魔法学園入学試験⑤

「はああああああああ!?」



「嘘だろ?あの副団長と!?」「あいつら絶対死んだな」「おいおい子供相手だぞ!?」



そりゃあ周りもうるさくなるはずだよ。父さんは何を考えてるんだ!?



「はい!みんな落ち着いて。」



周りが静かになった。



「エイク君は何番?」



「1257番です。」



「では、ネスとエイク君はここに入ってきた扉の前で待っててください。」



「1256番と1257番はとばして次いきましょうか!1258番、出てきて。」



「次は私ですけど姉さん。」



ケプリが出てきた。っていうか姉さんって事はこの副団長も王族なのか。



確かに顔がモデルかっていうくらい可愛いし、ポニーテールしていてとても俺好みだ。違う違う、そういう事じゃないな。



「ケプリじゃないですか、ここにいたのですね。」



「姉さん、これは一体どういうことです?」



「師匠のお願いですからね、ちゃんと学園長に話は通ってますから安心してください。」



「なら、いいんですけど」



と言いながら前に出てきて



「ファイア」



手からでかい炎が的を壊した。この中では一番いいかな。




「おおすごいな。」「あの子本当に、6歳なの?」「下手な冒険者よりすごいんじゃないか?」



ケプリが戻ってきた。



「すごかったね、ケプリ」



「こんなの出来て当然です。」



また褒めてるのに、なんでだろう?



「次の人いきましょう。」



そんな感じで俺とエイク以外は試験が終わった。




「これにて、実技試験は終わりです。1256番と1257番以外は帰るように。」



「はい!」



後の皆は最初と変わらず、へなちょこだったな。





「ネス、エイク君待たせましたね。おや?ケプリは何故まだいるのです?」



「うう、それは、えっと、あのーそのー」



困ってるようだな。フォローいれてやるか。



「ケプリは俺達と一緒に着いてきたんだ。だから今も一緒にいてもいいだろ?」



「そうですか。それはおいといて、どちらからやりますか?」



ケプリがほっとしてるな。そうとう焦ったのだろうなんでだろうな?



「ネス、どっちからやる?」



「エイク、お前からいけよ。」



「わかった。僕からやろう。」



お、エイクがなんかやる気でてんな。



「決まったようですね。では、今から三十分後にエイク君はここに来てください。それまでは自由に移動したり、休んだりしていいので。」



「俺達は?」



「ネスとケプリは観客席に移動してください。ここにいたら邪魔になるので。それと、早く観客席に行かないと座る場所なくなりますよ?」



「何故ですか?」



「それは私とネス&エイク君の試合を学園の生徒達に事前に言ってあるので、多分相当来ますよ。」



「 「まじですか!?」 」



「はい。まじです。」



満面の笑みで言ってきやがった。なんてことをしてくれたんだ。



「まあ、僕は構いませんけど」



「えらい自信があるようですね。楽しみにしてますよ。」



「はい!」




―――――――――


「エイク、どうするつもりなんだ?」



「僕は詠唱破棄があるから、とりあえず、上級魔法をたくさん打つさ。それに精霊魔法も、少し試してみるつもり。」



なるほど、多分あの副団長は詠唱破棄を使えないだろうから、副団長が詠唱してる間に打ち込むってのはいい作戦だ。



「エイク、姉さんにはステイシア様から貰ったスキルがあるから気をつけた方がいいですよ。」



「あー、確かグレン様が言っていたね。」



「ケプリ、そのスキルはわかるかい?」



「いや、わかりません。ですが、相当強力なはずです。」



「まあ、がんばってみるよ。二人は観客席で応援してて。」



「うん。頑張れよ。」



「わかってる。」





――――――――――――


俺とケプリは観客席に来た。



すると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。



「ネスーこっちー!」



よく見るとキー姉と、シュウ兄がいた。



「ケプリ、シュウ兄とキー姉がいる所で見ようか。」



「はい、いいですよ。」



俺とケプリはシュウ兄とキー姉の所まで行った。



「ネス、そちらの方は?」



「初めまして、ケプリ=ステイシアです。」



「初めまして王女様、僕は騎士学園に中等部三年のフェンディ=シュウと言います。皆からはシュウと呼ばれているので、気軽にシュウと呼んでください。」



シュウ兄、まさかそんなコミュニケーション能力を持っているなんて・・・



「はい、シュウさんですね。そちらの女性の方は?」



「初めまして、私は魔法学園高等部三年のフェンディ=キョウです。」



「キョウさんですね。よろしくお願いします。」



「それにしてもシュウ兄とキー姉、試合のこと知ってた?」



「ええ。知ってたわよ。昨日、先生から教えてもらってたわ。お前らより確実に凄い新人がロック副団長とここで戦うってね。」



なんだよそれ。煽りにきてんじゃん。てかキー姉なんか怖いよ?



「僕は、そこまでは言われてはないけど、ロック副団長と試合があるってことは聞いてたよ。」



「ていうか、もう人がいっぱいだね。」



「それだけ、皆、この試合を楽しみにしてるんだよ。」



そろそろ三十分だな。



「お!でてきたぞ!」



わああああああああああああ!



歓声がやばいな。



「ロック様ー!」「ロック副団長そんなやつぶちのめしてください!」「相手の子、かっこよくない?」



なんかロック副団長の応援が多いな。ていうか、最後変なの入ってなかった?



「エイク大丈夫かな?」



「きっと大丈夫だよ。」



試合が始まった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る