第14話 ザ ドリフターズ 〜ドリフだョ!全員集合 赤盤青盤

 僕の悪いクセが出てしまいました。

 ちょっとサボると止まってしまう、今年に入ってから全然更新してませんでした。


 書きたい音楽はたくさんあるのにサボっていたので、久々の更新は意外性があって、且つ自分が本当に好きなものでないとならない、と勝手に自分自身のルールで「ザ ドリフターズ」を書きます!


 あのドリフターズです。黒人のコーラスグループの方ではありません。志村けん、いかりや長介の「ドリフターズ」です。僕の幼少期は、志村けんの「アイーン」と、花王名人劇場の「裸の大将放浪記」の芦屋雁之助さん演じる山下清のマネでほぼ過ごし、母に「そういうアゴになっちゃうよ!」「どもるように、なっちゃうよ!」と叱られてました。

 今でも家族で外食した先、同級生に声をかけられ、「あ?」と返事しただけで、「志村ー!」と言われてしまうほど、志村けんの喋り方が根付いてしまっているようです。その時は「なんだチミは?」と返さなければならないのですが。


 また僕のことだからCDをコレクションしたいのですが、ドリフターズに関しては、レコードだったりソノシートだったりと手に入りにくい。そこで便利なアイテムが2000年に発売されたのが2枚組のベストアルバム「赤盤」「青盤」の計4枚。さすがビートルズ来日の際、前座をやったドリフターズ、ビートルズみたいに赤盤青盤なんで出してきたんですねー、即買いでした。

「赤盤」は荒井注いた頃のドリフターズの有名な曲ばかり。1枚目は「いい湯だな」とか「ドリフのズンドコ節」とか入ってます。荒井注の頃はリアルタイムで見ていたわけではないのですが、懐かしの映像的なテレビで「ほんとにほんとにご苦労さん」というのが聞きたくて、この曲だけ連続して聞いてしまいます。2枚目は、1枚目のモチーフになった曲であったり、「加藤隼戦闘隊」とか本当に戦時中の音楽みたいなのが主で、軍歌みたいなのが多くて、この2枚目はあんまり聞かないです。

「青盤」は志村けん加入後バージョン。こっちはリアルタイムで見ていたので、「チョットだけよ!」とか「ドリフのズンドコ節 志村けんバージョン」とか入ってます。ドリフの西遊記のテーマも入ってるので、これを聞いてると小学校低学年の僕に戻ってしまいます。僕も「志村ー!後ろー!」とテレビに向かって叫んでいた少年のうちの1人です。

 お寺で、坊主の下っ端の志村が1人になると大仏が動いて、志村の頭を叩く、というコントなのですが、この大仏を演じていたのが6人目のドリフターズとされる「すわ親治しんじ」、もう小さい頃はこの人が怖くて、見た後なかなか眠れなくて、外へ行けば大仏とか銅像見れば「もしかして動くんじゃねえか?」と思わせ、多くの子供達に軽いトラウマを与えた重要人物です。そして、すわ親治の独特な「ケケケケケ」という甲高い笑い声が1番怖いのです。

 この間テレビを見てたら、すわ親治がネコ車(工事用の一輪車)と、なぜか踊るという芸を見せてました。

 そして2枚目は「ドリフの早口ことば」加トちゃんのラップなど比較的新しい曲が収録されてる計4枚。


 一応ベーシストという視点で、1番聞きたかったのが、「ヒゲのテーマ DO ME」。志村けんと加藤茶がタキシード姿でヒゲを付けて、踊りながら芸をするときにかかってる曲です。水が入ってるバケツをグルグル回したり、加藤茶が投げた果物を志村けんが剣で刺したり、成功するとメチャメチャ嬉しそうに踊って、失敗するとメチャメチャ凹んで踊るという、ただそれだけなのに笑っちゃうんです。

 このCDでの曲は実際にドリフのメンバーが演奏している曲ではないそうですが、いかりや長介のベース演奏は、ラガービールのコマーシャルでウッドベースを弾いてるのが有名だと思います。いかりや長介の演奏姿が渋いんですよね。あれ、頑張って耳コピしたりしてみました。

 ベースの弾き方で、指弾き、ピック弾き、スラップなど色々ありますが、なんと「いかりや奏法」というものがあるのです。全ての弦を親指でダウンピッキングするという奏法で、これは海外のミュージシャンにも知られている奏法らしいです。全て親指ダウンピッキングなので安定した音が出ます。きっちり正確な細やかな性格から生まれた奏法だと言えると思います。(下手なくせに偉そうにすみません)あの映像をYouTubeで見ると、もっともっといかりやさんのベースを見たかったと思ってしまいます。


 でも1番聞きたかったが、「青盤」の1枚目、9曲目の「東村山音頭」。ドリフを見た次の日は、学校では皆んな「イッチョメ、イッチョメ、ウワーオ!」とやってるわけです。大人になってから、この時志村けんが股間につけてた白鳥の首をドンキで見つけて、欲しくなった人、僕だけじゃないはずです。


 ドリフターズというとお笑いだけじゃなく、もう僕が「8時だョ!全員集合」を見だしてからはコントでしたが、元々はバンドとして活動し、コミックバンドとしてショーとしてコントをやっていたそうです。意外に知られてないのが、ドリフターズのリーダーは「いかりや長介」が3代目だそうです。

 いかりや長介がリーダーになってから、コントの練習が厳しすぎて、メンバーがどんどん離れていき、加藤茶しか残らずほぼ解散状態、そこへ荒井注、高木ブー、仲本工事が加入して、荒井注が負けた後、付き人だった志村けんか、すわ親治か、と志村けんに決まり、皆んなが知ってるドリフターズになったそうです。


 僕、こういうのに弱いんですね。最悪な状態から這い上がる系とか、新しい仲間を見つけてくる系の物語に感動してしまうのです。

 だから「下町ロケット」とか見てると、興奮してしまうのです。


 いかりや長介の本「だめだこりゃ」や、志村けんの「志村流」を読んでみると、いかりや長介と志村の師弟関係の絆というと寒いですが、いかりや長介は志村けんを凄く認めているんですね。

 仲本工事は、いかりや長介に「志村を見習え」と、笑いに関してストイックな志村けんのことを言っていたそうです。


 子供の頃に見ていたので「いかりや長介」は絶対悪だったのですが、こういうのに話、グッときてしまうんです。


 僕の世代は、全員集合が終わってしまって、その次に始まった「加トちゃん、ケンちゃん、ごきげんテレビ」の方が記憶に残ってます。加藤茶と志村けんが探偵の設定で、ボスから依頼の電話がかかってくるのですが、ボスは「私だ」と電話口で言うと、志村は加藤茶に「私田わたしださんっていう人から電話」と電話を渡すのです。何回見ても笑っちゃいます。途中、加藤茶と志村が口喧嘩しだして、部屋の床にテープ貼って、「ここから入ってくるな!」と陣地を分けるのですが、片方の陣地に冷蔵庫があるし、トイレは相手の陣地にあるしで、また揉めるという、途中で当人同士も笑い出すというのが延々と続くのが、また学校へ行ってからの休み時間のネタになるのです。

 このコーナーのオープニングでかかっていたのは「ZZ TOP」だったし、選曲のセンスやリズム感が、音楽と笑いを確立させたと言っても過言ではないでしょう。

 この「加トちゃん、ケンちゃん、ごきげんテレビ」のことは、いかりや長介の「だめだこりゃ」にも書いてあったのですが、これからお笑いを続けていく才能のある2人に次の番組を任せる引き際、その後俳優をしていても、「コメディアンが俳優のようなことをやらせてもらっている」といういかりや長介の謙虚さ、渋いです。「踊る大捜査線」の和久平八郎わくへいはちろうのような優しくて強い役柄から、香取慎吾が主演だった「蘇る金狼」の茂義賀津夫もぎかつお会長のような悪役までこなせる、まさに日本のモーガン・フリーマン(アンソニー・ホプキンスという人もいますが)、もういかりや長介さんの芝居が見れないのは悲しいです。


 あと、加藤茶が「Sing Sing Sing」をドラマで叩いてるのですが、どんどんドラムセットが倒れて壊れて、最終的には床を叩いてるだけ、という1人コントも好きでした。


 今見ても笑える昔の映像って、「トムとジェリー」と「ドリフ」だけだなあ。


 最近また、このCDを引っ張り出して、この「青盤」2枚目の8曲目に「ドリフのわんダー・ドック Living On A Farm」という曲があるんですけど、これはボーカルの部分が全て犬の「ワン!」という鳴き声のきょくなのですが、娘が大事にしている犬の抱き枕で歌っているように動かすと、娘が喜ぶので寝る前にやってあげます。でも娘は「イッチョメ、イッチョメ、ウワーオ!」は嫌いみたいです。

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