱)」31,664字/6,248分
※八章構成
【Third drop(第三部)】「Shuddery Days(ぞっとした日々):Panic(混乱)」26,717字/??
※七章構成
【Fourth drop(第四部)】「Lost Days(失った日々):Love(愛情)」28,398字/??
※七章構成
【Fifth drop(第五部)】「Sorrowful Days(憎しみの日々):brothers(兄弟)」24,647字
※八章構成
【The last one drop(最終部)】「Rousing Days(目を覚ました日々):Weakness(弱さ)」/13,087字/??
※五章構成
総字数:157,272字
□構想開始:2018年2月10日~(十年前に「虚構の無欲」冒頭のみ)
□執筆開始:2018年6月21日~2019年4月14日
◆後書き
この小説を書こうと思ったきっかけは、三年以上前に精神疾患(うつ)を患った時でした。心理学は元々好
きでしたが、それを機に「どうしたらストレスが緩和された生活」を送ることが出来るか。と言うことでし
た。ある意味、サスペンスや推理小説よりも難解且つ、世界観が複雑で書いている自分が書き切れるか。そ
んな葛藤に陥っていました。
書き始めてから「ワーカーホリック」に陥り、仕事の多忙さに押しつぶされ。そんな中で終わりの見えない
ゲームをしているかのよう。「ファンタジーなんて二度と書くか」と投げたくなったこともしばしば。
しかし、愛すべき作品「ショコラトル戦記」の続編としては、かなりの良作として書けたのではないかと思
っています。こんなお堅い小説、二度と書く気がしませんけどね。
大切なことは、病を乗り越えることではありません。病と共に生きることなのです。弱さを愛し、弱さと共
に生きる。そんなことを一ミリでも感じ取って頂けたら嬉しく思います。
参考文献:
「面白いほどよくわかる!心理学の本」渋谷 昌三著(西東社)
「面白いほどよくわかる!他人の心理学」渋谷 昌三著(西東社)
「アロマテラピーの教科書」和田 文緒著(新星出版社)
「臨床心理士 心理学試験対策テキスト07’~08’」 徳田 英次著(秀和システム)
「比べて分かる!フロイトとアドラーの心理学」和田 秀樹著(青春新書)
「フロイト精神分析入門」小此木 啓吾・馬場 謙一編(有斐閣新書)
「ソーシャルワーカーという仕事」宮本 節子著(ちくまプリマー新書)
「夢分析」新宮 一成著(岩波新書)
「天使と悪魔図鑑」(Gakken)
「エッセンシャルオイルの使い方」:https://hadalove.jp/how-to-use-essentialoils-124541
「フロイト心理学」http://www.counselor-mental.com/theory/freud.html
「フロイト心理学をわかりやすく理解できる5つのポイント」https://spirituabreath.com/furoito-sinnrigaku-5050.html
「逆転移について」http://mindfulness.jp/kunou/iryoukankei/gyakuteni.html
「行動主義心理学」https://mentalhealthjoho.com/mental-syoujyou/643.html
「犯罪心理学」http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/news2/kiso/indx.html
「薬物乱用について」http://www.kyotofuyaku.or.jp/drug/secondary/drug_abuse_avil.html
エルダーニュの薫る丘 -in the After story for Chocolatier- 雪原のキリン @saijoxx
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