114:ここまでの関係性ってものがあるんだな、と。
また、後輩ちゃんからのメールを、彼は見せてくれました。
彼が他人からもらったメールやメッセージのたぐいを見せてくるのは、後にも先にもこれが最後だったと記憶しています。
のちの長いつきあいでもわかりますが、彼は自分宛てにきた文章などなどを率先してひとに見せるタイプでは、けっしてありません(私がもし彼のスマホの中身を見たくなったらいますぐにでもラインとかも含め見てもいいって言うかもしれませんが、それとこれとはまた別ということで……)。
そこに書いてあるのは、後輩ちゃんからの熱い誉め言葉の数々でした。
いろんな言葉をたくさんたくさん色とりどりの宝石箱のように並べて(じっさい絵文字もあったのでカラフルなメールだったことはたしかですね)、彼のどこが好きか、どういうところが魅力的か、だから好きなんだ、ってことを、一生懸命に、そして非常に真摯にあこがれのごとく伝えている、そういう――印象を、受けました。
「誉めすぎですよねえ」
「いや、○○ちゃんからしてみれば、○○くんはぜったいそういうひとなんだって……」
いいなあ、って素直に思いました。
ここまで、だいじにして、だいじにされて、――互いに見上げあうような関係性なんてあるのか、と。
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