第3話 なでしこさんぽとしまりんさんぽ
ビーノで時速150kmを出し山道に消える謎の人物。それを追うナデシコ。
しかしついにその人物を見失ってしまう。
ナデシコには確信があった。「あれは絶対にリンちゃんだよ!やっぱり生きていたんだ・・・!」
だが、ビーノを見失ったばかりか、派手なカーチェイスを行ったため
十数名の北朝鮮兵に発見されてしまう。
暗い森の中で包囲され、徐々に追い詰められていくナデシコ。
「女兵士がひとりでこんなところに何の用だあ!?」
「くだらねえぼっちキャンプでもしにきたのかよ!」
懸命に走り続け逃げた先は、大きな岩壁が立ちはだかる行き止まりだった。
もはや逃げ場はない。
一斉に銃口を向けられ、ナデシコは死を覚悟した。
北朝鮮兵の指が銃の引き金に触れる。その瞬間、兵士の胸を鋭い金属が貫通した。
-テント設営用の杭、ペグである。
「ぐああああ!?」
「敵だ!!」「どこからだ!?」
うろたえる北朝鮮兵。
敵の姿を視認する間もなく一瞬で4人がペグで貫かれ、次の瞬間にはさらに3人がロープで首を吊るされていた。
完全にパニックに陥った北朝鮮兵達は、散り散りに森の中へと逃げていった。
だがナタを持った人物が森の影から現れ、最後の数人をたやすく刀のサビにしてしまった。
森の中から現れたのは、シマ・リンであった。
「リンちゃん!助けに来てくれたの!」
「お前は誰だ・・・?私を知っているのか?」
「私を覚えていないの!?リンちゃん・・・記憶が・・・」
「どうやら私のなくした記憶と関係のあるヤツのようだな。
だが私は今はただのキャンパーだ。消えろ!ソロキャンの邪魔だ!」
そのときナデシコのスマート・フォンに諜報員サイトウから通信連絡(LINE)が入った。
「北朝鮮軍が臨時日本政府のある富士山頂へ向けて、進軍を開始。至急、救援を求む!」(泣き顔のスタンプ)
「リンちゃんのちからが必要なんだよ!」
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