115:在学中には、気づかなかったから。
私がわかったことといえば、彼は彼なりにたいそう後輩ちゃんをだいじにしていて、そしてそれはもちろん後輩ちゃんからしてみても、そうだ、ってことです。
そしてそれはつまり――彼はきちんと、という言いかたも変ですが、とにかく、ひとを愛せるひとなんだな、ということを知った、ということでもありました。
とかく変な後輩くんです。なにを考えているかよくわからないというか、変なことしか考えてないのではというか。
じっさいに彼と彼女をつなげたきっかけというのはつまり私ですし、後輩ちゃんから後輩くんへの好意、みたいなのを知ったときからもう、「あの子(後輩くん)はそういうつきあうとか……だいじょうぶなのだろうか……」と、思ってました。
でも、なんといいますか彼は、やるところといいますか、しめるべきところはちゃんとしめることができる、そんなひとなんだな、と。
普段が変に見えるので、そういう側面はなかなかわかりづらかったですけど――。
在学中に気づかなかったのが、ちょっとせつないなって、感じてました。そのときは、もちろん、……その理由なんてろくに自覚もしていなかったのですけれど。
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