第7話 WILL SMITH(ウィル スミス)

 忘れちゃてる方も多いのでは、俳優のウィルスミスはラッパーでもあるんです。

 ウィルスミスはアメリカのドル箱俳優で、インデペンス・デイ、メン・イン・ブラック、ALI アリ、アイ・ロボット、幸せのちから、アイアムレジェンド、ハンコックなどの主演男優ですが、ラッパーとして先にザ・フレッシュ・プリンスの名前でデビューしてるんですね。


 ラップ、ヒップホップ系って、この曲だけいいんだけど他はダメ、喋ってるだけ、他の曲と区別がつかない、と倦厭してしまうことがありますが、ウィルスミスのは聴き易い、ノリ易い、覚え易いの3拍子揃ってます。


 ウィルスミスの曲を知ったのは、もちろんメン・イン・ブラックの主題歌です。あの掌を交互に上げ下げするダンスのPVは何度も見ました。(バク転しないから、僕でも踊れるダンスですね)サイパンで2ドルで買ったメン・イン・ブラックは海外の物なので、日本に帰って見たら、今のDVDと違って音声切り替えなんかないから、字幕も出ないし英語だし、最後のウィルスミスのPVを見るしかなかったのです。

 もちろんサイパンでは、ハミルトンのあの三角の腕時計も安く買えたのです。映画でウィルスミスとトミー・リー・ジョーンズ(コーヒーのコマーシャルの宇宙人)が付けてる腕時計。文字盤が黒いやつが欲しかったのですが、店員に「日本人、ミンナ、クロ欲しいって言うヨ、だから今無イヨ」って言われて、泣く泣くピンクの文字盤の物を買ってきたのでした。


 22〜23歳くらいの時ですかね、ヒップホップっていうのが自然と流行ってて、ライムスターやリップスライムを聴いてて、もっと広げたいと2パックとか50セント、カニエ・ウエストとか聴いては見たけど、上手くハマらず、ウィルスミスを聴いたら「これだ!」って感じでハマるのです。


 ウィルスミスのラップは耳触りがいいのです。たいした理由はないけれど、なんか楽しそうなんです。ウィルスミスの曲の殆どが、お祭りみたいな、とりあえずワチャワチャ楽しんじゃえ的なのが聴いてて嫌じゃないんです。


 他のラップって、どこか怒ってたり、ぶっ殺すみたいな、だからダンスもあんまりクランプみたいな喧嘩みたいなダンスもあまり好きになれなくて。


 ファーストアルバムの『BIG WILLIE STYLE』では、映画主題歌の「メン・イン・ブラック」の他に、3曲目の「Gettin' Jiggy Wit It」これは「ナナーナーナーナナ」で始まる、あっこれ聴いたことあるって奴です。8曲目の「Miami」も13曲目の「Just The Two Of Us」もヒットした聴き易い曲です。


 でも僕の好きなアルバムはセカンドの『WILLENNIUM』です。飛ばし曲無しでフルで良いです。1曲目の「I'M COMIN' WILL 2K」から、はしゃいじゃいます。2曲目の「FREAKIN' IT」も「フォー」って言いたくなっちゃいます。そして14曲目には、映画主題歌「ワイルド ワイルド ウエスト」が収録されてます。この映画のせいで、ポール・ウォーカーとヴィン・ディーゼルの「ワイルドスピード」のことを、「 」とワイルドを2回言ってしまうのは僕だけではないはず。

 ちなみにこの「ワイルド ワイルド ウエスト」のバックにかかっているのはスティービーワンダーの「I WISH(邦題:回想)」が流れてます。このパンチのあるスティービーの声の上に、ウィルスミスはよくラップを重ねようと思えたな、と思うほど凄い曲のぶっ込み方だと思います。


 数少ない音楽好きの友達と話してて、くだらない質問を酒の肴にするとき、「一生このミュージシャンしか聴いちゃダメって言ったら誰?」という質問には『デュラン デュラン』、「アルバム1枚だけ無人島に持って行けるとしたら どれ?」に対しては、この「I WISH」が収録されている2枚組CDの『キーオブライフ』と答えるようにしてます。すると、誰かが「2枚組はダメだ」というと、「そもそも無人島でCDだけ持ってっても聴けないんじゃないか」とオッサン同士で酔って話してると、周りの人間は何が面白いんだと思うだろうが、これだけの話で盛り上がれるのです、オッサンは。若い女の子に聞かれたら、相手に合わせて「米津玄師」と答えてしまうかもしれません。


 よく小説を書いていて、このシーンはこの曲だなとか、この曲を主題歌として小説書きたいな、とか勝手に思ってますが、ウィルスミスの曲はやっぱりウィルスミスが主演でないとダメな気がします。


 ウィルスミスのCDは、皆んなでワイワイ楽しみたい時、バーベキューやドライブなんかで、とりあえず盛り上がる時にはナンバー1でオススメのCDです。


 俳優が歌ってるだけでしょー、と言わず騙されたと思って聴いてみてください。今までラップが苦手だった人も、こういうラップやヒップホップならいいなと思ってもらえるミュージシャンだと思います。


 それにしてもラッパーの人って、よくあんな長い歌詞、覚えられますよね。

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