清流

奈良県の景勝地、みたらい渓谷。

霧の中で呼吸が苦しくなった私は、清らかな空気を思い切り肺に送り込みたいという衝動に駆られ、この地にやってきた。

エメラルドグリーンの清流沿いに、光の泉に向かって歩く。

川遊びに興じる親子、バーベキューを楽しむ若者のグループ、目に写る人々は皆満ち足りているように見え、朗らかな気持ちになると共に寂しい気持ちも襲ってくる。

この地にいると、今、起こっている現実が遠のき、遠くから自分が歩んでいる姿を眺めることができる。

なぜ、清流が濁ってしまったのか、泉の水が枯れてしまったのか、これまでの自分の歩みが映像となって目に映し出された。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る