幕間 ー 朝凪恋愛日記
中野さんが神渡ビルで働き、住むことになって、むちゃくちゃ嬉しいっすぅうう。
好きな女性が身近に居るのは生活に張りがあるっすね。総司さんにはちっと怒られたけれど、これはこれで結果オーライ、人生万事塞翁が馬っす。
やっぱ、あれっすね。
女性は細身で胸も適度がいいっす。巨乳はダメ、論外っすよ。
中野さんはその上可愛らしいんで、もう是非、恋人になって欲しいんす。
明日からバラ色の生活が始まるんすねぇ。
どこの階で働くか判らないっすけど、休憩時間ごとにお顔を覗きにいくっす!
飯も食べずに通うっすよぉ。
現世にはストーカーという、女性を危険な目に遭わせる悪い奴がいるらしいっすけど、そんなことはしないっす。
お顔を遠くから見るだけっすよ?
ん? それもしつこけりゃストーカーだと、総司さんの声が聞こえたような気がするんすが、きっと幻聴っす。
霊力も使わないで幸せな気持ちになれるんすから、恋って素晴らしいっすねぇ。
でも、
あの巨乳妖狐はいつもイジるんすよ。
巨乳妖狐、退散っす!!
世の巨乳女性は敵っすね。
蝶子さんなんて、総司さんがそばに居ないと汚らわしいモノを見るような目で見るんすよ? ちっとだけゾクッとして怪しい気持ちになるんすけど、やっぱ嫌っす。
そこへ行くと、
さすがにあそこまでツルペッタンだとちびっと寂しいっすけど、スレンダーなお胸はいいっすね。
狐から野狐になったとき、ご自分の名前から凪の一字をとった名前をくれたんす。本当に感謝してるんすよ。
時折見せる、名前を付けて後悔してるような、あの呆れたような視線もたまらないんすけどね。
玖音様は畏れ多いっすけど、
風香さんほど胸は大きくないし、優しくて、落ち着いていて、和服を着たときの後れ毛なんか、チョー色っぽいっす。でも、総司さんにぞっこんに惚れてるから諦めるっす。
やっぱ中野さん、中野友里乃さんしか居ないっす!
そうだ! こんなことしていられないっす。
十三階の廊下で、他のあやかしが中野さんを驚かすようなことのないように見張っていなきゃいけないんす。
河童や人魚、夜叉や天狗と暗闇で出会ったら中野さん怖がってしまうかもしれないんす。そんな可哀想な目に遭わないよう頑張るんすよ。
・・・・・
・・・
・
「おい、巨乳妖狐で悪かったな……。おーい中野さぁーん、朝凪がこんなことを……」
「げぇ! どこからそれを!! 日記を中野さんに見せるのはやめて欲しいっすぅぅううううう!」
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