第7話 傷だらけの2人
「
遠くでアイヴィーさんの声が聞こえた。
「痛い……痛いよ……」
背中が熱く、心臓の鼓動と共にズキズキと痛む。
「出ろ!【
〈グォォォォッ!!〉
アイヴィーさんの背後から、
「ごめん、ごめんね……」
アイヴィーさんはひたすら謝っていた。
「……ぃ……じょ……ぶ……」
僕は大丈夫と言いたかったが、口が上手く動かなかった。
「【
僕の狭い視界に、悔しさと焦りを混ぜ合わせたような表情をしている。この様子だと、今まで【宿妖】を相手にして、宿主である人間を殺したことは無さそうだ。危機的状況だが、なんだか安心した。
僕はなんとか手を動かし、アイヴィーさんの肩を軽く叩いた。だんだんと痛みが引いてきた。いや、感覚が
僕は体勢を変えると起き上がることに成功した。
「
僕はアイヴィーさんの手を握った。
「アイヴィーさんも……無理したらダメだよ……」
涙目でこっちを見ている。
アイヴィーさんが僕の背中の傷の様子を見てくれた。その表情は驚きの表情に変わっていった。
「四季島くん……傷がほとんど治ってる……!」
「え!?」
確かに痛みは無くなってきていたけど、そんなにすぐに治るとは思えない。しかし、ここで嘘をつくようなことはしないだろう。
「傷がなんで治ったのかはあとで解明するとして、今はシオリをなんとかしよう」
アイヴィーさんは小さく頷いた。
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