合格発表

俺が通うこの高校は、全校生徒数1200人中なんと男性は200人しかいない。

事実上のハーレム学園だ……。


50分の昼休みを有意義に過ごすために、教室は少しざわついている。

俺の目の前には、自作の弁当を広げてミニハンバーグをパクつく少女の姿がある。

俺と彼女のいつもの光景だ。

彼女は俺が教室でぼっちなのを見かね、一緒に弁当を食べる提案をしてくれた。

そして俺が毎日惣菜パンなのを見かね、弁当を作ってきてくれる提案をしてくれた。

俺にとっては非常にありがたい存在だ。

俺は、彼女の作ってくれた弁当を頬張りながら語る。


「駅前のプリン屋の店員さんの制服可愛いよね」


「えっ何、?もう浮気の話?」


「なんでそうなるんだよ、お前エスパーじゃなかったのかよ!!」


特にプリンには興味がない俺が偶然行くことになったプリン店。

その店のリボンタイが印象的な可愛らしい制服、そしてフリルブラウス特有のヒラヒラに俺は一発で虜になった。


「まさか、私にそれを着てHな事をしろと?」


彼女は胸を隠しながら、ジト目でこちらを見つめる。


「なんでそうなるんだよ、お前エスパーじゃなかったのかよ!!」


本当に考えていなかったかと言われると否定は出来ないが、彼女があんな服装になったらもっと可愛いなと思っただけだ。


「まあ、あの手のコーデをするなら春先かな。」


「なんだよ来年の話かよ!」


やはり男女交際を円滑に進展させるには、時間の共有は必須項目だと思う。

世の女性達が男性に求めるのはイケメンと言う話もあるが、そんなの嘘っぱちである。


彼女は早々に小さい弁当を平らげると、ニコニコしながら俺に問いかけた。


「もしかしたら10年後かもよ」


「えっ?」


俺の疑問符ハテナを無視して、彼女はニコニコしながら続けた。


「ずっと一緒だよ。」


━━サクラサク

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恋愛問題 水無月暦 @yuo626

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