川のせせらぎ
平凡といえば、平凡で、その平凡はかけがえのない幸せだった。
サラリーマンの父と大手企業に勤めていた母が、お見合いで出会い、その二人の二男として、私は、この世に生を受けた。
私の上には、姉、兄がいて、裕福だったわけではないが、時々、衝突はするものの、家族皆仲良く、平凡で、そして、暖かい家庭に育った。
学生のころは、ラグビー部に所属し、たくさんの仲間に囲まれ、途中、道を踏み外しそうになることもあったけど、家族、仲間に支えられ、無事に高校を卒業した。
高校卒業後は、親不孝にも浪人して、三流だが、何とか大学に受かり、その大学を卒業して、あまり大きな会社ではないが、産業機械を扱う商社に入社した。
元来、内気で話ベタな私は、営業職には向かなかったようで、最初のうちはそれでも何とか成績をあげようと必死にもがいていたが、何の覚悟も決まっていないそのころの私は、
ふてくされ、公園の脇に止めた営業車の中で一日寝て過ごす日々を送り、将来への希望を失いかけていた。
そのころに、有希に出会った。
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