夜街






舌先三寸で舐めとる退廃的な愛の

粗悪な味に溺れる背徳感

希薄な水溶液の不純物の中に

紅い結晶が在る訳でも無いのに

安い林檎飴を齧って愛を漂泊して

酔狂な夜の不協和音に鈍痛を覚えて

それでも北極星だけは見失わない様に

裾を翻して爪先立ちで駆け上がる

錆びた非常階段の踊り場で

辛うじて息をしている少女の

後ろ髪を引く指先






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