第10話:少年暗殺者スライムを倒す
こんにちはトールです。
冒険者区の森林エリアのダンジョンに向かったら入り口にでっかいスライムがいました。
報告は以上です。
いやいやいやいや。なんでや。
ていうか、よく見よう、入り口からムニュっと出てこようとしてるんだよ?
逃げようとしてるんだよ???
下の冒険者何してんの?死んだの?
「あああ。タイミングが悪いです…エントランスモンスターが出てくるなんて…というか大きい?」
あら?ノアさんあなた知ってるの?
「エントランスモンスターというのはダンジョン入り口の階段エリアで唐突に湧く魔物です。基本的に入口の階段が狭い以上、小さめのスライムやオオカミ、ヘビなどが出るはずですがスライムとはいえここまで大きいのは…」
入り口の門番的な人がめっちゃ慌てて叫んでるし実際でかい上にしっかり強いと踏んでいいな。
鑑定してみるか。
ーーーーー
名称:ビッグキングスライム
推定ランク:A+
称号:デカブツ
HP:10000
MP:50
属性:闇
スキル
・暴食-無機物は基本無制限に、有機物でも力量差が明らかに大きい場合や弱らせたものは喰える。
・伸縮-伸びたり縮んだりする。伸縮自由。
ーーーーー
は?推定ランクA+???スキルやMPこそ少ないもののHP10000!?
というか推定ランクなんて出るんだな…さて、称号は気にしてはいけないかな?そうか。
(あ、魔物は少し特殊なステータス表記で…)
うん。説明もいいけどまずこいつどうにかしないと
(どうにかできるの???)
「どうにかするんだよ!!!」
そう叫び俺はその俊敏性をフル活用して一気にスライムに詰め寄る。
そして一気にナイフをズドン!…まって、突き刺したらそのまま通り抜けた…は?
慌てて方向転換、スライムの方を振り返る。
スライムのど真ん中に大穴…でもあれじゃすぐプヨンと戻るだろうなぁ…あはは。
とか思ってたら煙(魔素ってやつか?)になって消滅した。
どういうこと?
(この世界の魔物には魔石があるよ。逆に言えば魔物の心臓は魔石だから…)
え、なに、俺は偶然魔石ぶち抜いたと?
(そりゃぁ君の構造分析スキルが仕事できたんだろうねぇ。でも魔物の構造なんて調べられたっけ?)
ステータスを見てみる。
なんか増えてる
ーーーーー
・魔石探知-魔物の魔石の位置を探知する
ーーーーー
うっそだろおい。
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