第6話 僕は選択を誤った

「感情が高ぶるとボロが出るわよ。今みたいにね」

「シオリ……腕が痛いよ……」


 シオリが掴んでいる僕の腕が痛くなってきた。ハッとシオリは手を離した。


四季島シキシマくん、どいて!」


 アイヴィーさんが近づいてくる。僕は短い時間の間に、頭をフル回転させ答えを出した。僕は両手を広げ、シオリの前に立った。


「あ、アイヴィーさん! 落ち着こうよ!」

「くっ……!」


 妖怪ではない人に対しては抵抗があるらしい。

 よし、僕が盾になっていれば……。


「もうムリだ……」

「シオリ! 無理じゃないって! 大丈夫! 僕がいるからさ!」


 シオリの方を向いて、言葉をかける。そして、もう一度アイヴィーさんの方を向く。


「アイヴィーさんも、その刀? みたいなのをさ……」

「ユウ……お前……ウマそうだな……」


「えっ?」


 後ろから声が聞こえた。何を言っているのか理解できなかった。声に反応し、僕は後ろを見た。


 その瞬間、僕は背中を刺されていた。

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