開け放たれる異界の扉

「お前・・・解ってんのか!?アリー、リネージュフィールドへ行った人間は二度とリップルフィールド(人間の世界)には戻れねえんだぞ!」


「良いんだ・・・戻りたくないから・・・。」


その僕の一言にデュランダルさんは「そうか、わかった。」と承諾してくれた。


「でもこれだけは約束してくれ、アリー俺のことはデュークって呼んでくれ。」


「うん、わかった。」


「よし、ここに地下室はあるのか?」


デュークは僕にそう尋ねた。


「地下室?あるにはあるけど・・・使ってないから鍵がかかってて・・・南京錠と鎖でがっちがち、開ける鍵もないから開かずの間状態。」



地下室の扉は案の定南京錠と鎖でがちがちに封印されていた。


「あ~やっぱり・・・。」


「ふん、こんなん俺にしちゃどうってことないぜ。」


そう言うとデュークは手袋をはめた右手で南京錠に触れた。


「行けるかな・・・?Alohomora!」


するとかたん!と音を立てて南京錠が外れてデュークの手に収まった。


「ふおっ!?」


「お前の血がかなり潤沢な魔力供給源になったみたいだな・・・おい、どうした?」


「今の呪文って・・・本で見た・・・、魔法学校の物語のでしょ?」


「知ってるのか?」


「その物語は好きだったから、よく読んでた。」


「リネージュフィールドはそういう場所だ、中に入るぞ。」


中は埃っぽく、真ん中には大きな箱があった。デュークは


「あれ・・・なんで俺が寝床にしてた棺がこんなところに・・・。」


と言ってその棺を担いだ。


「寝床も見つかったしちょうどいいや、アリー行くぞリネージュフィールドへ!」


「うん!よろしく、デューク!!」


ガチャリと地下室のドアが開くと景色はあの場所と違っていた。


「!!」


「アリー・・・。」


        ようこそ、リネージュフィールドへ!!

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