第7話 物語はまだ終わらない

   それは昔の物語



   家業で弁当屋をやっていた頃 僕の親父は厳しくて

   夕飯を昼に残った弁当を食べろと渡された


   夏の暑い日には 弁当が腐り おかずは糸をひいていた

   僕は臭いを嗅いで 食べられるか確認して食べた


 

   白飯はボロボロになり お湯をかけて食べたね



   今でも思い出すんだ あの頃の事を



   腐った弁当を食べる事で 物の有難みがわかったよ

   もしも今 僕がホームレスになっても ゴミ箱に捨てられた

   食べ物をあさりながら生きていけるだろう



   世の中のはぐれ者ホームレスになり 捨て猫のように路上で死んでいくのか



   それでも僕は生きている

   他人の優しさに触れる事で僕は生かされている


   物語はまだ終わらない

   そうさ今から始めれば良い 新しい出逢いに祈りを込めて



   どうか幸せを感じられますように……




*~*~*




 このエピソードは【人間のカケラ】にも出てきます。


 朝に作ったお弁当は夕方には腐っていました。家庭で夕食を囲む事はありませんでした。お店を1人で見ながら、100個の弁当箱を洗い、腐ったお弁当を食べていました。


 とても孤独です。


 あたたかい家庭の味を知らないのです。


 他人に優しくする事も出来ませんでした。今は後悔と懺悔の毎日です。今の僕の境遇は僕の行いの末路です。受け入れて生きていきましょう。


 物語はまだ終わらない。


 自分に言い聞かせ、今日も生きているのです。

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