第10話 戦車vsメタルアーマー
足りない、足りない
食糧が足りない、物資が足りない、なにより……、水が足りない
オペレーション・メテオでは地球降下の際、ミサイルで迎撃され、降りる場所はランダムになるだろうと予測されていた
その私が私が降りるのに最悪とされる場所、それは戦場と砂漠
戦場では巻き添えで死ぬとされる確率が高く、砂漠は補給できる食糧や水が無いためである
その両方が有る場所に降りるとか最悪もいいところだと思ったが、
案外、最悪が二つ揃うとマイナスが二つ揃うのと同じようにプラスになることがあるのだなと、
敵対してきた兵士(戦車長)から奪った食糧と水筒を確保しつつ思う
砂漠に食糧がないなら(敵兵から)奪えばいいじゃない!
とかマリー・アントワネットっぽいことを考えながら、敵増援の前にカメラを直すさなければいけない
「頼むからシステム再起動の間、敵は出てこないで」
祈りが通じたのか分からないが敵が出て来ず、システムが再起動し、エラー報告が出てくる
整備用の電気信号を辿って切断箇所を探し、原因を見つけたが
「原因はなんてことのないコード抜けとか…」
恐らく着陸時の衝撃か、上空でミサイル迎撃されてたときの衝撃で抜けたのだろうと思うとコードに余裕が無さ過ぎたのが原因だろう
一度外に出てカメラを復旧させハッチを閉めると信じられないくらいの汗が出てくる
汗を拭きたいが、その前に敵戦車の増援が来た
敵は戦車1両と随伴歩兵用と思われるトラック一台
中に入れた食糧と水筒は中の適当な場所に固定し、戦車が止まり動かなくなるのを待つ
「Shit, Is that alive?(くそ、そいつは生きてるか?)」
「No, Dead already.(いえ、既に死んでます)」
壊れた戦車の後ろに居る私には気づかず戦車長がハッチから顔をだし指示を始めた
「Look for whether there isn't a person who hides!
(隠れてる者が居ないか探せ!)」
その様子を指に付いてるカメラで隠れて見ていたが、トラックから歩兵が出てきて戦車の周りを固め、
壊れた戦車の後ろを探しに来たので仕方なく強襲に移行
「What is it?(なんだアレは?)」
隠れてた場所からバク宙で高さ5mほど上空に跳び、10mほど離れた戦車の上に着地してみせたら歩兵が一斉に銃を撃ち始める
もちろん
「oh no(しまった!!)」
「Think well, A little more.(もう少しよく考えろ)」
最初に奪った手榴弾を周りにばら撒き、死んだ戦車長から手榴弾を補給して戦車の中にも手榴弾を入れる
戦車の上で伏せると爆発と衝撃があったが私と
この戦車長も最初見つけた戦車長と同じように携帯食料に水筒と手榴弾と拳銃を持っていることから非常用の装備がコレらしい
(戦車長の拳銃は
まだ余ってた手榴弾も歩兵に投げて食糧と水だけ安全な場所に置いて、
「バラバラに逃げてるし、この場合は食糧と水の確保が第一優先かな」
食糧と水を機体の中に入れて周りを観察すると隠れてた他の入り口が複数開き始めてるのが見える
「逃げたんだから連絡できるならしてるよね」
新たに開いた入り口は四ヶ所
丁度、左右50mほど先に二ヶ所、前方の左斜め上と右斜め上に二ヶ所(こちらも50mほど離れている)
その場所から戦車が現れ包囲されたと同時に、最初の戦車が出て来た入り口が閉じ始めてる
私は急いで中に入ろうとしたがアラートが鳴り、咄嗟に後ろに下がって砲撃を回避したが入り口は壊れてしまった
「………、これで勝ったとか思わないよね?」
【アイギス】が第二射の予測完了し、私は回避行動に移る
第一射の煙が晴れる前に第二射が来るが射線上から離れてる私には当たらない
避けた勢いのまま左の戦車へ突撃
第三射が来る前に戦車を飛び越え敵戦車を盾にするが相手は構わず撃ってきた
衝撃で止まる前に、着弾を確認する前に、前へ、前へ
時計回りに次の戦車に向かい、狙いが定まる前に敵戦車の後ろに隠れる
二回目も味方同士なのに躊躇なく撃ち、止まる前に、前へ、前へ
流石に三度目だと予測され敵戦車に辿りつく前に撃たれるがジャンプして躱す
爆風と衝撃が私を加速させ三台目の戦車裏に辿りつくが、今度は砲撃が飛んでこない
止まってた戦車が動き始め、距離を取り狙いを定めようとするが、その前に戦車の上に着地してハッチを開ける
ロケットパンチなる手を外し、ハッチの中に入れ遠隔操作で人を掴んで握力で殺し始める
一人、二人、三人目になったとき他の戦車が砲身を此方に向け狙いを定める
急いで手を戻しても間に合わない
ならばと、手を伸ばし、戦車の裏に隠れ、盾にして砲撃を凌ぐ
残り一両分の戦車では火力が足りず戦車の裏まで攻撃は届かないはずだが戦車の弾薬庫に引火したらと思うと気が気じゃない
それでも慌てず騒がず慎重に煙で見えない手を遠隔操作で腕に戻した
その時、砲撃は止まり、戦車が後退しはじめた
「逃げるなら追わずにいたいけど、後ろから撃たれる訳にはいかないし、なにより……、食料を逃すわけにはいかないよね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます