第11話
一方、村井は藤本の電話を受けるとすぐに内線で社長に連絡した。
「もしもし社長ですか。藤本は今日、辞表を郵送するそうですよ。3ラウンドノックアウトK•Oと言う処ですか」
「思ったより早かったね。もう少し、しぶといと思ったが...。とにかくおめでとう。辞表が届き次第、木村常務に一報を入れといてくれ」
村井はニヤニヤしながら木村の顔を思い浮かべると、辞表が届く前に電話しようと、受話器に手を掛けた。
が、やはり思い留まって机の引き出しを開け、ダンヒルを取り出すと一本取り、ゆっくりとそれに火を点けた。
うまそうに煙を一気に吸い込むと、ゆっくりと吐き出しながら、藤本の「馬鹿面」を想い出した。
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