第18話セックス

 直樹はソフィアにキスをした。

 直樹の唇が、ソフィアの桃色の唇と重なる。

 直樹は舌を出し、ソフィアに絡める。

 ソフィアも舌を出し、直樹に絡める。

 キスをしながら二人は腕を相手の背中に回し、抱き寄せ合って行く。

 一人の人間と一人の人間の心と心を通じ合わせる事は難しい。

 それでもそうありたいと願う直樹とソフィアは、何度も何度もキスをして互いの唾液を混ぜ合わせ、交換した。

 相手が何を考えているのかなど、究極的には知る術が無い。

 だけれど、相手の事を信じても良い、信じたいと二人は願った。

 強く抱き合う直樹とソフィアは、互いに男女の身体の特徴に触れ合っていた。

 ソフィアの白くマシュマロのように柔らかで豊満な胸が直樹に触れる。

 直樹の骨のように固く勃起した男根がソフィアの股間に触れる。

 互いに感じ合っていた。

 このままでは終われない。

 キスだけでは終わりたくない、と。

 ベッドは厚いカーテンで区切られている。

 誰かが保健室に入ってきても、直ぐには見つからない。

 今まで怪我などをした時は、無断欠勤の常習犯である空蝉高校の保険医を憎んだ。

 しかし今、空蝉高校の保険医が無断欠勤の常習犯である事を心の底から感謝した。

 保健室は直樹とソフィアだけの空間だ。

 直樹はソフィアを抱き寄せ、ベッドの上に乗せる。


「もっとしたい、ソフィアさん」


「私も直樹くんともっとしたい」


 会話をしながらも直樹とソフィアはキスをする。

 青春の輝きを生きる直樹とソフィアにとって、時間は限り無く重要だった。


「俺、ソフィアさんの身体をもっと触りたい。触っても良い?」


 直樹は正直に言った。

 と言うよりも、それ以外に発するべき言い回しが浮かばなかった。

 山田直樹の遺伝子がソフィア・エレノールの遺伝子を求めている。

 社会性を超越した衝動に背中を押された。


「うん。私も直樹くんの身体をもっと触りたい。私の身体をもっと直樹くんに触って欲しい」


 そしてソフィア・エレノールの遺伝子も山田直樹の遺伝子を求めていた。


「だから、ね、いっぱい触って」


 直樹はソフィアにキスをする。

 直樹はソフィアの白く丸みを帯びた尻を両手で触り、揉みしだく。

 ソフィアは細く白い手を自分と直樹の間に滑り込ませ、直樹の固く勃起した性器を撫でる。


「あのね、直樹くんの固くなったのが当たった時から、欲しいって思ったの」


 ソフィアは青い目を潤ませながら直樹に言う。


「セックス、しよ?」





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