第5話 スクルドの偽名
オペレーション・ワルキューレでは、小惑星と共に一緒に4人の女性
パイロットが降下してきた
彼女達はオペレーション・メテオで最初に降下した輝月の援軍として降下してきたが、迎撃の核ミサイルで一人はぐれてしまう
それが、俺が保護することになるスクルド・ノルダルだ
これは俺の独断で判断した
一介の少佐では、戦争に加担するような判断など出来るはずがない
事実上、中国に宣戦布告した形にっている国際宇宙連合のパイロットを、
中国軍に間借りしてる施設の中で引き渡しもせずに保護するのは協定違反になる
言い訳ぐらいあるが、今の彼女は戦争中の敵国の将軍扱いだ
輝月と同じような目に合わせるわけにはいかない
「それで髪を染める必要あるのか?」
「日本人の振りをするんだ必要に決まってる!」
彼女の見た目は日本人に近い東洋系の顔立ちをしている
茶髪茶目だけど髪を黒く染めれば、目の色素が薄い日本人で通りそうだ
名前も日本人っぽい偽名を用意すれば大丈夫だろう
「少佐って見た目と違って結構感情的なところある?」
「なんだ藪から棒に」
「いや、初めて会ったにしては準備周到じゃん」
と言うか、偽名なら既に用意されていた
本当は輝月の為に用意したもので、名前、戸籍、学歴、さらにパスポートまで準備してた
「全部、輝月の為に準備していた物だ」
「それ、追加で4人分用意できない?」
それは輝月を含めた地上に降下した国際宇宙連合全員分を用意することになる
「敵地で負ける戦争に加担する訳にはいかない」
それに俺一人で用意できるはずもない
気付いたら
「必要そうだな、用意しておく」
ここは脱衣所で、俺達以外にも
実はスクルドが黒髪に染めてる物は
「おお、用意できるのか!?
言ってみるもんだな、さすが司令官!」
「ああ、私は司令官だからね。
息子には頼られてないが、やろうと思えば一人や五人ぐらいどうにかしてみせよう!」
そんなことやってるから貧乏くじ引くハメになるんだよ
俺の独断で保護することにしたが、どうやっても
ゼブラ模様(?)の
不幸中の幸いで、試作機を外国に持ってる際に機体の詳細は知らせない様に数だけ申告してる
最初の隕石で壊れた
それで数が少なくなっているから1機ぐらい増えても分からないだろう
「それで、スクルドの偽名は
気に入らなくても変更は出来ないからな」
そんな二人が高笑いしてたが、名乗る偽名を教えるとスクルドが固まる
「それって、日本にあるピンクの桜か?」
「そうだ、割とありきたりな名前で悪いな」
女の子に付ける名前ランキングで常に上位に入るほど人気の名前だ
「いや、悪くないぜ。
むしろ良い名前じゃないか!
桜だぜ、桜!!
地球の人には分からないかもしれないけど、俺達宇宙生まれには動物の名前や植物の名前は人気なんだよ。
スクルドとか本当は人気ないんだよ?
それなのに、ワルキューレならスクルド的な感じで命名されちゃったんだ。
だから人気の植物である桜なら大歓迎だぜ!」
嫌な名前だから固まった訳じゃなく、嬉しくて固まったらしい
「それじゃ、矢代…」
「違う、桜だ!
やり直して?」
黒い笑顔で凄まれた
「えっと、桜、日本に帰るまで、よろしく」
「おう、こちらこそよろしく。
お世話になるぜ!」
染めてた髪は渇いたようで、軍隊らしくない態度を除けば、俺達と一緒に居ても目立たないだろう
これから派遣された俺達は、任務(テロ組織壊滅)が一通り終わったので、
後は日本に帰るだけ
戦車を持ってきてるから超大型輸送機に乗せないといけないので、今は超大型輸送機待ちだった
そこにオペレーション・ワルキューレで隕石が落ち、砂が巻き上げられたことで航行が困難になってしまった
俺達は陸路で超大型輸送機が航行可能な場所に行くか、そのまま海まで行って船で帰るか協議しなくてはならない
派遣された日本軍の幹部を呼び出し、スクルドこと桜も同席させた会議で、彼女が爆弾発言をする
「輝月達を助けに行こうぜ!」
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