~Coffee Break~ After story③
●「エルダーニュ・オイル」
参照:「ショコラトル戦記 -Black&Bitter-」【Ⅶ】PeaceⅤ*ⅩⅢ「戦乙女、いきり立つ」に記載。
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「アメリアさんは、家族はいるんですか?」
「ああ、いるぞ。兄が一人な。Ⅶ(セファ)の国のエルダーニュの丘にいるぞ」
「どんな方なんですか?」
「アイツは薬学の勉強をしてるよ。エルダーニュの丘の上に建てた小屋の上でひっそり籠って植物の研究しているよ。最近は精油に手を出し始めてな、特殊な植物から抽出した物には、心を癒す効果があって『メタヘルを討ち滅ぼすのに使えるんじゃないか』とか言っていたなぁ」
「『メタヘル』って、あの心に住み着いて自殺させようとする魔物ですか?」
「そうそう。そいつだよ。この地域の産物である、『エンガルオレンジ』や『ケハーランス』。それから『リヴァモミ』とか、色んな植物から抽出した精油をロウと混ぜたり、ランタンの油に混ぜたり。後は肌に付けるものに染み込ませても効果があるらしい。嗅いだ奴は、生命が高められるらしいぞ。ただ、高いけどな。高尚な趣味だよ。あれは私には合わん」
アメリアはむすっとした顔をして言った。愛はそれに対して、何となく懐かしい気持ちになった。
「……なんだか、アロマオイルみたいですね。私、欲しいなぁ。それ」
「む?それは聞きなれない名前だな……。因みに兄は『エルダーニュ・オイル』と言う名前を付けているよ。まだまだ、精製技術が発達していないから、製品化は程遠いけどなぁ」
愛はアメリアと他にも他愛のない話をし、静かに夜は更けていった――。
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「ショコラトル戦記」のキーパーソン、アメリア=ハウジンハの兄が開発した魔法の精油である。メタヘル(精神病魔)に効果がある。いわゆるアロマオイルだが、メタヘルを弱体化させ、自律神経を整えて免疫力を高める効果がある。因みに、精油は様々な物から抽出され、量産化の整備が整っていない。
最初はキャンドルに灯す形で使っていたが、後に量産体制が整い、傷ついた兵士の治療などにも使われるようになる。
●「悪夢(ナイトメア)」
幼少期のトラウマや、思春期の葛藤が具現化した物で、クライアントを苦しめている原因の一つ。共感性の強いエルノはクライアント(患者)の夢に入り込むことが出来る。入眠効果の高いエルダーニュ・オイルをクライアントに嗅いで貰い、沸き上がったモヤの中に入り込むことで「深い深層心理のダンジョン」に潜り込む。
●「テラピノツルギ」
天空に突き抜けて空に散った「青龍刀」が、エルノの心の中で青い炎になり、剣として具現化したもの。
「エルダーニュ・オイル」と「共感性」に強く共鳴し、心に巣食う、闇を切り開く「光の剣」となる。剣の形状を維持するには、クライアント(患者)と共倒れしない強靭な意志が必要である。焚き上げられた「エルダーニュ・オイル」の種類によって、攻撃に属性が付加される。
※逆転移:クライアントに治療者が特別な感情を抱くこと。
【クライアントの人々】
【First drop】
イシアル=サラサーテ(※Iciar=Sarasate スペイン語 女性名)
思い詰めたリザードマン女性。競争社会に挫折してしまった様子。友人のいないセシリアの親友になってくれる。
・容姿:艶のある竜鱗が美しい。全身が赤く、血統なのか、所々に緑の竜鱗が混じっている。瞳は蒼(あお)い。リザードマンの高貴な女性が身に付ける白い装束を羽織っている。
◆病状「父子依存性、人間関係嗜癖、エレクトラ・コンプレックス」
◆深層心理:「闇の回廊」
深い暗闇の回廊。窓がいくつもあり、開くと厳しい口調の両親に怯えるイシアルの幼少期の姿が見える。深い階層の奥には、鍵の掛かった部屋とドールハウスがあり、幼いイシアルが父親を探して泣いている。人形の中に「淫欲のフェロリア」が紛れ込んでおり、エルノはテラピノツルギでメタヘルと対峙する。
【Second drop】
テオフィル = ラヴォワ(※Theophile = Lavoie フランス語・男性名)
不眠症のドワーフ人。職人気質の完璧主義者で自分の納得のいく武器が造れずに悩んでいる。せめて売れる場所に行きたいそう思い、リザードマンの生息域であるⅪ(ロファ)の国へ流れ着いた。心身ともに、疲弊しきっている様子だ。治療後に彼が造った渾身の武器が「エルノのリビドー」を完全覚醒させる。
・容姿
◆病状「幼少期ネグレスト(育児放棄)、バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)」
◆深層心理:「紅蓮の荒野」
灼熱の照り付ける砂漠。影が自分を砂の中に取り込もうと狙っている。喉が酷く渇き、オアシスの木陰で安眠をしたい。と甘い声がする。行きついたオアシスの側に、武器職人の姿をした行商人がいて、嗜癖性のある毒水をエルノに飲ませてくる。
彼はクライアントのテオフィルで、身に付けた「鬼の仮面の正体」は「衰弱のREM(レム)」だった。
【エルダーニュオイルの原料とその効果】
※各精油には【】付けで、元々の名称が書かれています。
エルノの手に渡される『テラピノツルギ』。それに属性付加される効果的なアロマ達。エルノは少年なので、アロマオイルの過剰摂取が、かえって毒になってしまう。
◆主な効能:スパイシーな刺激で、生命力を強め、食欲を増進する。行動力や血流が促進される。
属性付加:血流を上げ、眠気や誘惑、疲れを吹き飛ばす。
・カディナジンジャー【生姜・ジンジャー】
カディナ火山の麓で採れる。暑い火山地帯の特質を物ともしない。精油を絞ることが出来る。空気中の水分を地下茎に蓄え、ゆっくりと育つ。野生種の方が、価値が高い。
・メノー・ペッパー【ブラックペッパー】
メノーの森で採ることの出来る黒胡椒。
◆主な効能:頭をスッキリさせ、集中力を高める。
属性付加:超集中(五感を鋭く研ぎ済ませられる)
・ディオ・ユーカリ【ユーカリ・グロブルス】
ディオ渓流に生える特殊なユーカリ。葉はディオ渓流の動物の食糧となっている。木々に混じって生えているが、見分けるのが困難。
◆主な効能:一人になりたい時のとげとげしい気分を沈めてくれる。
属性付加:鍵の掛かった部屋を抜けられる。
・ジルゾイン【ベンゾイン・安息香】
Ⅱ(バンジ)の国の魔力タンクの近くで採れる力強い樹木。エゴノキ科で、樹液が精油の材料になる。
◆主な効能:気づきを多くし、自分を静かに見つめることが出来る。
属性付加:反射能力が上がる。
・センダン【サンダルウッド・ビャクダン】
爽やかな甘い香りを持つ、熱帯性常緑樹。メシェバ原野で採取が可能。
◆主な効能:頭痛をやわらげ、抑うつ感情を抑え込む効果がある。イライラを鎮静化させる。
属性付加:不安な気持ちを落ち着け、自信を付けることが出来る。当たり負けしない。
・メシェバ・カモミール【ローマン・カモミール】
メシェバ原野でひっそりと咲く白いカモミール。冬が明け春先の短い時期に花を咲かせる。
……etc.
その他の資料は物語の進行に応じて追加します。
世界観の資料は「ショコラトル戦記 -Black&Bitter-」をご覧ください。
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