第19話美しい

 直樹は水着を脱ぐ。

 水着を脱ぐと、勃起した男根が斜め四十五度を指す。

 羞恥など遥か彼方へと忘却していた。

 直樹は今朝、家を出る前にもソフィアの事を想いながら自慰に耽った。

 それから登校時にソフィアのマンションへと迎えに行き、現在に至る。

 それまでの間に直樹の睾丸には新たなる精液が供給され、ソフィアを求めて今にも暴発しそうだった。

 ソフィアも水着を脱いだ。

 黒いスクール水着を脱ぎ、ソフィアの白く美しい肌が露わになる。

 ソフィアの乳房は綺麗な桃色で、清潔感に満ち溢れていた。

 直樹は瞠目してソフィアの裸を見る。

 直樹は目を血走らせた。

 鼻息も荒くなる。


「そんなに見られたら、恥ずかしいよ・・・」


 ソフィアは頬を赤く染める。


「綺麗だ!ソフィアさんの身体、凄く凄く美しい!!」


 直樹は興奮して言った。

 実のところ、直樹には一抹の不安が有った。

 それは直樹が二次元に傾倒していた、と言う事。

 直樹は小学生の時、クラスメイトと缶蹴りに勤しんでいた。

 そして空き缶があらぬ方へと向かい、あるクラスメイトが空き缶を取りに行った。

 その時、そのクラスメイトが茂みの中にエロ本を見付けたのだ。

 そのエロ本をその場にいた全員が見た。

 エロ本に印刷された成人女性のヌードに一同は興奮した。

 しかし、直樹は一人それを嫌悪した。

 斜に構えていた訳では無い。

 醜悪だと感じたのだ。

 黒ずんだ乳首、ラフレシアか食虫植物のようにグロテスクな陰部。

 不潔だと思った。汚らしいと感じた。

 それ以来、電子機器を手に入れ、ネットでエロ画像やエロ動画を検索する時にも、生身の女性の裸体を直視出来なかった。

 モザイクがかかっているのも直樹には納得だった。

 むしろ乳首にもモザイクをかけたらどうなんだ、と思った。

 ゆえに直樹は精通して以降、自慰に耽るのは決まって二次元のキャラクターだった。

 二次元のキャラクターは、乳首もマンコも綺麗なピンク色だ。

 ダークサイドに堕ちていない。

 だから、ソフィアが隣の席に座った時、奇跡が起きたと感じたのである。

 白人女性のエロ動画もネットには有る。

 しかしそれは、直樹が望むものとは全くの別だ。

 日焼けをして、ピアスをして、タトゥーをして、真っ黒なアイラインを引いて、真っ赤な口紅を塗って、或いは脂っぽいテカテカと光るグロスを塗って、プロレスのようなセックスをするのである。

 興醒めも良いところだ。





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