第12話 一発と一発

 銃声がした。


 シオリの腹部に小さく穴が開いた。しかし、それはシオリを致命傷とはならなかった。シオリはすぐに後ろを振り向いた。右斜め後ろに、アイヴィーさんが立っていた。


「転校ぉ生ぇぇ!!」


 シオリの意識がアイヴィーさんへと向いた。


〈今だ! 四季島シキシマユウ!〉

「言われなくても……!!」


 僕の体は本能的に動き出していた。右足を踏み込み、再びシオリへと突っ込む。右腕を振り上げる。シオリの左のこめかみめがけ、拳を振り下ろす。


「シオリ、ごめん……!」


 アイヴィーさんへの怒りが余程強かったのか、僕への反応が遅れていた。僕の拳は見事に命中した。


「がはっ……!」


 シオリは体を回転させながら吹き飛んだ。そして、シオリは動かなくなった。

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