24:そうして交流をもちはじめたのですよ。
さて、時系列を高校時代に戻しまして――。
そういうわけで私たちは、さぐりさぐりでも確実に交流をもってゆきました。
彼と、私のこういう状態。その年の夏休みくらいまではキープといった感じでした。
ほんとは、緩やかにすこしずつ、お互いになじんで、仲よくなっていたのだとしても。
いま思い返してもよかったのが、なんと夏休み中もほぼ通常通りに部活ができたことですね。と、いうか、なんならふだん以上?
うちの学園はめちゃくちゃ面倒見がいい校風なのですが、その一環なのか私のコースは夏休みも夏期講習と称してお盆以外ほとんど毎日午前授業。彼氏たちのほうのコースも希望者には追加授業をおこなう。すごい熱心っぷりでした。
成績による補習とかとは違うんですよね。それこそみんな受ける、塾みたいな形式での数日単位の講習でした。なのでふしぎなことに、学校の校舎でありながら、長期休みのあいだだけ大きな塾や予備校みたいな雰囲気になりました。
いま振り返れば学園ですべて長期休暇中も面倒を見るよという配慮で、けっこう助かった面もあったのですが――まあ当然その、なかば義務でしたので、生徒たちにとっては「正直ダルい」感も、あったわけでして。
私は若いころはどうしても朝が弱かったですので、午前だけ行っておしまいというのはたまらなくつまらなく思えて。
なので、いっそ夏休み中も部活をやろう! と。
うちのコースのひとは毎日来てるのだし、ほかのコースでも来るひとはいるし、部活をやるという申請だけ出して部屋を借りてお昼ごはんとか食べて、だらだらだべったりしよう、と。
そして、なんと、それがかなってしまったのですな。
うちの顧問の先生はそこらへんが緩くて助かった……ってとこも、ありまして。
私が所属していた三年間においては、もっとも文芸部が賑わった時期でもありましたね。
なにせほぼ毎日部屋を開け、来たいひとだけふらっと来て、適当におしゃべりしてから寄り道して帰ったり。
青春、というのを全身で体感していた夏だったと思います。
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