第22話(番外編)  少年

 少年の母親は、彼を問い詰める。

「こんなに遅くなって!まさか、あの山に行ったんじゃないでしょうね!?」

あの―偏屈な魔法鍛冶師が根城にしている―薄気味悪い山だ。


「う、うん。行ったよ。」

「ほら、やっぱり。何か危険な目にあわなかった?悪い魔術師には会わなかった?」

「ちょっとね、怖かったけど。悪い魔術師なんていなかったよ。」

「それは、たまたま会わなかっただけの事よ。もう二度と行っては行けませんからね!」

「はい、ごめんなさい。」

 なぜなら、少年は約束したからだ。

 彼を助けてくれた使と約束したからだった。

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