第22話 独房の暇つぶし
エイルとの通信を終え神谷に報告する
報告した内容は、昨日の出来事や日本軍に保護されたと伝えたこと、
通信や監視衛星の設定データなどだ
「通信は分るが監視?」
「私の現在位置と状況を常に監視してるのよ」
と誤魔化した
実際にレーザー通信する際に光軸を合わせる関係で、私の位置を知る必要があるけど、それ以上に大切なことがある
それは私が失敗したことをいち早く知るためだ
今回私が通信したエイル・ストゥルルソンの様に、私の代わりに続きを行う者が用意されている
それがオペレーション・メテオの第二作戦なのだが、失敗=死亡(判定)なので絶対に失敗できない
仮に死んでなくても降下する時は、隕石と共に私が居た場所を目指して落下してくるので、巻き添えで死ぬ可能性が高い
内心、そんなことを思ってる間に
「
「英語かロシア語で書かれてる
「多分無いと思う」
「無いなら参考書でも何でもいいから読めるのお願い」
「分かった、出来るだけ探してみる」
などと神谷が言って扉から出て行ったら、
直ぐに奈菜伍長が慌てた様子で部屋を訪ねてきた
「よかった、まだ居た」
そう言って足元に荷物を置いて、私の寸法を測るために体を触ってくる
「私の見分け通りMサイズので大丈夫そうね」
荷物から二着の服を渡された
それは日本軍の制服で奈菜伍長が着てる物と同じだった
「これ伍長の物ですか?」
「そうだよ、聞いて、もう少ししたら中国軍が
なんでも
【ロプノール】内に来ることは無いと思うが念の為に着ていた方がいい
私は今着てる服一着しかなかったため嬉しいが、下着含めて足りない
「分かってる、それは町に戻ってから買うから今は其れで我慢して」
制服に着替えさせられたら服は回収され、部屋(独房)から出ない様に注意を受けた
それなら神谷少佐にも頼んでるが暇つぶし用の本をお願いしたい
「英語かロシア語っていうのが難点ですね。
タブレットでも持ってきましょうか?」
タブレットなら言語を設定するだけで英語もロシア語も大丈夫だが、私が使っていいのだろうか?
「その辺は許可を取らないといけないので分かりません。
本よりは暇つぶしに良いはずですし、ダメ元で聞いてみますね」
奈菜伍長はポケットからインカム(片耳だけ着けるタイプ)を取りだし、その場で司令の許可を貰った
「それじゃタブレットを持ってくるけど、持ってくるのは私個人の持ち物だから変にいじらないでね」
扉から出た後で暫くしたら戻ってきた
持って来てもらったタブレットは10インチほどの白い薄型タイプで軍によくある耐久性を重視した作りとは違う
「ただいま、龍野少佐はこっちに戻れないみたいだから暫く私が一緒に居ることになったわ。 よろしく」
「それは最初来た時に言ってた中国軍関係?」
なんでも将軍が来るから左官以上の人は出迎えるために忙しくなり、
逆に奈菜伍長は撤収準備が途中で止まり暇になったので交代したとのこと
「タブレットの言語設定は英語でいいよね?」
英語に変えると奈菜伍長がアイコンで何が入ってるか説明してくれる
単純なゲーム(落ちものゲームとトランプ)と任務地のガイドブックが入っており
他にも漫画の画像データなどが入ってたが日本語で書いてあったので読めなかった
「写真データは恥ずかしいからできれば見ないでね」
そう言われると見たくなるがパスワードが必要だったので無理だ
「見ないでって言ったのに何で直ぐ見ようとするかなー」
「そういうフリなのかと思って」
お約束というやつだ
「そういうのはやらなくていいです!」
入ってる写真は風景データや、国際連合の活動でお世話になった人たちと取った写真に、広報用の写真など
私が面白いと思う写真は入ってない……………、
と彼女は言うが結構(地上を知る)参考になりそうなので頼んでみるが
「中には結構死体の映像がありますから……」
うん、無理を言い過ぎた
彼等、日本軍がテロ組織と戦闘したたことを考えれば私が知ってる日本と現在では事情が異なることは容易に想像ついた
戦闘してると言うことは死者も出てるわけだけど
「そんなの如何して個人用タブレットで撮ってるの?」
「………個人的な戒めです」
少し気まずい空気が流れるが気にしてはいけない
こういうのは気にすれば気にするほど空気が悪くなる
だけど流石にこれ以上は聞けないので引き下り、
ゲームで遊び、ガイドブックで現地のことを勉強することにする
「紙とペンはある?」
奈菜伍長に取って来てもらい、そのついでに500mlのペットボトルを貰う
飲み物は夕方まで
さっきの仕返しかと思ったが単純に飲みすぎるのを防止するためらしい
「どうなるか分かりませんが暫く
確かに
「了解、部屋は出るつもり無いから奈菜伍長は戻っても大丈夫だよ」
そこで何故か彼女は出ていくのを渋る
「いや、暫く私は仕事は無い予定なんだよね。
だからここで戻されると困ると言うか何ていうか……。」
私をダシにしてサボるつもりらしい
「でも、もうやること無いよ?」
「そうなんですよね……、じゃぁ、私と親交を深めるためのお喋りとかしない?」
これは本格的にサボるつもりだ
それなら無駄にならない様に実験に付き合ってもらおう
「お喋りはしない。 それより、身体能力テストできる様な物って無い?」
「それ良いですね。 データを出せばサボってることになりません!」
手伝は快く了承してもらったが、使えそうな物がメジャーしかなかった
「……先ずは身長から測りましょうか」
身長を測り、次となると二人ともどうすればいいのか分からなかった
身体能力テストは受けるモノで自分からやるモノでは無かった
いざ自分でやろうとすると何をやっていいのか分からないものである
この日は身長だけ測って後日、身体能力テストをやることになった
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