　新年あけましておめでとうございます。

　今年もよろしくお願い致します。

　ということで新年1発目のコラムとして、相応しいのは誰が相応しいのか、と何処から目線なのか考えましたところ、静岡出身の僕としては静岡出身のアーティストを、それも大好きなのを書かなければならないと誰にも頼まれてないのに思うわけです。

　みなさんが静岡出身と聞いて思い出す有名人って誰ですか？女優さんなので、広瀬アリス・すず姉妹は抜きです。長澤まさみも抜き。美保純も抜きです。

　イエモンの吉井和哉さんでしょうか。一風堂の土屋昌巳さんでしょうか。TUBUの前田さんは熱海出身です。ヒカシューの巻上公一さんも熱海、Hey!Say!JUMPの知念くんも熱海出身！若い人たちなら、いきものがかり、DJみそしるが出てきますかね。

　僕よりもっと上の世代の人ならピンクレディでしょうか。

　あとは年末に書きましたLDHの静岡出身と言ったらEXILE AKIRAはトップスターなわけです。椎名林檎さんも中学生の頃、静岡の清水区の中学出てるらしいです。ほんと、どっかですれ違ってたりしないのかなあ。

　僕の中の静岡出身トップスターアーティストは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文。アジカンのゴッチは僕と同じ歳の島田市出身で、同じ頃同じようにバンドを組んで、才能のある人とない人の差が歴然と出て、僕はこうして何者にもなれてないわけで。カッコよくてCD聴いてしまうのですが、なんの努力もしてないくせに勝手に悔しがり複雑な気持ちになって始末が悪いです。

　それと電気グルーブの石野卓球とピエール瀧。もう瀧さんなんか、いい俳優さんで、瀧さんが出てる静岡ローカル番組は毎週欠かさず見ております！

　そして第1位は.....ってこの章のタイトルになっちゃってるから、ここまで勿体ぶっても仕方ないのですが『久保田利伸』！クボッサが1番！！！！！（ウチの家庭では、久保田利伸さんのボサノバアルバム、クボッサから愛情を込めてクボッサの愛称で呼んでおります）

　この人、本当に日本人か！？と思うほどの圧倒的なグルーブ感と歌唱力、本当に静岡に住んでたのかなあ、と疑ってしまいます。本当は生まれはアメリカ L.A.出身とかで、日本に戻ってきて活動してるんじゃないかと思っちゃいます。またファッションからマネしようと、横を刈り上げ、てっぺんを伸ばし後ろで結ぼうものなら、僕の強情な頭髪はピタッと寝てくれず、もっこり盛り上がって顔が長くなってしまい、鏡を見るとそこに映る自分はとうもろこし。アフロにする勇気もなく、もしご本人と話ができるチャンスがあるのなら、「マネはできませんでしたが、マネしようとするほど好きです」と言いたい。だからどうした、と思われるでしょうが。

　中学か高校の頃には「流星のサドル」や「TIMEシャワーに射たれて」が流行っておりました。みんな歌うのですが、誰1人として上手く歌えない。クボッサのグルーブが出ないのです。クラス1歌の上手い奴がいて、その後彼とバンドを組むのですが、やはりクボッサは安易に人前では歌えず、歌が上手い奴はB'zを歌うのです。

　話は脱線しますが、その歌が上手い彼は、始めボーカルとして引き込み、その頃僕は3ピースバンドやゴリゴリのロックが好きで、ボーカルが手ブラで歌ってるのが嫌で、「ギター弾きながら歌ったらどう？」という提案にギターを練習し、「俺はギターに徹したい」と新たにボーカルを探すのに苦労した思い出があります。バンドを組もう、とすると苦労するのが上手いボーカルを見つけることと、ドラムを探すこと。ドラムができる奴って中学の頃いなくて、じゃあ0から練習だって言っても、ドラムセット買える奴なんかいないわけです。そして独りっ子でお金持ちの友人がいて彼にドラムを頼んだんですが、ドラムセット買ってすぐ辞めちゃったんです。中学の頃は僕の家の倉庫がスタジオってカッコつけて練習らしきことをしていたんですが、彼がドラムセットはあげるから辞めるってなって、さあどうしよう、という時に練習を覗きに来たナオキって奴がいまして、その彼に無理やりドラムを叩かせて、誰でも叩ける8ビートを「お前、初めてなのに凄いな、才能あるんじゃねえか」と煽ててメンバーに引き入れ、彼はドラムにのめり込み、いくつもバンドを掛け持ちするようになり、プロになると20歳過ぎてもアマチュアでプロのドラマーを目指し、腰を悪くし、30歳前後の頃「俺はお前に騙されてドラム始めたけど、本当はボーカルがやりたかった」と、なんとタカヒロさんが選ばれた時のEXILE公開オーディションに受けに行ってるんです。彼はEXILEのメンバーを前にし、B'zの「Ocean」を歌い、見事に落とされ、今では静岡のテレビで紹介されるラーメン屋を経営する見事な転身を遂げたのです。

　今頃、彼がEXILEに受かっていたとしたら、僕は現在EXILEのファンではなかったかもしれません。

　だいぶ話が逸れたので戻します。クボッサです。僕はロックだ、なんだと言ってバンド組んでましたが、今思えば、中学の頃からR&Bとかブラック系のノレる曲の方が好きだったようで、1人部屋で聴くのはこういう曲を聴くのが多かった気がします。

　もう誰に聞いても、日本でR&B系を普及、牽引してきたのはクボッサで間違いないです。

　苦手なカラオケに連れて行かれ、どうしても歌う順番が回ってきてしまっても、他人に合わせることなく他人も知ってる曲をでは「LA.LA.LA.LOVE SONG」に匹敵する曲はないですし、ドラマ主題歌になったのも多い。

　本木雅弘さんが出ていたドラマ「水曜日の情事」の主題歌が『Candy Rain』のマネをして、妻の役はたしか天海祐希さんで、このドラマの毎年結婚記念日には北京ダックを食べに行くというシーンがあり、自分たちも結婚記念日に北京ダックを食べようと数年続けていたのですが、このドラマは不倫の物語で、あまり良くないのではというのと、息子が大きくなり始め、予約した北京ダックをペロリと1人で食っているところを見て、「あっ、それで6.000円分.......」と次第にこの行事は無くなったのでした。

　ビートたけしさんの「菊次郎とさき」のドラマ主題歌は『Club Happiness』。この曲はふわっと楽しそうで、ちょっとだけ寂しそうな、ややスローテンポな曲で、お母さんのさき役の室井滋さんが「たけしー！」なんて怒鳴って終わったタイミングで流れて、この曲の歌詞「幸せとはふと気づくもの掴むもんじゃない」というのがグッとハマるんですね。膝を90度に曲げて、両掌を上げて、ヒラヒラやって踊っちゃうんです。

　この踊り、クボッサ特有の、というかノリノリのアメリカ人がやってるのですが、クボッサがやってて、なんの違和感もありません。

　そして僕がそのクボッサのノリを始めて目撃したのは、中学生か小学生の頃、テレビのCMで外国人に混じり、フォーク片手に踊っているソーセージのコマーシャル。そのソーセージを「カリッ」と食べるですね。

　そのCM曲が「SUNshine,MOONlight」。サンシャインとムーンライトなんですが、SUNとMOONが、太陽と月が大文字になってるところもカッコよくないですか。僕、この曲聴くと200%の確率で粗挽きソーセージ食いたくなります。むしろ、家でソーセージをつまみにビール飲むときは、大概この曲をかけ、気分良くなると両掌をヒラヒラさせて踊ります。家族から冷ややかな視線を浴びせられるので、ほとんど我慢しますが。

　木村拓哉さん主演のドラマ「月の恋人～Moon Lovers～」でも主題歌は『LOVE RAIN』。この曲、ちょっと歌いやすそうで、ちょっとクボッサっぽく篭った発音にして、自分で歌ってみると、「あれ？結構イケるんじゃね」と携帯で録音して聴いてみると、自分の声は最悪で聴けたもんじゃありませんでした。

　歳をとっても、歌唱力も衰えないし、どんどん良くなってるアーティストってクボッサ以外だと玉置浩二しか思い浮かびません！この2人に挟まれて、歌われたら多分このまま死んでもいいと思えるんじゃないでしょうか。

　それに久保田利伸と玉置浩二は、他人の歌を歌っても自分の曲になっちゃう数少ないアーティストさんだと思います。

　それこそ「EXILE魂」という番組でEXILEの「Ti Amo」をE-girlsをバックに歌ってるのですが、「あっ、クボッサ新曲出したのかな」と思うほど自分の曲になっちゃうんです。これ、玉置浩二さんもこの曲で、「ノゥナァナァナナナナー」的な独特なスキャットが入って歌うのですが、これもまた玉置浩二さんの曲になってしまう。YouTubeで久保田利伸、玉置浩二、徳永英明の御三方の「Ti Amo」聴き比べ動画があるので、聴いてみてください。

　それにしても、スキャットというのは、相当歌唱力に自信がないとやっちゃあいけない気がします。アーティストさんは、「いいや、気持ちがのってくれば、好きなように歌っていいんだよ」と仰るかもしれませんが、聴かされる方は辛いんだろうな、と自分の歌声の録音を再生していて、もどしそうになるくらい凹むのでした。

　こんな感じで今年もいきます。

　本年もよろしくお願いします。