ひざまくらの後は(改稿1)

テン

パパが死んじゃってから

ママは大きなクマのぬいぐるみを買った。

僕とママは

毎晩クマちゃんに抱きついて眠った。

クマちゃんは

大きくて

あったかくて

ふわふわで

いい匂いがした。

パパみたいで、ママみたいだった。

クマちゃんに抱っこされて眠ると

夢にパパが出てくる。

僕は毎晩パパと遊んだ。

海に行ったり

ディズニーランドへ行ったり

宇宙にも行ったし

恐竜も出てきた。

毎晩、寝るのが楽しみだった。

目が覚めたらパパがいなくて寂しいけど

夜になったらまた会えるから我慢した。

ママはいつも

「夢のお話聞かせて」って言う。

お話の時だけ、ママは笑う。

だから、何回も何回もお話するんだ。

だから僕、パパと遊んだこと

ずっと覚えてるよ。

忘れないよ。