第21話 李将軍
宇宙から来た少女、神代輝月
彼女を此方に来る中国軍から隠すために一つの命令が全隊員に伝わる
「強行偵察で出た被害は全て隕石が原因である」
実際にはアラウィー戦線との戦闘でも被害は出てるが、それを無かったことにすると言う意味だ
事実として戦線との戦闘で出た被害は少ない
中国軍は設営した補給基地の手前で止まり一時休憩
その際にテロ組織アラウィー戦線と戦った俺達の情報収集するらしい
中国軍から一台の装甲車がこちらに向かってくる
乗車しているのは中国の
俺達、日本軍は彼等を出迎えるために撤収作業を一時中断して出迎える
「全員、敬礼!」
装甲車から出て来たのは軍人とは思えないほど肥え太ったおっさん
部下と思われる他の人たちは筋肉質ではあるが太ってはいない
「ご苦労、休んでくれたまえ」
日本語を話したので間違いなくあのデ…、太ってるのが
「龍野司令官久しぶりだな、ロプノールは役に立ってるか?」
「はい、移動できる前線基地として、とても重宝しています」
この将軍は【ロプノール】の貸し出しを推し進めた将軍で、
ウイグル地方を任される有能な指揮官らしい
俺達が【ロプノール】を貸し出された御陰で戦力差が分かっても引き下がれなくなった
恐らく、そうなると計算して貸し出し、あの地域に居る戦力を割り出すために俺達を利用したタヌキだ
油断すれば、知らぬ内に何されるか分かったものじゃない
「我々が来た目的は先ほどの通信で知らせたな
アラウィー戦線が使ってた鹵獲兵器の分析と押収だ。
なんでも
どの程度の物か分析の為に接収するが、文句はないな?」
「勿論、文句など無いですとも、代わりに負傷した兵の護衛は任せますが良いですね?」
「任せたまえ、病院で治療した後に本国に送ることを約束しようではないか!」
何が可笑しいのか高笑いする
若干呆れ顔の部下が
「分かってます、用意してるので此方にどうぞ」
平隊員は解散し、左官以上の者が
天幕の後ろに壊れた
「これか、改造してあるが元の
「元はドイツ製の荷運び用パワードスーツだと思われます」
そう思う根拠を聞かれたので、改造元と思われるパワードスーツにラベルがそのまま貼ってあることを告げる
壊れた
「ドイツ語は読めないのだが、戻れば誰かしら読める部下がいるか。
この機体と損傷の少ない機体の二機と投車器を接収させて貰う。」
部下に命令し、部下が一人装甲車に戻って行った
「この投車器は使えるのかね?」
「ええ、動作テストはしましたから使えるはずです」
動作テストは何も乗せずに動かしただけなので何か乗せて動かして欲しいと言われ、
適当な物も無かったので隕石の破片(凡そ100kgの塊)を乗せて砂漠の砂が多い方へ向けて試射することになった
3回ほど試射した結果、飛距離は6~7kmで練習すればもう少し伸ばせると感じ
廃車を使った場合、1~1.5トンの重さと考えると、単純計算で10分の1以下の距離まで減るだろう
「意外と飛ぶものだな」
この投車器も接収するらしいがどうやって運ぶのだろう?
俺達は
どう見ても、これから一戦やる布陣で来ている彼等は使えない(運用しない)兵器を運ぶだけ邪魔になる
「龍野大佐、我々は
ウルムチ基地(タクラマカン砂漠を挟んだ反対側にある基地)ではなくホータン空軍基地まで運べばいいとのこと
俺達もホータン市で補給するつもりだったので運ぶぐらい問題ない
「受け渡しはこれを渡せばよい」
手紙を司令官に渡し、用は達したとばかりに装甲車に戻り帰って行った
入れ替わりに
その際、中国の
「これは………、通信機か?」
「sorry,sorry. English OK?(ごめん、ごめん、英語だけど大丈夫?)」
「OK I can speak English.(大丈夫だ。 俺は英語は喋れる)」
「That's mine. Do you return it? (それは俺のなんだ。 返してくれるか?)」
返してほしいと言うから素直に返す
「Thank you.(ありがとう)」
「Be careful.(気をつけろよ)」
情報収集の一環だろうか、通信機はオンになっていてワザと落とした物に思えた
これだから、あの
俺達の会話を拾うだけ拾って、後で何食わぬ感じで通信機回収に来ただろう
最近の通信機は常に録音されており、どんな小さな言葉も拾うため盗聴器の代用として使われることがある
何か変なこと漏らしてたら危ない所だった
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