第5話:レイヨール広場の時計塔
「なるほどね。イザベラがねぇ……」
大きく頷くロゼッタ。
「ん? イザベラのこと、知ってるだか?」
「ん? いいえ、知らないわ」
つまらなそうにそう言ったロゼッタに対し、アヴァンはずっこける。
「なっ!? 今の言い方じゃあ、知ったような口ぶりだったべ? 紛らわしい……」
ロゼッタが睨むので、アヴァンは語尾を濁す。
「まぁ。大体の経緯はわかったわ……。で、どうしてこのウェイクッドに?」
ロゼッタの言葉に、アヴァンは怪訝な顔になる。
「おめぇ、それさ知ってて聞いてるだが?」
「確認よ。私の思い込みだといけないからね」
悪戯に笑うロゼッタに、アヴァンは溜め息をつく。
「西の魔女イザベラは、謎の男の行方を占ってくれたべ。そしたらその男は、おいらたち魔族の魂を宝石や絵画に埋め込んで、オークションで世界中に売りさばいたっていう。男を追って探し出せても、返り討ちに遭うに決まってる。それよりも、魂を埋め込んだ物を探す方が安全で速いって、イザベラが言ったんだべ。魔族の魂を内に取り込んだ物は、不思議と魅力的に見えるようになるらしいが。だから、オークションなんかで高値で売れる。そいで、いろんな国や町へ行って、金持ちの家を片っ端から探し回ってるってわけだべや。この町には金持ちが沢山いるべ。探すには持って来いの場所だべや」
「ふ~ん……。じゃあ、その銃は?」
アヴァンの腰のホルダーにある、変わった形の銃を指さしてロゼッタが問う。
「これは、イザベラがくれた、魂を物から切り離すための銃だべや。名前は聞いたが……、忘れた。この銃は、魔力の塊みてぇな黒い弾を作り出すことができるんだべ。その弾は物を貫通して、傷一つつけねぇ不思議なもんなんだが、魔族の魂が入った物に弾が貫通すると、その物から魂が離れて、実体化したハーツとなって出てくるんだべや。この銃がねぇと、おいらは何もできねぇんだ。命の次に大事なもんだ」
「命の次に、ねぇ……。その服もイザベラが? なんていうか、その……。変わってるわよね、時代錯誤っていうか……。七十年くらい前の流行かしら?」
苦笑いのロゼッタ。
「んだ。おいら、大して体は丈夫じゃねぇからな。自慢じゃねぇが、五十年も家に引きこもってたんだ。このイザベラがくれた丈夫な服でねぇと、すぐ死んじまうべ」
ヘラヘラと笑うアヴァン。
「ふ~ん。で……、どれくらい見つかったの? あなたのハーツはまだなんでしょ? 妹さんのは?」
ロゼッタの言葉に、アヴァンの表情が曇る。
「まだだぁ……。かかぁのと、村のみんなの魂は数十個ほど見つけたべが、おいらとエイシャのはまだ……。探そうにも、どこにあるかわかんねぇんだ、簡単にはいかねぇべ……」
大きく溜め息をつくアヴァン。
そんなアヴァンを見て、ロゼッタはにやりと笑う。
「状況はわかったわ。わかった上で、本題に入るわよ? 私もある物を探しているの。とっても見つけにくい、ある物をね。そこで、同じく探し物をしているあなたと手を組んで、捜索の効率を上げようと考えたの。この町には、あなたの言う通り、沢山の富豪が暮らしている。その富を隠すことなく、ひけらかしながらね。それがかえって好都合。盗みやすいのよ。けど、一人じゃ限界があるわ。最近、署内がピリピリしてきたしね。警察官も隣町からの増員を考えているみたいだし……。でも、私は諦めないわ。あなたももちろん、諦めないでしょ? だったら、一人より二人の方がいいわ。断然いいに決まってる。私とあなたが協力して、お互いの求める物を手に入れるのよ!」
ロゼッタの余りにも強い熱弁に、アヴァンは唖然とする。
「あ、あぁ……。協力するのはいいべが、おめぇさ警官じゃねぇのか? いいのか? 警官がそったな犯罪して……」
アヴァンの言葉に、ロゼッタはふんっと鼻で笑う。
「いいわけないじゃない。けど安心して。私、警察官なんかじゃないから。本職はこっちなの。警察官はあくまでカモフラージュ。情報収集にも役立つしね」
『悪魔よりひでぇぜ、この女……』
思わず悪態をついたエビルに対し、ロゼッタは今まで一度も見せたことのない、殺意のこもった目をエビルに向ける。
肉体がないはずのエビルだが、背筋に悪寒が走ったかのような感覚を覚えた。
「おめぇさ、ずっと不思議だったんだが、なんでエビルの声さ聞こえるだ? おいら以外のもんに聞こえたんは、おめぇが初めてだべ」
エビルが怯えているのを感じながら、アヴァンはロゼッタに問い掛ける。
「ん~……。悪魔と関わりを持ったことのある者なら、例えそれが魂と心だけの存在でも、それを認識して声を聞くことは可能なのよ。とりわけ私は、悪魔祓いっていうのを生業にしていた時期もあったからね」
ロゼッタの言葉に、エビルは震え上がる。
「安心してちょうだい。さっきの話だと、今エビルを祓うのは懸命じゃないわ。だから、多少生意気なことを言っても、許してあげる。今はね」
アヴァンは何とも言えない気持ちになって、話題を変える。
「んだら……。おいらとおめぇさが協力して、盗みを働くってことだが?」
「えぇ、そうよ」
「んでも、おめぇさ警官の仕事もあるべや?」
「あぁ、大丈夫よ。私、心操術が得意中の得意なの。仕事中少し抜け出したって、周りの記憶を変えちゃえば問題ないわ。まぁ……。ちょっと失敗しちゃう時もあるだろうけどね。そうそう捕まりはしないわよ」
「んだ……。そしたら、どうするべ? おめぇさの欲しいもんはどこにあるか、見当ついてるんか?」
「ん~……。さっぱり。町の南にある富豪の家には手当たり次第に侵入してみたけど、求める物はなかったわ」
「じゃあ……。どうするべ?」
「どうするも何も、私たちが今までやってきた通り、手当たり次第探すしかないわね。町中の富豪の家に侵入して、沢山の宝物の中から見つけるしかない」
「あぁ、結局そうなるべかぁ……。途方もない作業だべ」
うんざりとした笑みを浮かべるアヴァン。
「何言ってるのよ。二人でやるんだから、効率は二倍にアップするわよ。そうすれば、この町の全ての富豪の家を探し回ったって、数か月で探し終えるでしょうよ」
ロゼッタは、案外気が長いのか、笑顔でそう言った。
「わかった、仕方ねぇべ。で、どの家から探すべ? おいらも、南の方の家は大体探したべや」
すると、ロゼッタは胸の谷間から地図を取り出した。
それは、このウェイクッドの町の地図だ。
警察署のある中心街を真ん中にして、東西南北に大通りが延びるこの町は十字の形をしている。
「あなたも私も、南側の富豪ばかりを狙ったのが駄目だったのよ。私は手配書に似顔絵が出るほどに目撃されちゃったし、あなたは捕まっちゃったしね」
『捕まったのはてめぇのせいだろうが……』
エビルの悪態を、ロゼッタは無視する。
「どこかに的を絞るのは危険だわ。東西と北の富豪の家を不規則に狙いましょ。まずは、そうね……。ここなんかどう? ルッソー家の屋敷。比較的小さな家だし、それほどの富豪でもないけれど……。警察署から一番近い家だけど、どうも匂うのよね。二日後の夜はどう? 私、明日は夜勤があるから無理なのよ。だからね、二日後の晩、十二時に」
「警察署から近いと危なくねぇのか?」
「大丈夫。署内に嘘の垂れ込みを流すから」
『匂うって何がだよ?』
「宝の匂いに決まってるでしょ? 鈍いわね」
ロゼッタの提案に、アヴァンは考える。
アヴァンはまだ、ロゼッタを信用していない。
アヴァンは旅の目的や探している物をロゼッタに教えたが、ロゼッタはアヴァンに何も教えてくれていないからだ。
それに加えて、ロゼッタは魅力的で、変に色気があって、油断すれば翻弄されてしまいそうだとアヴァンは警戒している。
しかし……。
「いいでしょ?」
そう言って、愛らしい瞳で見つめてくるロゼッタを突き放すことは、アヴァンにはできそうもない。
「わかったべ。じゃあ、二日後の夜に、ルッソー家の屋敷の門の前で……」
アヴァンの言葉に、ロゼッタは首を横に振るう。
「門の前なんて駄目。目立っちゃうわよ。ルッソー家の屋敷の屋根の上で待ち合せましょ? 屋根の上から私が熟睡魔法を屋敷中にかけるから。そうすれば、誰も傷つけることなく、お宝探しができるでしょ? あなたってば、何の作戦も無しに侵入しては、沢山の人を傷つけてきたみたいだけれど……。私の盗みのモットーは、華麗に! 美しく! 平和に! なの。私と手を組むからには、その辺きっちり守ってよね♪」
茶目っ気たっぷりな様子なロゼッタに、アヴァンは頷くしかなかった。
話がまとまり、ロゼッタは立ち上がる。
月を見上げるロゼッタの横顔に、アヴァンはなぜだかドキッとした。
アヴァンの心が既にロゼッタの虜になってしまっていることに、エビルだけは気付いていた。
「ねぇ……。最後に聞いてもいいかしら? あなたには、どんな風に見えているの? 月が、割れたガラスのように見える?」
ロゼッタの言葉に、アヴァンは驚く。
「えっ!? あ、あぁ……。けんど、どうしてそれを?」
アヴァンの質問には答えずに、ロゼッタはにっこりと微笑んだ。
月に向かって両手を広げ、契約の言葉を呟く。
赤い入れ墨が光り、背中の翼が大きく伸びていく。
そんなロゼッタの様子を、アヴァンはまるで、奇跡でも見ているかのような、嬉々とした表情で見つめている。
「じゃあ三日後の夜に、ね」
アヴァンに投げキッスを残して、ロゼッタは飛び立った。
アヴァンは、月の光に照らされて美しく輝くロゼッタの翼を、見えなくなるまで見つめていた。
『アヴァン、熟睡魔法の餌食になるなよ』
エビルは、怯えたままで悪態をついていた。
「で、どうだったんだ?」
サングラスを外したつぶらな瞳のブルータスが、子犬のようなパジャマ姿でロゼッタの帰りを待っていた。
「うん、思っていた通りだったわ……。それにしてもブルータス、私を援護してくれるんじゃなかったの? その恰好を見る限り、家でのんびりくつろいでいたようね?」
ロゼッタの言葉が聞こえないふりをしながら、ブルータスは洗面台の前にある小さな階段式の箱に上り、なんとか顔が鏡に映る位置に立ち、歯磨きをし始める。
「それにしても、あのエビルって奴。悪魔のくせに本当に鈍いわ。あんなに近くにいたのに、まだ気付かないなんて……。あれじゃあ、闇の精霊に捕えられて当たり前ね」
話し続けるロゼッタを他所に、ブルータスは歯磨きを終えて、水で口をゆすいでいる。
「とにかく、明後日の夜、北大通りのルッソー家にお邪魔してくるわ。屋敷自体はさほど大きくはないけれど、警備に行ったことのある警察官の話だと、地下二階に宝物庫があるらしいから。そんな、地下二階に隠しておかなければいけない物なんて、いったい何なのかしらね?」
ロゼッタはワイングラスに赤ワインを注ぎ、窓の外に光る月にかざして見る。
ロゼッタの目に映る月には、歪にひびが入っている。
その姿は、アヴァンが見ていた月とよく似ている。
「あいつに……、教えたのか?」
ペタペタという肉球が床に触れる可愛らしい音を立て、裸足で歩きながら、ブルータスが近くまでやってきた。
「ううん、何も。教える気はないわ……。まぁ、ちゃんと、私の言うとおりに働いてくれるようなら、そのうち教えてあげでもいいけどね~」
にっこりと笑うロゼッタに、ブルータスはふんっと鼻を鳴らした。
レイヨール広場の時計塔が、深夜一時の鐘を鳴らしていた。
それから二日後の夜、十一時。
アヴァンはまだレイヨール広場の時計塔の中にいた。
時計塔の高さは、地上からおよそ五十メートル。
レンガ造りの時計塔の中は、ほとんどが空洞で、壁に沿って螺旋状の階段が続き、てっぺんに一番近い場所に巨大な鐘が設置されている部屋が一つあるだけだ。
部屋の壁は四面あるのだが、その全てに、外向けに巨大な時計盤が埋め込まれている。
部屋の中から見る壁は時計の裏側で、無数のねじや歯車で構成されており、常にカチカチと、ゴゴゴゴーと、ギッコンギッコンと、騒がしい音を立てていた。
部屋の中央には、天井から吊るされた大きな鐘があり、時計の動きに連動し、きっちり一時間毎に、その時刻を町中に知らせている。
部屋の隅にはベッドと机と椅子が置かれてはいるものの、それらは実際には使われていない。
月に一度、時計守のおじいさんが時間を調整しに来るのみで、時計塔は空き家も同然だ。
何より、一時間毎に大きな鐘の音に見舞われるとなれば、住みたくとも誰も住めないだろう。
しかし、アヴァンはそこにいた。
ベッドもある、机も椅子もあるとなれば、食事は近くの家々から失敬すればいいし、お風呂に関してはあまり興味がなく、身を隠すにはもってこいの場所だからだ。
ただ、一時間毎に鳴り響く鐘の轟音には、少々参っていた。
あの夜からずっと、アヴァンは考えていた。
この町に来て早数か月。
町には、アヴァンの顔写真付きの手配書が、あちこちにばらまかれている。
それでも、普通の警察官にアヴァンを捕えるなど不可能だ。
力の強さ、スピードの速さ、何をとっても、この町の人間たちはアヴァンに劣る。
捕まることなど微塵も考えていなかった。
しかし、そこへロゼッタが現れた。
相手を無力に貶める魔法をロゼッタは使うことができ、アヴァンはまんまとそれにかかってしまった。
油断していたのだろうか、とも考えたが、油断していたにせよ、魔族の自分に熟睡の魔法を瞬時にかけられるなど、並大抵の魔力の持ち主ではない。
それに、心操術が得意だとも言っていた。
下手に敵に回ってしまって、魔法の力でいいように使われるより、手を組み仲間として行動した方が賢いと、アヴァンは考えた。
その結論に至るまでに、エビルとの葛藤が幾度となくあった事はさておき、エビルもアヴァンに同意していた。
何よりも、ロゼッタの最後の言葉が、アヴァンとエビルには引っかかっていた。
ロゼッタはアヴァンに、月がガラスのように割れて見えるのか、と聞いた。
普通の人間なら、そのような質問はしないだろう。
エビルが言うことには、月が割れて見えるのは、悪魔の一部を持っている者、もしくは、日常的に闇の生物と密接に関わりのある者だということだった。
実際に、エビルの魂を借りてから、エビルの悪魔の力を使ってきたアヴァンには、月がひび割れて見えているのだ。
悪魔の力というのは様々で、いろんな種類があるのだが、エビルの場合は青い焔だ。
先日、警察署から逃げる際、青い焔の翼を出したアヴァンだったが、あれはエビルの悪魔の力を使ったものだった。
アヴァンは悪魔の力を使い続けることによって心が徐々に悪魔化し、それに比例して、夜の空に光る美しい月が醜くひび割れて見えるようになってしまったのだった。
月は、この世界にたった一つともいえよう、清浄なる聖なる光。
心が穢れてしてしまった者は、その美しさを見ることができなくなってしまう。
アヴァンは、自分の心が悪魔化していっていることを承知の上で、エビルの力を借りていた。
そうしないと、アヴァンはここまで生き延びることができなかったからだ。
奪われた魂を探し出すため、西の森のイザベラのもとを旅立ってからというもの、外の世界の厳しさにアヴァンは何度も心が折れそうになった。
五十年もの間、家に閉じこもったまま何もしてこなかった自分の非力さが、無力さが、外の世界では顕著に現れた。
エビルの力がなければ、ハーツを探すことはおろか、生きるために必要な食べ物や水を手に入れることすらままならない時もあった。
夜、大きくひび割れていく月を見るたびに、アヴァンは自らの心が穢れていっていることを自覚していた。
だが、それでも、エビルの力を借りることを、アヴァンはやめなかった。
やめられるはずがないのだ。
イザベラの元を旅立ってから、既に七十年以上の月日が経っていた。
その間、アヴァンの見つけたハーツは全部で九十二個。
その半分が村のみんなのもので、あと半分が見知らぬどこかの誰かのものだった。
つまり、あの謎の男に襲われた魔族の村は、アヴァンの故郷であるオーレイの村だけではなかったということだ。
そうなると、どれほどの数のハーツが、この世界に散らばっているのか……。
アヴァンには皆目見当も付かない。
アヴァンに残された時間は、多く見積もってもあと三十年足らず。
その短い時間の中で、世界中に散らばった無数のハーツの中から、自分のハーツと、妹エイシャのハーツを見つけ出さなければならない。
そんな焦りからか、いつしか、アヴァンの気持ちは変わっていった。
自分のハーツはもう、見つからなくてもいい。
けれど、妹のエイシャのハーツだけは必ず見つける……、と。
一刻も早く、自分の心が悪魔化してしまう前に、妹エイシャの魂を見つけなければいけない……、そう強く思っていた。
『あの女、体の中に何か隠してやがるぜ、きっと』
エビルが話し掛けてきた。
「何かって、なんだべ? おいらのように、魂が悪魔のもんなんか?」
アヴァンの言葉に、エビルは考える。
『いや、違う。魂は清らかだ。穢れてねぇ……。あの女、何か秘密があるはずだぜ。何かはわからねぇが、わからねぇからこそ恐ろしい。俺様にわからねぇんだ。この上なく恐ろしいもんだぜ、きっと』
エビルの怯え方からして、冗談ではないということを、アヴァンは感じ取っていた。
だがしかし、翼の生えたロゼッタの、天使のような姿を見てしまった後では、アヴァンはそのようなエビルの言葉もただの憶測にずぎないと思えてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます