コンテスト作品を反省してみる? その2 ホラー?

 本作では非常に重要な点です。

 結局ジャンル「ホラー」になれたのか?

 ネタバレ上等で内容的な考察をしてみましょう。


 本作、当初と方針が変わって(?)私の完全なる習作と化しました。

 いろんなジャンル要素書いちゃおう!(こらこら

 こんな感じ……


 1章 学園現代ファンタジー・歴史モノ

 2章 逆ハーレム少女漫画風バトルモノ

 3章 スポコン・神話モノ・恋愛

 4章 ラブコメ

 5章 ホラー・ミステリー・現代ドラマ


 文章応援コメント数基準で

 2、4、5章が比較的人気なのはわかる気がします。

 やっぱり物語の統一感!?


 ヒロインの影響もぬぐえませんが、ここではさておきます。


 こんな感じで、やらかしておりましたので、

 「怖くない」とか「ホラー?」とかいろいろ意見いただくこともありました。

 ……わかる、わかりますよっ!



 表面的にはカテゴリーエラー祭り。

 いまさらですが、本来は、「キャラクター文芸」が正解だったかもしれません。

 だ、だいじょうぶかな……?



 そもそもホラー小説って何なの? というのは「怖さ」を感じる小説なわけです。ということは「怖さ」を感じる要素がかけらでもあればいいわけです!


 よし今更ですが「怖さ」=「恐怖」の調査。

 前に似たようなことやってるのはキノセイです。


 Wikipediaの「恐怖」項はなかなかイイ感じでした。

 以下はWikipediaに書いてあった情報の引用です。本当は引用の引用は情報信頼性等の面でよくないですが、今回の内容は改変される恐れもなさそうだったので、このままいきます。


 ブリタニカ国際百科事典 【恐れ、fear】の項より

「恐れとは典型的な情動のひとつで、有害な事態や危険な事態に対して有効に対処することが難しいような場合に生じる」


 河合隼雄『対話する生と死』

「人間は自分の人生観、世界観やシステムを持ちながら生きているが、それをどこかで揺り動かすもの」


 河合隼雄先生まで来ちゃったかー。考えてみると、心理学だと対人恐怖とかは重要なテーマですね。先生個人としても、死への恐怖が重要だった記憶があります。

 そうか、「恐怖」って心理的なものですよ!(ようやく気付いた私)

 これなら、私の得意分野に持ち込めそう。


 なんとなく、「恐怖」分かった気がしました。

 読者様がこれを感じられればいい。



 お次は、ホラー小説とか映画の分類から迫る感じかな?

 小説の「ジャンル」もそうですが、分類の定義を見れば必要な要素がわかるのですよ!

 だから多分「ジャンル」って固定ではなく、時代で変わるものなんです……。


 そんなことはよくてー「ホラー」って何!?


 意外にWikipediaさんの記載に書いて無いのですよ……。

 これ! というページが無かったので、以下は様々なホラー分類ページを参照したうえでの、私の勉強のまとめです。明確な本も見つからなかったので、いいや。


 違う! とかあったら、ご指摘くださいませ。

 重なるもの、たぶんいっぱいあります。

 お詳しい方……定番本があれば教えてください~。



●ゴシック・ホラー/モダンホラー

 これは作品舞台分類ですね。

 前者は、貴族っぽい邸宅や古いお城が舞台で、そこでいろいろ起きちゃうやつ!

 「うみねこのなく頃に」には入りそう?

 後者は、現代社会が舞台。


●サイコホラー

 恐怖対象として人間心理がテーマなもの。

 狂人、殺人鬼とか、マッドサイエンティストの残酷童話的なものですね!

 「ひぐらしのなく頃に」とかも入りそう。


●オカルトホラー

 恐怖対象として幽霊や悪魔、心霊現象や超常現象がテーマ。

 実体無い系の怖さ。これはわかりやすい!

 例とかいらない、いわゆる普通のホラーですね。


●モンスターホラー

 恐怖対象としてモンスター。物理攻撃の怖さ?

 ジョーズとか、ゴジラとか、ゾンビとか、グレムリンとか、吸血鬼とか宇宙人もここに入るようです。私的には当然Gもここに入ります! 火星でなくても!


●パニックホラー

 恐怖対象として、押し寄せてくる避けられない残酷な現実!

 自然災害やウィルス、未知の生物の襲来、デスゲームで、残された人々に感情移入して感じる恐怖ですね。モンスターホラーとは重なることが多そうです。

 漫画だと「がっこうぐらし」「リアルアカウント」「ハカイジュウ」……うん、怖い。


●コズミックホラー

 これは他と一線を画しているようで、宇宙や神様と人間の関係をテーマにするもののようです。必然的にSF要素が関係するようです。(ようです多いな素人私)

 「クトゥルフ神話」と「エヴァンゲリオン」が、良く例として挙げられていました。

 ここまでの分類の全要素の集合体のようになりそうですね。

 だからクトゥルフ神話はホラーとして人気なのかも。




 ……こうしてみると、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは上記の全要素があるのです。改めて荒木先生の偉大さを感じました……




 ということでテンシードを「恐怖」の定義、「ホラー」の定義で、「ホラー」になれてそうか、考えてみるのです!



 本作では『十種神宝』という神話アイテムが少女達を呪い、力を与えます。

 でも、神ならぬ身なので、コントロールできないその力を持て余し、少女たちは苦しみます。

 冒頭で巻き込まれた主人公の虎君はいつしかそれを理解して、自分のためだけでなく、彼女達のために儀式を行うことを画策するのです。



 『十種神宝』は、いきなり現れて少女を呪うものです。

 そこに選択や自由はありません。

 しかも、本人が知りえないまま効果を発揮します。

 この効果自体も、最初は本人としてはコントロールできないことが多い。

 (あまりにかわいそうなので条件付きでコントロール可能に見せかけています、実は……)


 この「コントロール出来なさ、訳の分からなさ」は「有害な事態や危険な事態に対して有効に対処することが難しいような場合に生じる」に当てはまりそう!

 要素はあるから、ここから恐怖を喚起できれば!


 そうなのです、読者様が「怖い」と思えないとダメなんですよね。

 いくら設定上はそうなんです、と言っても感じられなければ意味がない。

 「被害者、被害予定者」に感情移入して、「恐怖」が感じられないとダメ。



 どうだったかな……ここでもう一つの観点が出てきます。



 一章で、冒頭の少女にイキなり殺される(ちょ……

 二章で、全て自分の妄想であったことを知った佐保理が狂った(待ってくれ

 三章で、蛇神と化した冬美が暴走した(これ勝てるの?

 四章で、狂っていることを徳子が冷静に言葉と態度で表した(絶体絶命



 文字の運びも含めて頑張った感。

 被害者虎君の視点で、彼女達の変容で背後にある「恐怖」を感じていただけないかなーというものでした。多分これが「サイコホラー」であってるはず。

 (レビューを書いてくださった方がいらっしゃるので心強いです! ありがとうございます)



 四章は上手くできた気が、いまだにしていません、無念。

 頭が超絶良い子の静かな狂気って描くの難しい。

 ある意味「パニックホラー」的かもですが、三人しか生き残ってない状況の……。



 そして極めつけは五章。


 七不思議は「オカルトホラー」的に定番ですが、ここでは、発狂しているヒロイン菊理が飛び降り自殺をずっと繰り返しています。


 これは恐怖が感じられれば「サイコホラー」でよさそうです!

 「訳の分からなさ」感ここに極まった感じです。(ダメ絶対!)


 ホラー味強くなったはず!

 でも、「被害を自分が喰らうかも」というのが必要なので、読者様の視点が重なる市花と虎君には彼女の狂気の犠牲になってもらいました。これでよし!


 重要なのは、彼女の動機は十種の呪いそのものではなく、背後にある「何かわからないもの」によって規定されたものということ。

 「パニックホラー」のみんなゾンビ化しちゃう原因とか、アウトブレイクなウィルスとか、あっち系の怖さではないかと思うのですよね、これ。


 謎の女の子、八重。

 いるのかいないのか、本当にわからない子。


 続き物だというのはありますが、五章は「怖さ」を少しでも後味に残すため、最後わからなさはそのままにしました。

 これによって十種だけでなく世界がホラーになったのではないかなーと。

 そう願っています!


 ちなみに、ミステリー仕立てにしたのも、実はこのわからなさを感じていただくための努力だったりします。上手くいってるといいな~。

 シャーロックホームズの「バスカヴィル家の犬」とか子供の頃読んだとき最高に怖かったのです。あんな感じ。




 やるべきことはやったと思いますが、結局は読者様がどうお考えになるか。

 ……「ホラー」って難しいです。


 今回の内容をどのあたりから考えて書いていたのかはヒミツです!

 (わかる方にはわかっちゃいそうですけど、新日常系で誤魔化しますから!)


 うーん今回は自分ガタリで本当にごめんなさい。

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