幕間 ー 朝凪下僕日記
「巨乳嫌いなんですってね? おもしろいわ。坊やに新しい世界を教えてあ・げ・るぅ」
荼枳尼様はそう言ったっす。
でも、新しい世界も何も、ずっとおっきなおっぱいだけしか見えず怖かったことしか覚えてないっす。
そして意識を取り戻した時には、指一本動かせなかったっす。精も霊気も空っぽになるとああなるんすね。
あれが新しい世界なんすかね?
それに、嬉しそうな荼枳尼様が「もう
でも女神の荼枳尼様が嘘つくわけないっすから、曇兵衛に自慢するっすよぉおおお。
だけど、具体的なことを聞かれたら困るっすねぇ……。
でもいいっす。「あ、だ、荼枳尼様、そ、そんなところを……そんなぁ……」とかあったって言っておけば大丈夫っすよ。秘蔵コレクションのうちでも秘蔵のは曇兵衛にはまだ見せてなかったはずっすから、バレないはずっす。もしバレても、まったく一緒だったと言えばいいだけっすね。
それにしても、総司さんの部屋で解放されてから、「ハッ? 荼枳尼様がお呼び?」と何度か感じたのはなんなんすかね?
無性に荼枳尼様に会いたくなってしまうんす。
そして我慢できずに戻ってみると、タイミングよく用事を頼んでくるんす。
今日だけで四度そんなことがあったす。
新しいお部屋への荷物運び。
お背中のマッサージ。
衣類のお洗濯。
夕食の準備。
荼枳尼様のご命令っすからやるのはいいんすけど、どうしてあんなにタイミングがいいんすかね?
本当に不思議っすよ。
もしかして
…………。
でも、風香さんみたいにイジられるわけじゃないからいいんす。
「来月までは十分身体を休ませておくのよ?」
優しい言葉をかけて貰ったっすから、同じ巨乳でも風香さんより全然いいっす。
今夜も荼枳尼様のお部屋へいかなきゃいけないんすけど、中野さんの護衛はどうしたらいいんすかね?
あとで総司さんに相談するしかないっすね。
・・・・・
・・・
・
「ふーん、荼枳尼様のほうがいいのね?」
「あ、風香さん、また日記を!!」
「それはいいのよ」
「良くないっすよ!」
「前よりも抵抗が弱いじゃない? どうしたのさ」
「ただの巨乳には判らないことっす」
「じゃあ、荼枳尼様には判るの?」
「荼枳尼様は風香さんみたいに日記を覗き見しないっす!」
「本当に?」
「だって、聞かれたことには何でも答えているっすから」
「日記の内容も? 全て?」
「もちろんっす!」
「……朝凪、私と会っていないたった二日で、ずいぶん遠くまで行っちゃったんだね……」
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