出会い Boy Meets Vampire

本を抱えて家に戻った僕は、本嫌いの姉クランベリーと鉢合わせてしまった。

「あ・・・ただいま姉さん。」


ーおかえり。


姉は僕の抱える本を一瞥いちべつしてどこかに行ってしまった、服装からして仕事だろう。不愛想もいいところだ・・・まったく。


「居ないなら居ないで都合がいいけどね・・・。」


独り言つぶやき今のソファーに腰を下ろして本を開いた、その本はリネージュフィールドという異界の町で微弱ながら治癒能力を持つ少年と吸血鬼が主人公の物語だ。


「面白い・・・。」


ついつい物語に引き込まれ集中して読み進めていると・・・。



 どすん!!


「!?」


自分の部屋から大きな音がした。


(な・・・何!?)


部屋に駆け込むと・・・。


「ぎゃあ!!」


そこにいたのは、ぼさぼさの金色の髪とローブをまとい緩めたネクタイを締めた青い瞳の男の人だった。


「痛たた・・・。」


僕は思わずそばにあったモップを思いっきりその男の人に振りかざした。


「どろぼー!!」


「おっ・・・おい!待て坊主!!」


がんっ!


「!?」


当たった感覚がなかった、避けられた!?


「お前いきなりなんだよ!?こっちは血を吸えなくてぶっ倒れてたってのに!!」


「血?」


その男の人は服のほこりをはらってふんと胸を張って名乗った。


「俺はデュランダル=オルフェーヴル、リネージュフィールドの吸血鬼さ!それも混じり気のない純血だ!!」


どうしよう、言葉が出ないよ・・・。


「き・・・吸血鬼ぃ!?」


  続く


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